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「二人の木の下」―詩―
雪を 踏みしめ
山の細い道を 登り詰め
「二人の木」の下に
ようように たどり着く
息が 上がる
枯れた枝が 風に鳴ると
あなたへの 恋しさが 蘇る
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春の 穏やかな日
この道を 手を取り合って登り
「二人の木」の木陰で
眼下に かすむ 街並みを
何もいわずに 見下ろし続けた
夏は 高原に 身を置く
おだやかな 湖面をみつめ
二人で 語り合った
たわいない夢
お互いの 生い立ち
将来への 希望 等々
時間が 朝の光のように
走り去った
高原の ニッコウキキスゲは
頭をかしげながら
ふたりの話に 耳をすませてた
夏が過ぎて
秋が 茶色いスーツ姿で
やってくる頃
「二人の木」の緑の葉が
ゆっくりと 茶色に枯れ始める
冬 「二人の木」は 葉を落とし 丸裸
あなたの 声は 風の音に邪魔されて
聞こえにくくなる
心に眠っていた 春の種が つぶやく
「冬を 捨てて
列車に 飛び乗ろうよ」
あした 都(みやこ)に 行こう
あなたの アドレスを
握りしめて ドアを叩こう
「二人の木」のしたで
肩を 寄せ合って
再び 未来の話を 書き連ねたい
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