台湾リレーインタビュー、はじめます!
思い起こせば私が台湾にやってきたのは、中文(※)を学ぶためというのが、そもそもの始まりでした。振り返ってみると、大学の授業で文法や文化を教えてくださった先生方だけでなく、その食堂でいつも声をかけてくれる女性や、出かける先々での路上ですら数えきれない出会いがありました。
留学生活も終わりが見えたものの、思うように中文能力が伸びず焦りを感じた私が、いわゆる四技能(読む・聞く・話す・書く)を鍛えるために採った方法は「とにかく人と出会い、話すこと」。「○○はどこにありますか。」「これはいくらですか。」など、すでにわかっていることを聞くことによって人と会話する機会を増やしていました。その多くは、「今日はこれから妹の看病に行くのよ〜。」とか「よかったらLINE交換しようよ。」などそのままおしゃべりに発展し、台湾人の人懐っこさを目の当たりにしました。
同時にこの頃、台湾ブームが日本を席巻し、日本から訪れた多くの観光客の皆さんにも出会いました。しかしながら皆さんのリクエストは「有名らしいんで、このお店に連れて行ってほしい。」「ガイドブックのここに行きたい。」といったもの。実は、それらのお店の一本裏の路地にこそ、観光では見えない「本当の臺灣」(あえて繁体字で書きます!)が存在していたりします。
そのような経験 -観光客だった自分が生活者として台湾で過ごすうちに出逢ったユニークな「臺灣」の皆さんとの交流- を何かのかたちでご紹介したい!と思うようになったのが、留学終了も間近に迫った2017年。まだまだ言葉も不自由でしたが、数名のかたにインタビューをさせていただきました。しかし、時間の工面や自分の能力不足でなかなか難しく頓挫してしまいました。ほんとうは100名のかたにお願いしたかったその企画、再び台湾に戻ってきた後も忘れることができず、いつか再始動できないかとずっと思い描いてきた企画です。それが今、こうして形になりました。
再開できた理由はルールを作ったからです。自分で対象者を集めるのではなく、インタビューさせてくれた人に次の人を紹介してもらう、つまり「リレー方式」です。そのため自分自身も次にどんな人が登場するのかわかりません(笑)台湾の友人に話したら「テレホンショッキングか!」と突っ込まれましたが、まさにそんな感じ。登場するのは日本が好きで、私が「面白い!」「チャーミングだわ!」「こんな人がいるのね!」と感じさせてくれたユニークな台湾人から始まります。
中文部分は極力ご本人が発したままの表記に努めます。中文学習中や日本語学習中のかたが読んでも楽しめるかもしれません。これを読んでくださったかたが、少しでも台湾に興味を持ち、何かを感じてくれたら嬉しく思います。私が感じているワクワクを皆さんにも楽しんでいただけたら、こんなに嬉しいことはありません!
(※)いわゆる「中国語」「北京語」なのだけど、中には台湾独特の言い回しや表現もあったりするので、台湾と中国を切り離して考えるためにあえてこう呼んでいます。