早期英語が燃えるわけ

Xを開くと、また早期英語が燃えている。いろんな人があーだ、こーだと述べている。今回は、私も便乗しようと思う。

早期英語が燃えるのは、以下の2点が原因のように思う。

  1. 早期英語勢と外部の考える目標に乖離がある

  2. 早期英語の目標までのアプローチに再現性がない

早期英語の人たちが思い描く英語力の獲得には、確固たる道すじがなく、アプローチがぼんやりしているというものだ。それは事実であり、実際のところ、そういうものなのだ。

一定のお金と時間を投下して「必ず」到達できる英語のレベルはたかが知れている。特に、事業として英語サービスを提供する場合は、目標が定量的になることが多く、獲得できる英語のスコープはより小さくなる。事業は顧客との約束を守ることなので、致し方がない部分はある。

「うちの子は小学生で英検2級」

といった無意味な戦いを、誰しもが見たことがあるはずです。それを一般の人がみると、その程度なら早期英語なんてする必要ないよね。英検2級はいつでも取れるし、なんなら認知能力を獲得してから英語に集中した方が伸びも早い、コストも抑えられるよねとなる。英語以外にもやることあるし、という具合だ。

しかし、「小学生で英検2級」は、早期英語の目標ではない。早期英語の目標の期待値は、より高い英語力の獲得であることが多い。具体的には、以下のような能力を指している。

  • 母語を介入させずに英語のまま理解ができる(RL)

  • 教科書外の様々なアクセントが聞き取れる(L)

  • ネイティブ複数人の会話が理解できる(L)

  • 発音や流暢性が原因で聞き返されることはない(S)

  • 英語コンテキストで話が展開できる(SW)

  • 英語で情報収集、判断、実行ができる(RLSW)

どうだろうか。早期英語の外部の人が語る「受験で無双」「就職や転職市場で有利」といった、必要性や金銭に紐づく話からは遠い。これらのスキル獲得を定量化させるのは難しい。定量化が難しいため、事業としては成立させづらい。目に見えないので、賛否が起こり、宗教みをおびてくる。

早期英語の目指す、母語レベルの英語力を獲得したい場合、「これさえやれば間違いない」というルートはなく、目指す人の数だけ異なるルートがあるように思う。人の数だけお金を稼ぐ方法があるのと同様に、バイリンガルの数だけバイリンガルになる方法があるといった具合です。その人にあった学習方法は、やっていく中でその人のみぞ知る、といった感じに近い。

これは本当に大変だ。週に1,2回のオンライン英会話では全く足りないし、年間数百万円はインターに入れても保証もできない。早期英語勢はそのことを知っていて、一日に何時間もインプットをさせる。インプットした内容を能動的に使える環境まで自分で用意をする。そんなことを生まれてからずっとやっている。途中で脱落ないしは目標のすり替えをする勢力が大半の中で、自分の信じる道を歩いているように見える。

目に見えづらい目標とそこへ向かう道のり。

いま必死で早期英語をしている人たちが、あと10年もあればもう少し分かりやすい形にしてくれるのだろう。私は楽しみである。

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