あかりブロウラー for note『飲み込み早き学習者、エフィー』【ブロール】(100枚解説あり)
皆さんこんにちは。
この記事シリーズでは動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版として、統率者を紹介していきます。
今回は動画版のない回ですが、構築のベースとなっている《落とし子狩り、リップ》の動画はこちらです。
なお、MTGアリーナの動画の派生であるため原則1vs1視点での解説であることをご了承ください。
ブロールについておさらい
(簡易的な解説として毎回記載しています)
統率者を指定して固有色縛り&各1枚制限でデッキを構築する、といった大まかな点は統率者戦(EDH)と同じですが、
・PWを統率者に指定でき、禁止リストは独自のものを適用
・初期ライフは25点で、デッキ枚数は100枚(スタンダード・ブロールは60枚)
といった点が異なります。
より詳しい特徴については以下の記事で解説しています。
統率者《飲み込み早き学習者、エフィー》
「アルケミー:ダスクモーン」で実装された統率者で、生存者デッキを意識したカードですね。
基礎サイズは3/3/3と一般的な数値です。
キーワード能力の「後援」は、自身の攻撃時に他の召喚酔いも攻撃もしていないクリーチャー1体をタップすることで、そのパワーを自身に足すというものです。攻撃したくないクリーチャーや警戒持ちをタップしたい時に役立ちますが、タフネスは上がらないので倒されないようにする必要はあります。
そして目玉となる能力が「生存」で、自分の第2メイン開始時にタップしていると、自分のタップ状態のクリーチャーに+1/+1カウンターを1個ずつ置き、さらにタップしているクリーチャーの数以下のマナ総量の生存者1枚を、ライブラリーからランダムに手札に加えます(この処理が「抽出」です)。
タップ状態のクリーチャーの数と生存者の投入を要求されますが、全体強化と後続の確保を両立できるのが利点です。
デッキコンセプト
基本的な動きは(1→)2→3と順番に動いてエフィーを機体や《シタヌールの重鎮》によってタップさせ、生存能力を誘発させていくというものです。
そのため1マナ生物に除去を使わせ(生き残るならそれはそれでOK)、2マナ機体によりエフィーを出してすぐ誘発できる手札が理想的ですね。
1→3の動きが行いやすい点が固有色に緑を含む強みの1つですが、エフィーの場合は2ターン目に出す理由は少ないためマナクリーチャーはパワー1で最低限搭乗できるものに絞っています。1→3が可能な場合も、エフィーをすぐ出すよりは他の3マナの動きで牽制したいですね。
全体除去がありそうな場合はある程度手札に戦力を温存しつつ、全体強化で除去を切らざるを得ないようにしていきます。返しのターンに手札に残した生物を機体に搭乗させるのが強力な動きです。
また、デッキとしての速度は極端に速いわけではないためコストを事前に加算するタイプの妨害は採用していません。通常の構築フォーマットよりマナ加速が多用されるため、無理やり唱えてしまいやすいという事情もあります。
【セレズニア機体】としての変遷
※経緯の部分なので飛ばしても特に問題はありません
冒頭で参考として挙げた動画は《落とし子狩り、リップ》ですが、「機体に搭乗することで恩恵のある統率者」という根本は以前投稿した《アティインの英雄、ワイリー・デューク》から引き継いでいるコンセプトです。
ワイリー・デュークは相手ターンに誘発できる、アンタップする能力を挟むことで誘発回数を増やせるという利点もありますが、全体除去を考えると相手ターンには使いにくい、タフネスが2なので搭乗要員に専念しがち、その頃当たりやすかった《落星の学者、ロクサーヌ》が致命的に刺さるなど、独自性はあれど粗削りな点も残るという感触でした。
転機となったのがダスクモーンでの《落とし子狩り、リップ》の登場です。
ワイリー・デュークより1マナ重いですが、複数枚の手札補充が可能な生存能力、搭乗に専念せずに攻撃に出やすく、召喚酔いの後続を無駄なく機体に搭乗できるタフネス4と、ミッドレンジとしての動きを大きく強化してくれる統率者でした。
機体を全体除去に対するバックアップとして運用する方針が固まったのはこの頃で、この時点でも割と満足の行く感触になりました。
そうしてリップを調整も加えつつ回していたところに登場したのが《飲み込み早き学習者、エフィー》です。
手札補充こそ生存者限定と制約が付きましたが、2マナの機体からスムーズに繋がる3マナ、機体にもカウンターを乗せて全体除去後も重い一撃を与えられるなど、押し込む動きが強化されました。
生存者縛りも回数が限られる弱点こそありますが、生存者を最低限に絞ることで生存者の能力を戦術に組み込みやすいという利点にもなっています。
小規模ながら墓地対策ができる《古参の生存者》や、飛行を持ちつつ除去へのバックアップになる《尻込みする優等生》辺りが優秀ですね。
100枚解説
普段は一部カードを紹介しているのですが、今回は興が乗ったこともあり100枚解説です。
統率者(1)
1.《飲み込み早き学習者、エフィー》
能力は先述した通りです。生存者は多くても少なくても一長一短ですが、4枚程度あれば探しきるより前に決着は付く体感です。
増やしすぎると特定の生存者を引き込める確率が下がるため、これぐらいが丁度良いかなと思っています。
生存者クリーチャー(4)
2.《古参の生存者》
2アクションに絡めやすい1マナ生存者で、墓地追放も脱出やフラッシュバックなど、刺さる相手には刺さる便利な効果です。
3~4.《尻込みする優等生》《即興の曲芸士》
自身に飛行を付与する2マナ生存者です。条件付きとはいえ他の生物に飛行を配れる点も採用理由ですね。曲芸士でライブラリーの生物に飛行を付与した際はシャッフルで行方不明にならないように注意が必要です。
5.《落とし子狩り、リップ》
4マナの生存者で、実質的なサブ統率者です。全体除去が来る前に手札に確保しておきたいですね。
ただし軽めのカードを増やした都合でリップが統率者の時より上振れは少なくなっています。
機体&乗騎(11)
6.《キランの真意号》
忠誠カウンター1個で搭乗することもできますが、飛行で攻撃しやすい機体としての採用です。警戒は防御に参加できる利点でもあり、カウンターを乗せにくい欠点でもあります。
7.《移動式住居》
乗騎は1体だけなので速攻付与はおまけですが、運次第で土地加速が可能です。搭乗2も割と乗りやすい数値です。
諜報土地をフェッチランドで出し、ライブラリー上を調整できると理想的ですね。
8.《高速ホバーバイク》
2/2/2飛行とサイズは控えめですが、タップによるブロッカー排除、他の2マナインスタントと両輪での撹乱と細かく便利な機体です。
9.《魂を細断するもの》
「アルケミー:ダスクモーン」の機体で、速攻を持つため1マナ生物をタップさせてすぐ攻撃に行けます。ただしサイズは2/2のため他の手段でタップすることも時には必要です。
10.《勢団の銀行破り》
4/4搭乗3のためエフィーを乗せたい機体です。ドロー能力は2マナのインスタントと一緒に構えたいですね。
11.《飛車輪の競争車》
搭乗された状態だとマナを出せます。タフネスは低めですが無条件でタップできる利点もあります。
12.《未認可霊柩車》
墓地対策を兼ねる機体です。これを自然に採用できるのもリップやエフィーを気に入っている点ですね。
ただし追放したカードが無い状態で搭乗すると墓地に行ってしまうため、適当なタイミングでフェッチなどを追放する必要はあります。
13.《密輸人の回転翼機》
手札交換が可能で飛行持ちの強力な機体です。シンプルに強力なため特筆することがあまり無いです。
14.《未確認浮遊船》
出た時に追放除去を行うUFOです。全体除去に巻き込まれない点が《スカイクレイブの亡霊》を採用せずこちらだけ採用している理由ですね。
15.《気性の荒いタンブルワグ》
生存持ちにカウンターを乗せたり、騎乗でタップしたりできる乗騎です。
騎乗時のカウンター倍化は飛行を持たせた2マナ生存者組に使いたいですね。
16.《電圧改竄メカ》
除去枠としての採用で、4点なら比較的安定して出せます。ただし搭乗5のため好みによる枠ですね。
その他のクリーチャー(31)
17~20.《ルーンの与え手》《不屈の護衛》《無私の救助犬》《離反ダニ、スクレルヴ》
1マナの除去対策生物です。それぞれ守れる範囲が違うこと、不屈の護衛は守る相手より後に出す必要がある点に注意が必要です。
21~24.《アヴァシンの巡礼者》《エルフの神秘家》《ラノワールのエルフ》《喜ぶハーフリング》
1マナのマナクリーチャー群です。パワー0で搭乗値を稼げない《金のガチョウ》や《極楽鳥》は外しています。
25~26.《シタヌールの重鎮》《ヤスペラの歩哨》
こちらは他のクリーチャーと一緒にタップするとマナを出します。
生存の誘発に使えますが、除去されやすいので機体もキープしておけると理想的です。
27.《巨人落とし》
メインは出来事の除去ですが、タップ能力で攻撃を通したり、最悪自生物を対象にして攻撃せずにタップすることもできます。基本的には搭乗させるのが無難ですね。
28.《内なる空の管理人》
召喚酔いに影響されずに生存持ちをタップできるため、レインジャー長でのサーチ候補でもあります。タップが3つごとな点には意識が必要です。
29.《脚当ての補充兵》
単体除去へのバックアップ枠です。3マナ枠を兼ね、素でパワーが2あるため搭乗しやすいのも利点です。
30.《シガルダ教の福音者》
パワー3のため搭乗しやすく、相手のタップは序盤に攻撃を通す役割と、終盤に4~6マナで複数体をタップするフィニッシャーの両面で役立ちます。
31.《光輝王の野心家》
毎ターン自生物にカウンターを乗せるグッドスタッフ枠です。
ただ、今のところ強いのかを少し疑問に思っている枠でもあります。
32.《新ベナリアの守護者》
後援と破壊不能の付与で比較的安全に生存を誘発できます。抽出はシャッフルを伴わないため後援時の占術を邪魔しないのも利点です。
33.《溌剌の牧羊犬、フィリア》
瞬速により除去との択になり、相手を一時的に追放することで攻撃を通す要員にもなります。トークンやXマナ生物を追放できると理想的です。
34.《無私の霊魂》
全体に破壊不能を付与できる強力な除去対策です。とはいえ《太陽降下》や《毒の濁流》には無力なのが今回のコンセプトに至った理由でもあります。
35.《堂々たる撤廃者》
自ターン中の相手の介入を封じます。間接的な打ち消し対策とも言えますね。シンボルの工面には注意。
36.《ロナスの狂信者》
2マナのマナクリーチャーを採用する理由は薄めなのですが、永遠によって4/4として復活でき、永遠コストも4マナと軽いことを評価して採用しています。
37.《棘を播く者、逆棘のビル》
フェッチと併用することで効率よくカウンターを置け、搭乗起動用のパワー確保にもなります。起動型能力はカウンターの数を倍化するため事前の準備が必要です。
38.《群れと話す者、ミリアム》
機体と乗騎に呪禁を与えつつ機体を継続して強化できます。
実質撤廃者…は言いすぎかも。
39.《イーオスのレインジャー長》
除去対策生物や巨人落とし、内なる空の管理人が主なサーチ候補です。
クリーチャー以外の呪文封じを適切に使えるようにするのが目下の課題。
40.《輝かしい聖戦士、エーデリン》
タフネス4で火力に強く、トークンがタップ状態で生成されるので生き残ればすぐ強化できます。グッドスタッフ枠ですね。
41.《名もなき都市の歩哨》
元のリストの《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》の代わりに採用した土地の確保枠です。
1→3ができる際はエフィーより優先したいですね。
エーデリンと同じくタフネス4なので、3点火力を構えていそうな相手への裏目にしたい算段もあります。
42.《忍耐》
3/3/4とサイズも優秀な墓地対策です。想起で手札の緑のカード1枚をコストに出すこともできますが、基本的には通常コストで出したいですね。
一応想起コストで出しても生け贄にする前に搭乗させることはできます。
43.《猛打者、タイヴァー》
他のクリーチャーをタップすることで自身に破壊不能を付与できるため、除去対策と生存誘発を兼ねられます。
起動型能力もエフィーで先に強化することで修整量を上げやすいです。
44.《魔女の結界師》
MDFCの土地で、第1面は置物破壊、第2面は土地の便利枠です。無力化オーラや追放エンチャントへの保険に。
45.《探索する獣》
《一つの指輪》などのダメージ軽減へのお守り枠です。速攻持ちなので《告別》が来ても安心。
46.《変容するケラトプス》
対青、特に青単意識のお守り枠です。緑マナで速攻を付与できるので全体除去対策にもなります。
47.《孤独》
想起で手札の白のカード1枚をコストに唱えられる追放除去です。5マナで出すことは稀なのでその他カードタイプ枠かも。
その他カードタイプ(12)
※エンチャント→PW→インスタント&ソーサリーの順で記載しています。
48.《忠義の徳目》
基本的にはインスタントの動きを除去だけにしないための枠ですね。
とはいえ余裕がある時に徳目を置けるとサイズを確保できるため心強いです。
49.《黒き剣のギデオン》
[+1]の破壊不能付与や4/4による機体への搭乗、全体除去への耐性を評価しての採用です。全体火力だと巻き込まれてしまうのが弱点。
50.《大天使エルズペス》
主に[-2]の飛行付与を見込んでの採用です。飛行を持たない機体に付与するのが理想的な動きですね。[+1]のトークンも全体除去を受けた後の選択肢としては及第点です。
51~54.《剣を鍬に》《貴族の不面目》《現実の断片化》《流刑への道》
1マナの除去群です。土地を与えるリスクは割と重いので流刑への道は終盤で使いたいですね。
55~57.《運命的不在》《魂の仕切り》《失せろ》
2マナの除去群です。1マナ除去と違いPWも除去できますが、除去範囲の違いには注意が必要です。
《魂の仕切り》は自分のパーマネントに使うとコストは増えない点は一応覚えておきたいですね。
58.《集団的努力》
生物除去はパワー4以上のみですが、エンチャントの破壊と全体強化、生存の誘発を一気にできる便利なカードです。とはいえ趣味枠のカテゴリなので他の除去でもありですね。
59.《橋仕掛けの戦い》
MDFCの土地です。
除去としての質は決して高くないですが、使うこと自体は現実的なラインのため採用しています。格闘に使った生物のパワーをエフィーの後援に乗せられる点はシナジーとも言えますね。
土地(41+MDFC2)
※MDFC2枚(44,59)は第1面側のタイプで解説しています。
60~67:《統率の塔》《ハッシュウッドの境界》《低木林地》《枝重なる小道》《陽花弁の木立ち》《草茂る農地》《剃刀境の茂み》《要塞化した村》
アンタップインが可能な2色土地は基本的に採用しています。記載順は個人的な評価順です。
68~70:《寺院の庭》《梢の眺望》《草萌ゆる玄関》
基本土地タイプを持ちフェッチランドで探せる2色土地です。
寺院の庭は確定枠ですが他2種はタップインすることが多い(玄関は確定)のため検討の余地ありです。
71:《マナの合流点》
5色出ますが必ず1点支払うためリスクは高めです。3色以上だとアンタップインの多色土地が豊富なのでほぼ必要ないですが、2色だとまだまだ不安なので軽い動きが重要な場合は使いたい枠です。
72:《魂の洞窟》
打ち消し対策ですが、機体には適用できないのが弱点です。指定はほぼ人間ですね。
73~74:《皇国の地、永岩城》《耐え抜くもの、母聖樹》
便利枠です。とはいえ迷わず土地として置きがちです。
母聖樹は土地を与えるため使いどころは厳選したいですね。
75~77:《ハイドラの巣》《ちらつき蛾の生息地》《変わり谷》
ミシュラランド群です。余裕があればエフィーの誘発でカウンターを乗せておきたいですね。なお自身からマナを出せば攻撃せずにタップできます。
78:《メカ格納庫》
機体をクリーチャー化します。大抵の機体は実質4マナに見合う効率はありますが、リップより機体を減らした分クリーチャー化後搭乗できるミシュラランドなどの方が適していそうな枠ではありますね。一応クリーチャー化に対応した土地破壊でプランが崩れない強みはあります。
79~86:フェッチランド8種
2色のもの7種と《虹色の眺望》と、サーチ先をアンタップインできるもののみ採用しています。
緑白フェッチの《吹きさらしの荒野》は両方の基本土地を探せるため、余裕がある時は他のフェッチで《寺院の庭》などはサーチしたいですね。
87~100:《平地》《森》各×7
視認性と好みで「テーロス還魂記」の星座版土地です。
最後に
インポート用リスト
日本語版のリストだと一部のカードでインポート時にエラーが発生するため、英語版のリストです(言語設定が日本語でもインポートできます)。
ワイルドカードを節約する場合は2マナ以上の生物や3マナ以上のカードはある程度妥協できる部分ですね。逆に2マナの機体を始めとした軽いタップ要員は、動きの根幹を担うため妥協せずに採用したい要素です。
後書き
セレズニアカラー(緑白)の統率者の多くは、方法の違いはあれど、クリーチャーを横に並べたり強化していくことをメインとしています。
そのため各種除去への対策が課題なのですが、破壊不能や呪禁を付与するカードは《堅忍の閃光》を除き一定量のマナを用意し続ける必要があるという欠点がありました。
加えて《太陽降下》や《毒の濁流》のように対策の殆どが意味を成さない除去が増えてきた点も、防御用インスタントの使いにくさを強めていました。
こうした状況の中で自然に全体除去への耐性となる機体をコンセプトとして組み込めるのは魅力的な要素で、低マナ域から順番に動きつつも生物への除去だけでは対処させないという強みになっています。
全体強化によりパワーで攻める動きも可能なため、セレズニアらしさがありつつも扱いやすく纏まっていると思います。
普段はYoutubeで動画を投稿しているため、チャンネル登録等もしていただけると励みになります。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。