「雪遊び」詩―[＃シロクマ文芸部　＃初めての]参加作品

初めての　雪遊び
3歳の　彩ちゃんは　恐る恐る
雪の上に　新しい長靴をはいて　立つ

庭の　花や木は　その様子を
笑顔の中から　見つめてる
噂を聞いて　土の中から
モグラも　分厚いダウンコート姿で
顔を　だしてる

さざんかの花は　身についた
粉雪を　降り落として
陽の光で　赤くまぶしく光り
色どりを　漂わす

シジュウカラの　おかあさんは
心配そうな眼をして
「ピーツピ　ピーツピ
（気を付けて　ゆつくりゆっくりよ）」と
彩ちゃんを　応援する

彩ちゃんは　雪を握って
小さな固まりにして　縁側に置いていく
幾つかの　固まりが　陽だまりにならぶ

固まりの上に　山茶花の　緑の葉を
一枚づつ　置いた　後で
バアバが　白砂糖を　「ひとさじ」づつ　振りかけた

ごつごつした　「さざんか雪まんじゅう」が
これで　出来上がりだ

子犬のルルは　さっそく　近寄ってきて
においをかいでいる

縁側が　お菓子屋さんの
店先に　早変わりだ

これは　父さんへ　こっちは　かあさんへ
それは　バアバに　あれは　ジイジにと
小さな指で　指し示す

枝の　小雀が　「私のは　どれ？？」と
「チュンチュン」となく

彩ちゃんの　縁側お店は　忙しい
赤い頬を　キラキラさせて
つくる雪団子の　話は　
ゆったりと　里山の隅々まで
広がっていく

きっと　今日の 里山新聞に
大きく　乗せられて
明日は　ペールブルーの空の下に
動物たちの　行列ができるだろう

小牧幸助様の「＃シロクマ文芸部　題＃初めての
の」企画に参加させていただきました。
小牧様　旧年中は大変おせわになりました。
本年もどうぞよろしくお願いします

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