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事業を成長させる前に取り組むべきこと

YC Startup LibraryからSam Altmanのブログ、”Before You Grow”を取り上げたい。(筆者による意訳となっております)

個人的にも、プロダクトの本質がつかめないまま、マーケに取り組んでしまった結果、資金を溶かしてしまい、軌道修正ができずに失敗した事例を数多く見てきた。

そうならないためにも、Sam Altmanのコメントは大変役に立つ内容だと思う。

スタートアップとは”成長”で評価されるものだが、偉大な会社を作るために必要な最初の一歩ではない。自社のサービスがユーザーから愛される前に、事業拡大に集中してしまうと、失敗する可能性は高くなる。

”起業家はあまりにも早く事業を成長させることだけに特化してしまうと、自らの企業をダメにしてしまう”と言うアドバイスは何度伝えても良い教訓だ。

”事業を成長させるな!”と言うことではなく、サービス立ち上げ時期においては、顧客が欲しがるものをよく理解することに時間を使うべきだ。

顧客に支持されないものを作ってグロースすることに専念してしまうと、バケツに穴が開いた状態で経営することになってしまう。

つまり、ユーザーを獲得できても、本質的にユーザーが求めているものを見つけていなければ、チャーンが増えるだけで、やめたユーザーが戻ってくることはないだろう。

それに対して、もしユーザーが求める本質的な価値が分かっていれば、その後事業を成長させることはよりやり易くなるだろう。チャーンも下がり、ユーザー自身が他の顧客に口コミで広げてくれ、あなたの事業が成功する確率が高まる。

Facebookは、最初から熱狂的にサービスを宣伝してくれるプロダクトを持っていた。Airbnbは自社サービスが軌道に乗るまで、1000日間悩み苦しんでいた。どちらも一旦、サービスの本質がユーザーに理解されれば、急速に口コミでグロースさせる事ができるし、今もその成長は続いている。

ユーザーにより認められたサービスは口頭で広がるので、自社でのPRはより一層楽になると言う教訓は、事業会社やハードテック系の企業においても当てはまる。

あなたのプロダクトが仮にユーザーから愛されていない状態でも、それなりのユーザーは獲得できるだろうが、そのあとの成長を続けることは難しいだろう。

結果的に、成長を維持するためにオーガニックではない広告やマーケ、PRなどコストがかかる手段に頼らざるを得なくなる。

プロダクトが不完全な状態で成長すればするほど、軌道修正が難しくなる。大きな組織になれば、迅速に対応することは難しくなり、対処しなければならない重要な変更もできなくなってしまうだろう。

もしあなたが、すでに平凡なプロダクトを作っていて、事業を成長させているのであれば、今すぐ軌道修正するべきだ。

調達して平凡なプロダクトに資金投下し続けて成長を維持することは避けよう。そんなことをしても、根本的な問題は解決されないまま残るだけだ。

もし事業を始めたばかりであれば、どんなに時間がかかろうとも、ユーザーが愛してくれるプロダクトを作ることに時間をかけるべきだ。

ユーザーがあなたのプロダクトに惚れ込んでくれれば、彼ら彼女らの友達に積極的にオススメしてくれるだろう。そうなればあなたがやっている事は正しい。(*)

*NPSはユーザーがプロダクトを気に入ってくれるかを測定する良い手段である。

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