LUKSOの成り立ち【LUKSO part.3】
Part.2から間が開いてしまいました。
日々Twitterを漁っていると、LUKSOに限らずブロックチェーンやWEB3の課題・展望について色んな洞察があり、
「これNoteでも言及してみたいトピックだなー」なんて思いながら、最近はいいねやブックマークをポチポチして過ごしています。
今回は、LUKSOのこれまでの歴史について少し振り返ってみたいと思います!
私自身、2021年には存在を認知していたのですが、実際に詳細を触れたのは2023年なので、調べたことのまとめも兼ねたいと思います。
※誤記・誤りなど、ご指摘歓迎いたします。同時に、DYORでお願いいたします。
歴史概要とこぼれ話
2018年:
Fabian Vogelsteller(ファビアン)とMarjorie HernandezによってLUKSOプロジェクトが設立される。
2019年:
初期のホワイトペーパーを公開。
2020年:
rICO(リバーシブルICO)により $LYXe のトークンセールを実施。
最初期価格は $0.20~0.40(ETHの時価換算)
Reversible ICO of LUKSO
2021年:
LUKSOのテストネット公開。複数のパートナーシップ発表により、デジタルファッション・NFT分野での取り組みに注力。
NFTバブルも相まって、一時高騰($40オーバー)。
2023年:
メインネットの稼働
Universal Profile🆙のローンチ
2024年(上半期現在):
なんか知らんけど価格がめっちゃ落ちる。($10→$1)
しかし、コミュニティはたぶん・むしろ・元気・強気。
最後だけえらく適当に書いてしまいましたが。
さて、冒頭の共同設立者の一人、現在もプロジェクトリードを行っているファビアン氏ですが、
彼は過去にEthereum Foundationで活躍しており、ERC-20を考案したことでも知られる人物です。
・・・はい、ここでいったんストップ。
ブロックチェーンに触れたことがある人なら、ほぼ100%、この規格ベースのお世話になっています。
ウォレットに入っているETHやUSDTはもちろんのこと、カエルとか犬とか猫とかmemeトークンなんかも、チェーンによっては規格は異なりますが、設計思想はERC-20がベースになっていると思います。
ERC-20の詳細は出典に預けますが、
一言で言うと、
「ブロックチェーン上で使われるトークンの共通ルールセット」
平たく言えば
「誰でもデジタル資産を簡単に作れるようになる規格」
です。
ビットコインでは送金手段としての技術は確立されていましたが、
このERC-20規格により、
自由にトークンが作成できるようになり、ICOバブルを経て爆発的にトークン発行が盛り上がったことが、
今日のブロックチェーン経済の礎を築いたとも言えそうです。
そんな規格の発案者で、イーサリアムのコアメンバーでもあった彼が、なぜ独自プロジェクトを設立したか?については、後述(あるいは別途詳しく)触れたいと思います。
彼としては、当時”試し”で作ったものが、まさかここまでデファクトスタンダードになるとは思ってもみなかったようですね。
・・・とりあえず私が感じていることは、
「ギャビンウッド氏やヴィタリク氏に比肩するキャリアなのに、ファビアン氏の知名度低すぎない!?」
です。
もちろん有名人にはカリスマ性や、積み重ねられた大衆認知・レピュテーション(評判)も必要でしょう。
引き合いに出していいか分かりませんが、
”実業家といえば「ホリエモン」”
が圧倒的、みたいな。
いつの時代・どの分野にも、大衆に知られず隠れた天才はいるものなのかな・・・。
私がファビアン氏に若干傾倒している点は否定しないですが、彼はキャリア・実績だけでなく、ブロックチェーン技術とその発展に対するビジョンも抜きんでている一人だと感じています。
(毎度、話が逸れ過ぎるのでまずはこの辺で・・・)
LUKSOの目標とビジョン
これについては、設立当初と現在で趣旨がすこし変わっているように見受けられます。
設立当初からしばらくは、「ファッションチェーン」というイメージ戦略を行っていたようですね。
実際、シャネルなどのブランド出身のアドバイザーも迎えたりしており、
特にNFTバブルの頂点であった2021年にはこの期待感からか、
$LYX はメインネット未稼働にもかかわらず一時 $40 越えを記録していたようです。
・・・当時を知らない私にとっては何とでも言えるかもしれませんが、相当なHypeだったんだなぁと思います。
裏を返すと、何もなかった当時に比べて現在は土台が整いつつありますから、実需が高まってきたときの展開が楽しみでもありますね。
で、現在のビジョンはというと・・・実は最近公式HPが刷新されてまして。
これによると、以下のようです。
・・・英語をそのまま日本語に訳すと、どうしてこんなに胡散くさそ~な記述になるのでしょうか。
たぶんこのコンセプトをLUKSOを知らない人が聞いたら、スルスル~っと、右から左に言葉が流れていくと思います。
ここについてもまた深堀したいと思いますが、最近のファビアンやチームの動向を見るに、この解釈は
”分散型プロファイルをベースに、ソーシャルネットワークにおける主権をユーザに取り戻す”
ことのようです。
これは、
”特定の企業・プラットフォーム(WEB2)に支配されない分散・民主化(WEB3)”
とも言えそうで、実はPart.1の私の「自分なりのWEB3の答えはLUKSOだ」というのも、ここに紐づいています。
そして、これを実現するために不可欠としているのが、LUKSOのコア技術なのです。
LUKSOのコア技術
LUKSOはEVMなので、イーサリアムと互換性があります。
そもそもですが、なぜファビアン氏はEVMを選んだのでしょうか?
同じくイーサリアムコアメンバーだった
ギャビンウッド氏:Polkadot
チャールズ・ホスキンソン氏:ADA
のように、
EVMでなく独自アプローチでチェーンを作ることもできたはずです。
私の推測もありますが、ファビアン氏はEVMによるチェーン間のInteroperabilityを重視しつつも、イーサリアムで実現できなかった理想を追求すべくLUKSOを立ち上げたのだと思います。
ただ、ひとくちに”実現できなかった理想を追求”するといっても、
”自分だけで財を成したい”とか、
”自分でゼロから作り上げたい”という、野心的な思想よりは、
”本当はイーサリアムでやりたいんだけど、既成環境が複雑すぎて作り直すことができないのでEVMの別チェーンでアプローチしたい”
というニュアンスに思います。(もちろん本人から聞いたわけではありません)
というのも、LUKSOとそのコア技術である
は、現在ブロックチェーンにおいて当たり前のように使われているMetamaskなど、EOSベースのウォレット・秘密鍵のアプローチから異なり、
Account Abstraction(AA)
を根本・ネイティブでサポートする技術・チェーンだからです。
(AAについてのイーサリアムでの研究内容はこちら)
ERC 4337: account abstractionとは何か_勉強会資料 #AccountAbstraction - Qiita
おそらくですが、イーサリアムでAAを実現しようとすると、チェーンの基礎工事レベルの対応が必要になるかもしれません。
場合によっては、
「イーサリアムのあなたのウォレット、チェーン基盤の仕様変更があるから〇月△日から使えなくなるんで色々ヨロシク」
みたいなことが起きるかも。(適当)
まっさらな状態でAAのアプローチをするには、新しいチェーンが必要と考え、LUKSOを立ち上げたのだと思います。
一方、LUKSOにはAAアプローチだけでなく、
LSP(Lukso Standard Proposal)による拡張性・柔軟性に富んだ技術も提供されています。
今後は、自分の勉強もかねてこれらの技術についても掘り下げていきたいと思います(^^)/
次回予告
書きたいことはいろいろあるので、細切れにちょこちょこやっていこうかなと(@^^)/