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アントフィナンシャルこれからどうなるか?4/12金融機関面談後最新の状況のまとめ

アントフィナンシャルは4/12中国主要金融機関の面談を受け、そこから今後の業務改善方向性は明らかになりました。本文はそのまとめをと伝えします。今後も中国Fintechについて最新情報をお届けしますので、よければ(@Lucheng_li)フォローをお願いいたします。

※この文章は財新の記事に基づきまとめたものになります。

アリババの近況はまた中国のビッグテック、フィンテックの神経を刺激しています。4月10日、アリババグループへの独占禁止調査で最終的に182億元(3032億円)の罰金を課しました。その後アリババグループの株価が急伸していました。

決着がこのままつけられるのかなと思ったら4月12日に、中国人民銀行、銀行・保険監督管理委員会、証券監督管理委員会、外国為替局などの財務管理部門が共同でアントグループに再度面談を行ったという。

以前の面談のスケジュールを整理してみました。

・2020年11月2日 JackMa、取締役Jingxiandong、CEOHuXiaomingと面談
・2020年11月3日 IPOストップと公開
・2020年12月26日 5項目の業務改善命令
・2020年4月12日 上記の共同面談

さて、今回の面談で何が固まったのでしょうか。大きく3つです

1、資本金の規制
2、AlipayとHuabei(花唄)、Jiebei(借唄)業務の分割
3、金融子会社の登録種類の変更

資本金の規制


 多くの金融ライセンスを持つアントグループにとって、今回の面談では、アントグループ全体で金融持株会社を設立し、金融活動を行うすべての機関が規制対象となる金融持株会社に含まれることが初めて明らかになりました。

  2020年11月1日に実施された「金融持株会社の監督管理に関する試行弁法」(以下、「金融持株弁法」)によると、所定の事情で2つ以上の異なる種類の金融機関を保有または実質的に支配している国内の非金融企業、自然人および認定法人は、人民銀行に金融持株会社の設立認可を申請しなければならない。
 一番影響されるポイントは資本金です。 金融管理弁法では、金融持株会社の設立を申請する企業は、50億人民元以上の払込登録資本金と、直接保有する金融機関の登録資本金総額の50%以上の資本金を有し、金融持株会社および保有する金融機関に継続的に資本を補充する能力を有することを要求している。つまり、金融事業の子会社の登録資本金が50億元であれば、アントグループが保有する金融機関の登録資本金の規模を合計しても100億元にしかならないのである。
 財新の報道によると、アントフィナンシャルの合計資本金は362億元、将来業務再編後に必要登録な資本金は770億元、要するに金融持ち株会社の資本は385億元(6410億円相当)が必要です。そして、登録資本金は実際払込が必要なため、大きな資本金負担となります。(現状払込済みの金額は235億元(3912億円相当))。

AlipayとHuabei(花唄)、Jiebei(借唄)業務の分割

これから、HuabeiとJiebeiはAlipayから切断されます。

「切断」とはどのような意味ですか? 財新によると、これからAlipayは独立した金融アプリとなり、"将来的には決済インターフェースにおいて、AlipayはAlipayのみとなり、もはやHuabei、Jiebei、Yuebao(余額宝)、その他の金融商品と分割し、決済システムは独立したものとなり、最初の原点に立ち向かわせる "としています。つまり、ペイメントはペイメント、金融サービスは金融サービス、で分けるということです

この懸念のもと、スーパーアプリはこれからなくなるのでは?という見方はできます。
これから影響される候補として、京東白条(JDの金融サービス)、滴滴信用付(DiDIの金融サービス)、美団月払い(美団の金融サービス)。

アリペイのシステムに何が問題があるかというと、「非銀行系決済機関のネットワーク決済事業管理弁法」(以下、弁法)を発表し、第三者決済機関は「証券、保険、信用、融資、アセマネ、保証、信託、両替、現金業務などの事業を運営したり、偽装したりしてはならない」と明確に定めています。
しかし、アントグループの前述の金融事業は異なる法人に属しており、それぞれが異なる規制当局から取得した金融事業ライセンスは、中央銀行の決済部門の直接の監督下にはありません。 例えば、HuabeiとJiebeiの背後にある2つの小さな融資会社は、重慶市財政管理局の規制を受けており、Yuebaoの背後にあるTianhong Fundは証券監督管理委員会の規制を受けています。

アリペイと金融商品の入れ子構造により、取引は銀聯と網聯という2大決済機関を経由する必要がなく、プラットフォーム内で直接決済されます。 具体的には、集金コードを通じて資金を直接「残高」、「Yuebao」、「Huabei」などに振り込まれるケースを指します。そうすると入金&出金を決済銀行を経由せずに完了されたため、資金管理のリスクがあるというよう言われています。

ユーザー体験が損なわれるか?
・ 変わる部分: ローンサービスのユーザーエクスペリエンスに影響を与えます。これからローンを借りたいときに、Alipayとは別のアプリを起動する必要が出てきます。
・変わらない部分:タオバオなどのECサイトやアリペイのオフラインQRコード決済を導入したところに購入しても、これまでと同様の体験ができます。 例えば、タオバオのショッピングでは、チャントの分割払いでは、後ろのインターフェイスはアリペイではなく、アントフィナンシャルの独立したアプリに接続されていますが、ユーザーの決済体験は変わりません。

金融子会社の登録種類の変更


HuabeiやJiebeiはAlipayから切り離された後、すべてはアント消費者金融会社に帰属されます。この会社は南洋商業銀行、国泰世華銀行等で共同で出資するものです。アントグループは40億元(665億円相当)を出資し、株式の50%を保有し、筆頭株主となっています。

問題視された重慶にある消費者金融会社「蚂蚁商城小贷」「蚂蚁小微小贷」は信用認定&貸付業務の資格が不適切であり、発行体の所在を明確化するべきと指摘されました。そして今まで自己資本2%で約1.8万亿元(30兆円相当)の貸付額を作れたという歪な構造も正すべく、2021年2月に銀監会総局が発表した「商業銀行のインターネットローン業務規制に関する通知」では、「パートナー機関と共同でインターネットローンを発行する商業銀行は、出資比率レンジの管理要求を厳格に実施する必要があり、パートナーが単一のローンでの 出資比率は30%以上とする、と発表しました。
つまり、もし新たに30兆円ローンを発行する際にアントグループはそのうち9兆円を出さなければならない、ということです。

今後の展望

以上まとめとなりました。厳密に言うとまだ整理がまだ落ち着いておりません。しかし、去年年末より整理の方向性がある程度見えてきて、アントグループがしっかり対応中のこともわかりました。

とは言っても、これから資本金の規制だの、会社分離の手順だの、かなりアントグループに負荷をかかって、成長のスピードが遅くなるでしょう。

一方で、世界でもテックx規制のトピックも熱く議論されて、もしアントグループが早く復活できれば世界の模範とでもなれる可能性もあります。

今後の発展に目を離せません

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