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ワールドカップ日本代表について

4年に1度のサッカーの祭典、ワールドカップが12月18日に閉幕した。今回は初の中東開催ということで11月開幕となったが、選手はコンディション調整に苦労したチームも多くあったように感じる。

しかし、開幕前の心配をよそに今回のワールドカップはとても面白い大会となった。アジア勢にとって決勝トーナメント進出が3チームというのも史上初だったし、アフリカ勢の初のベスト4進出など、話題性に富んだ大会となり、最後まで本当に楽しめた。メッシ率いるアルゼンチンが36年ぶりの優勝となり、メッシにとっては悲願のワールドカップ制覇となった。

日本にとっても、戦前の予想に反して大健闘した大会であったといえる。最終的には、3位となったクロアチアにPK戦の末に敗退することとなったが、これまでの大会の中で最も良かったものとなったと、個人的には思っている。
今回の日本代表の戦いを振り返ってみる。
初戦のドイツ戦、前半にPKで1点を先制され、前半は終始押し込まれる展開となったが、何とか1失点で前半を終了。後半はメンバーを入れ替えて、打解策を図り、攻撃的な布陣にシフトする。すると、前半とは打って変わって日本が攻勢に転じる。後半にメンバーチェンジした三笘、南野がチャンスメイクして、堂安が押し込み同点ゴール。その後、押し込まれる展開が続くが、キーパー権田が4連続セーブなどで何とかゴールを死守。その後、板倉の前線へのフィードに浅野が反応、神トラップからのドリブルで一気にゴール前へ。ディフェンダーを何とか振り切り、最後はキーパーのニアサイド上を打ち抜く逆転ゴール。結局これが決勝点となり、強豪ドイツを破り世界を驚かせた。
期待感の高まる第2戦の相手は、コスタリカ。この1戦で日本はローテーションを敢行。ドイツ戦からメンバーを大幅に入れ替えて臨む。しかし、押し込む展開になるも、決定的な場面を作れない。前半は0−0で折り返し、後半へ突入。後半も日本がボールを保持する場面を多く作るも、ポゼッションで打開できない。走力のある選手を投入するも、パスの出し手がおらず、決定機ができない。すると、後半終了前に吉田のクリアが中途半端になり、相手に奪われ、まさかの先制を許す。これが決勝点となり、コスタリカ戦まさかの敗戦となった。
決勝トーナメント進出には負けられない第3戦の相手は、強豪スペイン。日本は前半早々に失点を喫す。前半は何とか最小失点で折り返し、勝負の後半にかける。後半開始早々、日本にコーナーキックのチャンスが生まれる。ショートコーナーから、堂安に渡るとミドルレンジから左足シュートを一閃。キーパーの手を弾くスーパーゴールとなり、同点に追いつく。歓喜も冷めやらぬ間に日本にチャンスが訪れる。前田がキーパーに詰めたクリアボールを伊東が必死のヘディングで堂安につなぐ。堂安の上げたグラウンダークロスがゴールラインを割ったかに見えたところに三笘が執念の折り返し、ゴール前に詰めていた田中碧が体ごと押し込み逆転ゴール。しかし、ここでVARが発動し、およそ2分半のチェックの結果ゴールが認められ、結局これが決勝点となり、ドイツに続きスペインにも競り勝つ。最終結果、日本が勝ち点6で首位通過を決め、2位はスペインとなった。優勝候補ドイツがここでまさかの敗退。日本は世界を再び驚かせる。
決勝トーナメント1回戦の相手は、クロアチア。グループステージこそ2位通過だったものの、ベルギー、モロッコに引き分け、カナダに快勝し、無敗でグループステージを突破してきた粘り強いチームである。前半は、クロアチアに押し込まれる展開となったが、前半終了間際に右CKの場面でショートコーナーから堂安が左足でクロス。中央の密集地帯でこぼれたところ、いち早く反応した前田が左足で押し込んで日本が先制した。日本は4戦目にして、初めて先制に成功。最高の形で、前半を折り返す。後半に入るとクロアチアも攻勢に転じ、上背に勝るクロアチアはロングボールを多用し、日本ゴールに迫る。失点シーンもロングボールから生まれた。クロアチア右側からのクロスが、手薄になった日本のディフェンスラインを抜け出したペリシッチが豪快なヘディング。ゴール右隅に突き刺さる同点ゴールとなる。その後、一進一退の展開が続き、双方点が入らず、延長戦に突入。延長に入るとお互いに足が止まり始め、なかなか得点が生まれない。結局延長前後半を戦いぬき、勝負の行方はPK戦となった。PK戦日本の最初のキッカーは南野。右側を狙うも、ややコースが甘くキーパーに止められる痛恨の失敗。続く三笘は左側を狙うが、キーパーのリヴァコビッチが完璧なセーブ。3番手の浅野は何とか成功。失敗すれば、敗退が決まる場面で登場したのがキャプテン吉田。しかし、ここでも痛恨の失敗。結果、クロアチアが準々決勝進出を決めた。

目標としていたベスト8には届かなかったものの、今回の日本代表は世界にインパクトを残した。優勝経験国ドイツ、スペインを破り、最終的に3位となったクロアチアとの死闘の末PK戦まで行った。
今回のチームはベテランと若手の融合ができた素晴らしいチームだったと言える。吉田、長友といった前回大会の経験者たちがベースになり、東京五輪世代の三笘、堂安、久保、田中碧といった若手が躍動した。
次のワールドカップでは、この東京五輪世代がいよいよ中心メンバーとなり、パリ五輪世代が加わるという非常に楽しみなメンバー構成となることだろう。

長々と書いてきたが、今回のワールドカップをきっかけに日本人が活躍するヨーロッパリーグや、若手が楽しみなJリーグも今後、見ていきたいと思う。
サッカーは素晴らしいことを再認識させられたワールドカップだった。

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