ぱーぷる大人の自由研究 第3回「東武のキツネ達 知られざる実態」
はじめに
今回は東武動物公園で飼育されているキツネ達に関して書きたいと思います。書く理由に関しては前回のタヌキ同様です。キツネに関しては余り出ていないと言う事しか分かっていない様な感じであり、長く東武動物公園に通っている方々でも詳しい事は知らないと言う話しか聞きませんでした。そんな東武のキツネ達の飼育歴史をnoteで分かりやすくまとめて残したいと思い、書く事を決めました。
※(仮名)が付けられている個体は私が観察しやすい様に付けた名前であり、正式名称ではありません。
東武動物公園のキツネ達の歴史
1981年3月28日、東武動物公園が開園。この頃に飼育されていたキツネはギンギツネの「ギンちゃん」、ホッキョクギツネの「ホッキョクちゃん」。この2頭は小獣舎で飼育されており、ふれあい動物パレードに参加。ギンちゃんの死亡した年は不詳だが、ホッキョクちゃんは2006年頃に死去。東武動物公園でのギンギツネ、ホッキョクギツネの飼育はこの2頭のみ。2007年頃にはフェネックが飼育されていた様であり、小獣舎で飼育された最後のキツネとなりました。(2024年現在) 余談だが、小獣舎はホンドタヌキ、セグロジャッカルが飼育されており、小獣舎は様々なイヌ科が見られた事が窺える。
2007年11月23日、日本産動物舎がオープン開始。それに伴い、日本産動物舎でのホンドギツネの飼育が開始。これが東武動物公園では初めてとなるホンドギツネの飼育です。宮城県にある蔵王キツネ村から雄の「コジロウ」が来園。コジロウは宮城県のとある山で保護されたキツネです。
2009年4月26日、姫路市立動物園から雌の「キリ」が来園。飼育員さん達ではお見合いが上手くいくかと心配していたが、コジロウとキリはすぐ仲良くなり、ペアになりました。
2010年4月17日、キリが2頭の子(雄1頭、雌1頭)を出産。
2010年冬頃~2011年1月頃、2010年4月17日生まれの雄は岩手県にある盛岡市動物公園に移動、雌は蔵王キツネ村に移動。盛岡市動物公園に移動したがんづき(仮名)は飼育されていた雌とペアを組み、2014年4月12日に3頭の子(雄2頭、雌1頭)が出来ました。がんづき(仮名)は2018年2月4日に死去。蔵王キツネ村に移動した雌のしろいし(仮名)は2011年頃?に死去。
2011年4月頃、キリが4頭(雄3頭、雌1頭)を出産。
2011年冬頃~2012年1月頃、2011年4月頃に生まれた雄1頭、雌1頭が蔵王キツネ村に移動、残りの雄2頭は鹿児島県の平川動物公園に移動。蔵王キツネ村に移動したうーめん(仮名)、なでしこ(仮名)の死去した年は不明だが、2頭だと思われる写真は蔵王キツネ村の旧ブログで確認出来ます。平川動物公園に移動した雄2頭は「ボール」、「ビビ」と命名。雌のユウアと共に3頭で飼育展示され、その後はボール、或いはビビがユウアとペアを組み、ユウアが2013年4月14日に3頭出産。しかし、2頭が幼獣の頃に死去。残り1頭が徳山動物園に移動、移動してきた個体が「ナルト」である。ビビは2013年8月6日に死去。平川動物公園にいるホンドギツネはボールのみとなり、現在に至ります。
2012年2月頃、キツネ舎の改修工事により、一時期小獣舎で飼育されていました。しかし、警戒心強い故出てくる事は余り無かった模様。
2012年4月~5月頃、キリが3頭(雄2頭、雌1頭)を出産。
2013年1月頃、2012年4月~5月生まれの雌が蔵王キツネ村に移動。移動したきなこもち(仮名)は兄、姉同様に死去した年は不明ですが、蔵王キツネ村の旧ブログには彼女らしきキツネの写真が確認出来ます。同じ頃、残った2012年4月~5月生まれの雄2頭は「ワラビモチ」、「ずんだもち」と命名。何故、ワラビモチだけカタカナかは不明。
2013年4月頃、ずんだもちが富山県にある富山ファミリーパークに移動。ずんだもちは2015年に保護された雌のマツとペアを組みました。2016年4月21日、マツが雄のトシナガ、雌のアオイの2頭を出産、2018年4月17日には雄のヒデキ、カズオ、雌のレナの3頭を出産。現在、展示公開しているのはアオイのみ。2021年11月頃、カズオはよこはま動物園ズーラシアに移動。
2013年4月~5月頃、キリが2頭(雄1頭、雌1頭)を出産。
2013年5月3日、コジロウが死去。
2013年6月頃、2013年4月~5月に生まれた2頭に名前が付けられる。雄は「ジジ」、雌は「キキ」。名の由来は魔女の宅急便から。余談だが、日本産動物舎で命名された飼育個体達は和に因んだ名前が付けられているが、キキとジジは数少ない例外である。
2013年11月28日、ジジが秋田県にある大森山動物園に移動。名が大森山動物園に飼育していた動物の個体と同じだったからか、或いは認識していなかったのかは不明だが、「ケン」と命名。雌のアズミと共に飼育される事になりました。(ペアを組んだかは不明。) アズミは高齢の為、死去。その後、ケンは2022年05月04日、死去。
2014年4月9日、ワラビモチが福岡県にある大牟田市動物園に移動。それと共にワラビモチから「わらび」へと改名。わらびは当時雌だと思われていましたが、雄と判明。ペアになる予定のタクヤと共に飼育されていました。タクヤが高齢の為、死去。飼育されているのはわらびのみとなり、現在に至ります。
2016年1月9日、盛岡市動物公園で2014年4月12日に生まれた雄が来園。この個体は「コジノスケ」と命名。コジノスケこそ、がんづき(仮名)の子供である。残りの雄1頭は盛岡市動物公園に留まり、ファンの間ではがんづきと呼ばれていたが、後に正式名称になりました。その後、がんづきは2024年08月05日、死去。雌1頭もコジノスケが東武動物公園に移動した頃、青森県にある弥生いこいの広場に移動。その個体は「マリー」と命名されました。2024年04月01日、マリーは癌で死去。
2016年冬頃~2017年2月頃、キリが死去。
2017年4月頃、キキが4頭(雄2頭、雌2頭)を出産。
2018年12月頃、2017年4月頃に生まれた雄1頭が東京都にある井の頭自然文化園に移動。これにより、東武動物公園で飼育されているホンドギツネはキキ、コジノスケ、子3頭の5頭となった。
2023年12月20日早朝、キキが乳腺腫瘍で死去。
2024年05月16日夜、コジノスケが肝不全で死去。
まとめ
東武動物公園ではギンギツネ、ホッキョクギツネ、フェネックの飼育をしていたが、日本産動物舎のオープンに伴いホンドギツネの飼育を開始。繁殖に関してはキリは11頭を出産、一部の子は他園館に移動をし、ペアを組んで子が出来た個体がいれば、飼育している園館で唯一飼育されている個体もいる。東武動物公園に残ったキキは兄の子 コジノスケとペアを組み、4頭を出産。キキの兄姉同様に他園館に移動した子もいる。現在、東武動物公園で飼育されているキツネは子3頭のみ。
謝辞
今回のまとめは東武動物公園、蔵王キツネ村、盛岡市動物公園、平川動物公園、大牟田市動物公園、富山市ファミリーパーク、大森山動物園、井の頭自然文化園の飼育員、獣医を含む多数の職員達から有益な情報をいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。
追記
2024/03/03 情報追加の必要性があると感じた為、追記しました。
2024/03/04 一部訂正、色々な方々から聞いて教えていただいた情報をまとめたものなので、謝辞を追記しました。
2024/03/12 徳山動物園のナルトが平川動物公園から来園した事を知り、平川動物公園のボールとの関係性を調べる為に平川動物公園とメールでやり取りした所、分かった事があったので追記しました。
2024/05/21 マリー、コジノスケが死去した情報の追記、家系図を新しい物に変更しました。
2024/08/26 情報追加、家系図を新しい物に変更しました。
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