Crypt Bustersのサ終でより顕在化したNFTの問題点と、NFT2.0による解決【LUKSO part.6】
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↑こちらでLUKSOについての記事をまとめています。RayRayさんとの共同マガジンです!
予定ではLUSKOの分散型アカウントシステム「Universal Profiles」についてまとめるつもりでしたが、NFTについてホットなトピックがあったので、先にそちらを取り上げたいと思います。
短くする予定がまたまた長くなってしまったので、伝えたい内容を最初に要約しておきます・・・。
さて、まずはこちらをご覧ください。
最近良く目にする、BCGのサービス終了。
私はBCGはSTEPN以外ほとんどやったことないので適当な見解ですが、収益モデルが維持できず、やむなく運営を諦めることが多いのかもしれません。
BCG・・・というかゲームという産業については、色々と持論があるのでそれはまたの機会にしたいと思いますが。
注目すべきは、サ終に伴って公開されたMedium記事のこちらの記載です。
・・・・・・
1行目は、分かります。
トランザクションを介さずに勝手にウォレットの所有トークンが消えてしまうなんて、ブロックチェーンではあり得ませんものね。
サービス終了しても、思い出とともに大切なNFTはウォレットに残り続けるんだ!
なーんだ、安心。安心。
・・・問題は、2行目と3行目です。
おそらく、ブロックチェーン界に携わる全員が、この記載には突っ込まざるを得ないでしょう。
売れない・・・!?
画像が消える・・・!?
LUKSOを知る私からすると、もはやこれはNFTとは言えない代物です。
いや、NFTの定義が「Non-Fungible-Token(代替不可能なトークン)」であり、そのトークンの所有者・唯一性がブロックチェーン上で担保されている、とするならば、もちろんNFTではあるのですが。
「売れない」し、「画像も消える」なら、もはや、ブロックチェーン上に刻まれた、ただの文字列情報でしかありません。
このサービスがどのようなNFT規格を用いたかは調べていませんが、おそらく代表的なERC-721あたりを踏襲した何某かだろうなと。
この規格は有名でありつつ、重大な欠点があります。
気づいている方も最近は多いですが。
オンチェーン情報が欠けているのです。
例えば本件のCrypt Bustersで言うと、サービス独自のマーケットプレイスがあるようなので、おそらくNFTを示す画像は、このサービスのドメイン(オフチェーン)に保存されており、NFTはそれを参照する形を取っているのでしょう。
つまりこのドメインが削除されれば、自ずと画像もなくなり、そのNFTがどんなナリをしていたのか、誰にもわからなくなってしまいます。
このサービスだけでなく、ERC-721規格準拠のNFTは、このように不足しているギャップをプラットフォームに依存しているのです。
有名な「Opensea」を基軸にしたNFTのほとんども、例外ではありません。
この問題点については、LUKSOの共同設立者であるFabian氏は数年前から指摘しており、また、有名なイーロン・マスクも、NFTについて批判していることでも知られています。
さて、ではどうしたらこのオンチェーン情報のギャップを埋めることができるのでしょうか。
答えは当たり前ですが、
「すべてブロックチェーン上に保存されていれば良い」
ですね。
当然、その問題を解決するものも、あります。
調べた限りだと、
Ordinals
NFTDrive
SUI
このあたりが、オンチェーンストレージなどを活用してフォローする感じでしょうか。
たぶんこの3つは、日本でも比較的よく知られているほうでしょう。
こうした規格やチェーンが今後より注目され、「ブロックチェーン上にすべて刻まれた、誰にも改ざんできない非代替デジタルアセット」が、文化を、社会を、世界を変えていくかもしれませんね!
レッツ、マスアダプション!!
~おわり~
ではないんです。
今回の件では、私もご多分に漏れず「やっぱNFTはフルオンチェーンじゃなきゃダメだNE! YES!LUKSO!うぉおお!NFT2.0!」みたいなことを呟いていたのですが、
「くりぷとくりぷと」さんが、すごく良い指摘をされていました。
これはその通りで、サ終したらそもそもオンチェーンで画像が残っていても、何の役にも立ちません。
ビジュアルがかっこいい、かわいいから、で手に入れたのならまだしも、今回のNFTが単にゲームを有利に進めるためのアイテムやアバターだったら、なおさらのことでしょう。
あるとしたら、せいぜい思い出を振り返るくらいですが、次第に、誰が作った、何のサービスだったかも忘れてしまうでしょう。(このあとの伏線)
なので、NFTはオンチェーンに全て刻まれていればとにかく良いわけではなく、
そもそもデジタルアセットとしてのベースの価値を高める必要があるのです。
(ここで私の定義する価値とは、「価格以外に裏打ちされたもの」を指します。)
ここで唐突ですが、LUKSOのNFT2.0について紹介します。
まずは特徴をざっと。(出典:LUKSO Tech Documentation)
独自のロジックを組み込むことで、「時間経過」や「レベルアップ」などによる形態変化など、「ダイナミックNFT」が実現可能(ERC725Y)
クリエイター情報がオンチェーン上で担保される(分散型アカウントUniversal Profiles🆙)
Crypt Bustersのように、サ終によりNFTの画像が消滅する、という心配が原則、なくなります。
❤+1 イイね!👍️
下の図にもある、波動拳?みたいなNFT「ORBS」がダイナミックNFTの代表例で、こちらは約40日ごとにトークンを利用して進化(Boost)させることができます。(現在Boost3段階目です🔥)
LUKSOにはいまのところBCGはほとんどありませんが、このようなダイナミックNFTは特にゲームに活きること、請け合いですね。
❤+1 イイね!👍️
・・・ ❤+100k イイね!👍️
ここが、前述の「デジタルアセットとしてのベースの価値を高める」ポイントになるのではないでしょうか。
もちろん、ERC-721準拠のNFTも、SenderとRecipientに定義により、所有権の追跡はできるでしょう。
しかし、前回の記事でも紹介したとおり、既存のブロックチェーンのほとんどはMetaMaskなどのEOAに依存しており、いわゆる「所有権」とするものは、つまるところ「おサイフ」の移動表現でしかありません。
しかも、EOAは単一の秘密鍵に依存しているため、「秘密鍵を紛失した」「奪われた」といったことがあると、その「サイフ」が誰のアイデンティティであるかは、サイフの原所有者を含め、誰にも証明ができなくなってしまいます。
アイデンティティが非情に脆いのです。
一方、LUKSOの分散型アカウント「Universal Profile🆙」は、この問題を解決しています。
「オンチェーン上で担保されたアイデンティティの確立」
「マルチシグ(複数ログイン手法)による安全性の確保」
これによって何がもたらされるか?
クリエイター
自分の作品であることを、ブロックチェーンが証明してくれます。
真贋に悩まされることはありません。
分散型アカウントに裏付けされた評判や実績を築くことで、NFTとクリエイター自身の価値の向上にも繋がっていきます。
その価値を保有する大切なアカウントも、単一の秘密鍵に依存せず、セキュアなものになります。コレクター
秘密鍵の紛失や、サービス終了によるNFTの消滅に怯える必要がなくなります。
クリエイターがブロックチェーン上で検証(保証)されているため、偽物を掴まされる心配がなくなります。
総合すると、
自分が使っているアカウントを安全に管理することができ、
アイデンティティやレピュテーション(評判)を築く基盤としてアカウントやアセットの価値を理解し、大切にしていくことができます。
つまり、NFTそのものの価値ではなく、NFTを裏付けする「アイデンティティ」がデジタルアセットの価値を底上げする要素なのでは、というのが私の仮説です。
これこそが、昨今のクリエイター的NFT領域に欠けていた、最後のピースなのでは無いでしょうか。
そう、答えは分散型アカウントだったのです。
そしてこれは、現在LUKSOにしかありません。
なんというブルーオーシャン。
NFTの幻想が剥がれかけている現在ですが、是非、クリエイターの方にこそ、伝わって欲しいなと思います。
・・・しかし、私自身もNFTは作ったことがないですし、NFT作成にも一定の敷居があることは認識しているので、クリエイター目線でのオンボーディングプロセスも、私自身も模索してみたいですし、LUKSO陣営にも打診していけたらなと思っています。
最後に、LUKSOのNFT2.0のマーケットプラットフォームである「Universal Page」を紹介します。
是非一度、覗いてみてください👐
The NFT 2.0 marketplace on LUKSO | Universal Page
最後に、今回紹介した内容は、LUKSOでできることのほんの一部、です。
Universal Profiles🆙を基盤としたLUKSOの技術については、改めて今後ご紹介します。(毎回言っているような・・・)
謝辞
LUKSO Community Grantsに、当マガジンを申請しておりました。
結果として17名のContributorsの方々にご支援をいただきまして、ありがとうございました。
Grantsの使途については、情報発信、クリエイターさんへの宣伝・サポート・フォロー、簡易的なGiveawayなど、マガジン共同運営者のRayRayさんと検討していきたいと思います。