バイトダンスの張一鳴が書いた従業員向けのレター：思わぬ隕石が来るとき、世界一のユニコーン起業家はどう行動したか

バイトダンスの張一鳴が書いた従業員向けのレターが公開されました。
MSとのディール詳細は書いていませんが、張一鳴さんが起業家としてとても尊敬できる内容を書いているため、皆さんにもシェアしたいと思っております。

バイトダンスに対して最高に逆風を吹いている今、張社長のメール文面は落ち着いていて、考えていることもユーザーが第一、従業員が第二となっています。おそらく多くの会社は大統領の業務停止命令を食らわないと思いますが、こんな状況でもバイトダンスは負けずに努力しています。ここからの学びは会社をやっている以上、明日何起こるかわかりません。ただ一つ、どんな苦境でも、自分の最善を尽くして、未来を信じること、は変わらぬ起業という醍醐味であると私は考えます。

以下はメールの翻訳文です。

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ここ数ヶ月は会社としては厳しい状況が続いています。 ここ数日、会社に関する噂や憶測が飛び交っているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。 現在の状況では、TikTokの米国事業は、CFIUSによる強制売却や、米国内での行政命令によりブロックされる可能性に直面しています。

複雑化する地政学的・世論的環境の中で、我々は海外市場において圧力に直面しており、関係するチームは可能な限り最高の結果を得るために、ここ数週間、24時間体制で残業をしてきました。 まだディーテるで言えない部分が多いのですが、できるだけ皆さんと考えを共有できるようにしていきたいと思っています。

2017年末に行われたmusical.lyの買収に関するCFIUSの調査に約1年前から積極的に協力してきました。我々が民間企業であることを繰り返して主張し、技術的な手段を用いてなるべく懸念事項を解消することを努力したがあるにもかかわらず、CFIUSはバイトダンスがTiklokの米国事業を売却しなければならないと判断しました。 ユーザーデータのセキュリティ、プラットフォームの中立性、透明性に対する当社の長年のコミットメントのため、この判断には決して同意できません。 しかし、現在の外部環境を考えると、どうしてもあらゆる可能性を探ることと同時に、CFIUSの決定や米大統領の執行命令にも立ち向かわなければなりませんでした。 ですので、TikTokが米国の顧客にサービスを提供し続けることができるようにするためのソリューションを開発するためのパートナーシップについては、我々はあるテクノロジー企業と最初の話し合いをしました。

解決策を探す中で、3つのことを考えました。
1.ユーザー
昨日の動画でヴァネッサが言っていたように、TikTokはバイトダンスだけの製品ではなく、グローバルなユーザーのコミュニティなので、命のない資産のように扱うことはありません。我々はTikTokという特別な存在を守るために最善を尽くし、TikTokのユーザー体験が損なわれないことを努めていくべきです。

2.チーム
TikTokは多くのタレントを惹きつけ、たくさんの人の知恵や努力を凝縮しています。彼らの作品でもあり、キャリアのベースでもあり、特に危機管理担当の現地の同僚には違う次元のプレッシャーを負っています。 もしも、彼らが地元の会社に勤めていたらこんなややこしい問題と合わないであろう。 しかしその一方で、一緒にこの課題に取り組むことで、異なる地域の仲間同士がお互いをよりよく理解し合えるようになりました。 我々はチームの利益や長期的な成長を重要視していくべきと考えます。

3. カンパニー
我々は「inspire creativity& enrich」のビジョンのために一生懸命働きし、プロダクト日々改善しているように、我々も成長しエクセレントなグローバルカンパニーになりたいです。

まだ最終的な解決策が完全に決まったわけではなく、TikTokに関する懸念や噂はしばらく続くかもしれません。喧騒と試練の中にあっても良い士気を保ち、長期的な視座視野を養い、会社は適切な判断をして複雑な状況下でも従業員に十分なサポートをしてくれることを信頼して良いでしょう。 絶え間ないイノベーションときちんとしたデリバリーにより、お客様に最高のサービスを提供し、急成長を維持することは、危機に対応する上で最も堅実なサポートとなります。

TikTokはすでにグローバルな文化の一部となっています。 何億人ものユーザーが私たちのプラットフォームに集まり、創造し、つながり、ユーザーに喜びをもたらしています。 また、私たちのプラットフォーム上には、多くの人が自分たちのビジネスを運営し、自分の価値を最大化しています。 それを考えると、TikTokの将来にはかなりの自信を持っています。 また、きっと今後信頼を得られるようになるのではないかと思っています。

いつものように、こんな困難な時期にも、我々のチームは特に団結力を持ち、楽観的で、根性があります。 みんなの意見や献身的な姿勢に感謝していますし、このような素晴らしいチームで挑戦的なことができるのは、私にとって大きなモチベーションになります。 最後に、バイトダンスが目指す「信頼されるグローバル企業になる」という目標は、今も昔も変わらず、大きな変化の時代にあって、それを目指すことは、さらに価値のあることだということを、改めてお伝えしておきたいと思います。 それを模索するプロセスこそもやりがいのある旅になるでしょう。