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あかりブロウラー for note『レビュー:パイオニアマスターズ』【ブロール】
皆さんこんにちは。
この記事シリーズではMTGアリーナの動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版として、新セット『パイオニアマスターズ』に収録されるカードから一部を紹介していきます。
セットの基本情報
『パイオニアマスターズ』(略号:PIO)はMTGアリーナ版パイオニアである「エクスプローラー」のカードプール補完を目的としたMTGA専用のセットで、収録カードはブロールで使用できます。
名目こそエクスプローラー用ですが、ブロールを意識した統率者に指定できるカードの追加も多いため影響は比較的大きいです。特に通常時はクリーチャーでなくなり破壊不能も持つテーロスの神々は、採用する除去に大きな影響が出ると言えます。
統率者に指定できるカードは53種(うちPW19種)で、その内新規実装が48種(うちPW16種)、固有色は1色が26種(新規22種)、2色が25種(新規24種)、3色が2種です。
メカニズム
今回は再録カードで占められていて多数のメカニズムが少量ずつ存在するため、特殊な性質を複数持ち、15種全てが収録されるテーロス・ブロックの神々サイクルについてピックアップして解説します(『テーロス還魂記』の神も同じ特徴を持っています)。
まず、それぞれがコストに比べて優秀なサイズと破壊不能を持つ代わりに、自身の色に対応した信心が一定以上(単色の神は5、多色の神は7)ないとクリーチャーではなくなるという特徴を持ちます。戦場で発揮される常在型能力のため、戦場以外では常にクリーチャー・エンチャントです。
信心は自分がコントロールしているパーマネントに含まれる指定された色のマナ・シンボルの数で、○と○への信心のように2色を指定する場合は重複させずにカウントします。なお、ファイレクシア・マナも通常のマナと同じようにカウントします。
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例えば上記の《囁きの三姉妹、トロスターニ》の場合、「緑への信心」「白への信心」は(緑)または(白)と(緑/白)をそれぞれカウントしてどちらも2、「緑と白への信心」は(緑/白)を1つとカウントして3になります。
また、信心は神自身のマナ・シンボルも数えますが、戦場に出る際の置換効果で参照する場合には戦場に出る前のため数えず、出た時にどのような状態で出たかを見る場合には数えることに注意が必要です。
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例えば相手が《領事の権限》をコントロールしていて自分が《太陽の神、ヘリオッド》を出す場合、出す時点での白への信心が3以下の場合タップインもライフ回復も発揮されず、5以上の場合は両方とも発揮されます。ここまでは素直な挙動ですね。
一方で信心が4だった場合、置換効果であるタップインは信心が4のため適用されませんが、ヘリオッドを含めて信心が5になることでクリーチャーとして出るため、ライフを得る効果は誘発します。
それぞれがクリーチャーではない状態でも機能する能力を持つため、基本的には除去耐性のある置物として運用し、パーマネントを並べたら打点に変換するという運用方法になります。優秀なサイズと破壊不能により信頼性は高めですが、クリーチャーへの追放除去を受けるリスクにもなるため信心を稼ぎ過ぎないことも時には必要ですね。
ピックアップカード
個人的に注目しているカードを紹介していく欄です。
※固有色の緑白関連をやや贔屓する傾向があります。
統率者
《収穫の神、ケイラメトラ》
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緑白のテーロス神で、クリーチャー呪文を唱えるたびに土地加速を行います。
5マナと重い点は少々ネックですが、序盤の加速用のマナクリーチャーを信心稼ぎと土地加速に変換でき、《砦への門》や《マナーボーン地区への門》をサーチしてフィニッシャーを探しに行くことも可能です。
ただし、序盤のマナ加速と重いカードのバランスには注意が必要ですね。
どうせなのでSecret Lairで出た星座ショーケース版もスタイルとして来てほしいところではあります。
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《アクロスの英雄、キテオン/歴戦の勇士、ギデオン》
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『マジック・オリジン』の第1面がクリーチャー、第2面がPWのサイクルの白担当です。『モダンホライゾン3』でも同様のサイクルが登場していましたね。
第1面は1/2/1と相応のサイズのクリーチャーで、変身条件は3体以上で攻撃してこれが生き残るというものです。
単純にアグロの打点として扱いやすいだけでなく、起動型能力で生き残ることも可能ですね。
第2面はPWになり、[+2]で相手の攻撃をギデオン自身が受け、[+1]がアンタップと破壊不能付与、[0]がギデオン特有のクリーチャー化となっています。
変身した直後は[+1]で自身を守り、その後[+2]で防御、[0]で攻撃という形になります。
第1面だけでも必ず出せる1/2/1と強力ですが、その分ウェイトが高く強い統率者と当たりやすそうなのはネックですね。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
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『戦乱のゼンディカー』でのギデオンで、[+1]で5/5のクリーチャー化、[0]で2/2のトークンを生成し、[-4]で全体修整の紋章を得るPWです。
[+1]と[0]のどちらもコストパフォーマンスに優れており、アグロやミッドレンジにおける全体除去への対策として強力です。[-4]は効率としては今一つですが、あえて出たターンに[+1]から使い、忠誠度を残しつつサイズ的な有利を確保するのも一つの手です。
《ヴリンの神童、ジェイス/束縛なきテレパス、ジェイス》
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クリーチャー→PWの両面サイクルの青担当です。
表側はタップ能力による手札交換を持ち、解決時に墓地のカードが5枚以上あると変身します。サイズは2/0/2と心許ないため素早く変身させたいですが、変身が強制な点には注意が必要です。
第2面は[+1]で1体に-2/-0修整、[-3]で墓地のインスタントかソーサリーの再利用、[-9]で自分が呪文を唱えるたび相手に5枚切削させる紋章を獲得します。
[-3]でアドバンテージを得られるPWですが、統率者として見ると打ち消しはタイミング上再利用できないため、《呪文渦》のようなモード呪文で工夫したいですね。
どちらかと言えば他色の除去を使える統率者に添え、対処を迫るカードとして使われそうです。
《鍛冶の神、パーフォロス》
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赤単色のテーロス神で、自分のクリーチャーが出た時にダメージを飛ばす能力と、起動型能力による全体修整を持ちます。
どちらもアグロの押し込みを補完する能力のため、トークン生成や《朱地洞の族長、トーブラン》なども絡めて一気にダメージを稼ぎたいですね。
ただしほかのカードの存在が前提となるため、出すまでに手札を切らさないよう意識は必要です。
《龍王オジュタイ》
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アンタップ状態だと呪禁を持ち、攻撃を通すと手札補充を行います。
場持ちが良くタップ状態でも守る手段が多い白青なので、コントロールのフィニッシャー向きの統率者です。
とはいえどうせなら《歩哨の目》などで警戒を付与したいですね。
《殺戮の神、モーギス》
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黒赤のテーロス神で、固有の能力は相手にクリーチャー1体の生け贄か2点ダメージを選ばせるというものです。
相手の選択に依存する能力ですが神共通の性質で場に残りやすいため、除去が少ない相手には打点として、除去を多用する相手には継続的なダメージ源として運用が可能です。
ただしトークンを生成できるPWや置物は天敵となるため、ハンデスなどで事前に対処したいですね。
《アナックスとサイミーディ》
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これを対象として呪文を唱えると誘発する英雄的によって、自身のクリーチャーに全体修整とトランプルを付与するクリーチャーです。
似たようなコンセプトの統率者に《贖いし者、フェザー》が存在しますが、こちらは全体修整とトランプルにより突破力に優れています。速攻を付与する《最大速度》などで周囲を強化しつつ一気に決めたいですね。
非統率者
《荒野の確保》
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Xマナ呪文のトークン生成です。効率自体は多少落ちますがインスタントのトークン生成自体が貴重なため、全体修整を掛ける置物と併用すれば全体除去の後でも高打点を生成可能です。横に並べることを軸にする統率者では積極的に採用したいカードですね。
《武器庫の開放》
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サーチ先がオーラか装備品に限られる代わりに2マナと軽いサーチです。
《フェイの血筋のケラン》が出来事で同じことが可能な上位互換ですが、こちらは固有色が少ない分、白単や緑白がメインのオーラ軸で採用できるのが利点です。
《岩への繋ぎ止め》
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《骨化》のような土地にエンチャントするタイプの除去で、1マナと軽い代わりに基本土地タイプの山を指定するため、赤白を含む必要があるのが特徴です。
フェッチランドを駆使すれば山を確保すること自体は容易ですが、色マナのバランスと、基本でない土地は多少破壊されやすいことに注意が必要です。
《急速混成》
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1マナのクリーチャー除去ですが、相手に3/3のトークンを与えます。
青も《証人保護》のような無力化オーラという形で除去は充実してきていますが、こちらの場合エンチャント除去によって復帰されないという独自の強みがあります。
ただしトークンが比較的大きいことと、破壊不能で防がれることに注意が必要です。
《時間への侵入》
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再利用できない代わりに墓地のカード1枚追放につき(1)を支払える探査によって3マナまで軽減可能な追加ターンです。
基本的には《錠前破りのいたずら屋》のような墓地を増やしつつ何かができるカードと併用し、確実な詰めの一手として用いたいですね。
《最悪の恐怖》
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次の相手のターンのコントロールを得るソーサリーです。
類似効果に《約束された終末、エムラクール》や《精神隷属器》などが存在しますが、黒単色なので《出現の根本原理》で選べるのが特徴です。
《召し上げ》と合わせてただ追加ターンを得るだけでは物足りない貴方へ。
《無謀な奇襲隊》
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そのターン中に他の呪文を唱えていると怒濤によって2マナで唱えられ、怒涛コストで出すと自軍全体に+1/+0と速攻を付与するゴブリンです。
ゴブリンだけではなく、赤を含んだアグロ全般で使用できる最後の一押し担当ですね。
《ミジウムの迫撃砲》
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通常時は相手クリーチャー単体への4点火力ですが、超過によってテキストが変更され相手クリーチャー全体への4点火力になります。
ある程度のマナ加速が前提になりますが、単体と全体の除去を使い分けられる優秀な火力です。
《森の女人像》
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呪禁持ちのマナクリーチャーで、《楽園のドルイド》と比べ相討ちはできない代わりにより安全にマナ加速が可能です。
とはいえ単純な性能では《ロナスの狂信者》のようにより強力なカードも存在するので、好きな色が出る点を活かしたいですね。
《空殴り》
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2/2/2に瞬速、到達、プロテクション(青)と対青に特化したクリーチャーです。打ち消しを主体とする青対策として採用価値は高いですが、サイズ自体は普通のため青以外が相手でも役立つよう補強手段も欲しいですね。
ちなみに打ち消されない&プロテクション(青)の青対策として《霧裂きのハイドラ》も一緒に輸入されています。
《林間隠れの斥候》
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ごく少数しか存在しない1マナの呪禁持ちです。
サイズは1/1で他の能力もないですが、2マナ呪禁の《バサーラ塔の弓兵》と共にオーラのエンチャント先として信頼しやすい戦力ですね。
《最上位権限》
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こちらはエンチャントしたクリーチャーに呪禁を付与するオーラです。
やはり除去耐性として強力ですが、オーラ本体が狙われることには注意が必要です。
複数体にブロックされない能力も、トランプルを付与するオーラと合わせて確実にダメージを通すことに貢献します。
《戦慄掘り》
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2マナ多色のシンプルな除去です。
単純な性能は《溶鉄の崩壊》の下位互換ですが、レアリティがコモンと生成しやすくPWも対象に取れるため、気軽に採用しやすいのが利点です。PWを統率者指定できるためPWも除去できるに越したことはないというのもあります。
《白日の下に》
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支払ったマナの色種類以下のコストのクリーチャー、インスタントまたはソーサリーを踏み倒すソーサリーです。
固有色が多い統率者なら4~5マナのカードを探して唱えることができるため、真っ先に採用したいカードですね。
ただしマナを支払う際に自動支払いだと5色を満たすように払う可能性が高いため、別のカードのために特定の色を残したい場合には注意が必要です。
最後に
普段はYoutubeで動画を投稿しているため、チャンネル登録等していただけると励みになります。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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