海外投資家の大量売り越しで見えた、日本株式市場の真実
「市場のプロは、なぜ静かに買いを進めているのか」
最近の日本株式市場で、興味深い動きが起きています。
東証が11月8日に発表したデータによると、海外投資家が3,372億円もの大量売り越しを記録。一方で、日本の事業法人は18週連続で買い越しを続けています。この対照的な動きの裏側には、日本株式市場の大きな構造変化が隠されているのかもしれません。
なぜ、このタイミングで売り越すのか
海外投資家による売り越しの背景には、主に2つの要因があります。
1つは円安の一服です。7月に161円95銭まで進んだ円安が、足元では143円台まで戻しています。この動きを受けて、為替差益を確定する動きが出ています。
もう1つは、日銀の金融政策修正への警戒感です。市場では、さらなる金融緩和策の修正観測が強まっており、一時的な利益確定の売りが出ているとみられます。
しかし、日本企業は買い続ける
対照的なのが、日本の事業法人の動きです。
18週連続での買い越しは異例の動きです。特に注目すべきは、この買い支えが自社株買いを中心とした継続的なものだという点。つまり、日本企業は自社の株式価値に強い確信を持っているということです。
実際、2024年の日本のGDP成長率は0.8%増と予測され、米国（0.5%増）や欧州（0.7%増）を上回る見通し。30年ぶりの持続的な賃金上昇も、企業収益を下支えする要因となっています。
投資家へのメッセージ
このような市場環境は、個人投資家にとって重要な投資機会となる可能性があります。
海外投資家の売り越しで割安感が出ている一方、企業自身は自社の価値に確信を持って買い支えている。この状況は、冷静に分析すれば、むしろ投資のチャンスと捉えることができるでしょう。
重要なのは、短期的な市場変動に惑わされず、企業の本質的な価値を見極めること。そして、長期的な視点で投資を行うことです。
変化の時こそ、チャンスの時なのかもしれません。
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