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あかりブロウラー for note『How to Brawl #1:基礎』【ブロール】

皆さんこんにちは。
この記事シリーズは動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版なのですが、今回は『How to Brawl』と題し、ブロールの「基礎/Foundation」となるルールなどの部分を紹介していきます。

『How to Brawl』シリーズリンク一覧
How to Brawl #1:基礎(本記事)
How to Brawl #2:統率者選び
How to Brawl #3:MTGA専用能力&統率者
How to Brawl #4:MTGA専用カード


フォーマット概要

MTGアリーナにおける現在のブロールは、簡単に言うと「MTGアリーナに実装されているカードで行う1vs1の統率者戦(EDH)」というBO1(1本先取)のフォーマットです。
統率者戦って何?という場合は、自分と並び立って戦う存在を1体選んで対戦する、という認識がわかりやすいかと思います。
そして派生フォーマットとして、カードをスタンダードのものに限定して行うスタンダード・ブロールが存在します。
(「MTGアリーナにおける」と前置きしたことにはフォーマットの変遷が絡む複雑な事情があるのですが、それはまた別の機会に)

基本ルール

デッキの1枚目「統率者」

通常の構築フォーマットとの最大の違いとして、伝説のクリーチャーor伝説のプレインズウォーカーから1体を選び、統率者に指定します。
先述した「並び立って戦う存在」のことですね。
(本当は相棒とかパートナーとか言いたいのですが、他用語との混同避けです)
統率者はデッキの中の1枚としてカウントされますが、ゲーム開始時に統率領域という専用の領域に置いておき、そこから(ルールに沿った)好きなタイミングで唱えることができます。
統率者が統率領域以外の領域に送られた時に統率領域に戻し、任意で永久的効果を取り除くことができますが、統率領域から唱えるコストは「統率領域から既に唱えた回数×(2)」ずつ増えていきます

そして統率者を1枚目としてデッキを組むことになりますが、そこで重要になるのが次のルールとそれに関わる固有色です。

固有色の中でデッキを組む

ルール上複数枚投入できるカード(基本土地や、《人道に対する膿》のようなテキスト側に記されたカード)以外は各1枚制限で、ブロールでは100枚スタンダード・ブロールでは60枚でデッキを組むのですが、統率者の固有色以外の固有色を持つカードは入れられません。

固有色は、マナ・コストとテキストに含まれるマナ・シンボルと、そのカードがルール上持つ色(色指標など)の2つによって決定されます。
例を挙げると、
・《勇敢な旅人、ケラン》はクリーチャーとしては白単色だが、代替の特性である出来事が緑単色のため、合算して固有色は緑白
・《ナカティルの最下層民、アジャニ》は第1面は白単色だが、第2面が赤白の色指標を持つため固有色は赤白
・《ウギンの束縛》は「欠色」によって無色だが、マナ・コストに青マナを含むため固有色は青
・《寺院の庭》は無色だが、基本土地タイプの「森」と「平地」によって「(T):(緑)を加える。」と「(T):(白)を加える。」の能力を持つため、固有色は緑白
・《吹きさらしの荒野》は森か平地をサーチするが、土地タイプとして有しているわけではないため固有色も無色
といったように、少々複雑な場合もあります。

本体は1色だが、固有色は5色

とはいえMTGAでは統率者を指定すれば固有色内のカードを絞りこんでくれるので、検索して出ない場合に思い返す必要がある程度ですね。

統率者戦と共通する部分として、《願い》のようなカードによって、ゲーム外にある他のカードを参照することはできません。
相棒は自身を手札に加えさせる効果なので101枚目のカードとして使用できますが、固有色のルールは守る必要があります。
最後にブロール独自のルールとして、固有色が無色の統率者の場合は基本土地から1種をデッキに投入することが可能です。
スタンダード・ブロールでは固有色が無い基本土地の《荒地》が使えないための特例ですね。
採用せずに組むこと自体は可能ですが、《廃墟の地》を使われても基本土地を出せない点は大きな損失なので、恩恵に与っておくのが無難です。

カードプール

スタンダード・ブロールでは、フォーマット名通りスタンダードに存在するカードに加え、《秘儀の印鑑》と《統率の塔》が使用できます。
ブロール
ではMTGアリーナに使用可能なカードとして実装されているカードほぼ全てが使えます。
ただしフォーマットとしてのベースがタイムレスではなくヒストリックのため、再調整版(カード名の左にAマークがあるもの)が存在するカードは再調整版を使用します。

再調整の方針自体は様々

また、それぞれに専用の禁止カードリストが存在し、主に起動型能力を封じるカードや、そもそも統率者を唱えられなくするカードが該当します。

なお、単純に使用可能なカードと言っても普通に検索しても出てこないカードが結構な数あるため、以下の記事を参考にして探すのがおすすめです。

この記事で(投稿時期の都合で)掲載されていないものを(こちらの投稿時期までの範囲で)補足しておくと、
『サンダー・ジャンクションの無法者統率者デッキ」』から収録の統率者4種は「E:OTC」、『モダンホライゾン3統率者デッキ』から収録の統率者8種は「E:M3C」で出すことができます。

初期ライフ

通常のフォーマットの初期ライフは20点ですが、ブロールとスタンダード・ブロールの初期ライフは25点です。統率者戦の40点に比べると少ないため、ライフコストを要求するカードを無闇に多用するのは危険です。
また、ライフの総量を参照するカードは《正義の戦乙女》のように初期ライフを基準にするものが増えているため、参照する数値が絶対的か相対的かは確認が必要ですね。

対戦編

こうしてデッキを組んだら対戦へ……と行く前に、把握しておきたい仕様がいくつか存在します。

マッチングのシステム

まずはマッチングの仕様なのですが、これについては話題になった記事を紹介します。要約すると「マッチングにおいて、統率者の選択とデッキ内容が影響していることが明確になった」ということですね。
同時に『ヘルキュー(Hell queue)』と呼ばれている「特定の統率者だとマッチングの傾向が大きく変わる」現象に関しても、実際にはより細かく分類されていることが解明されました。

とはいえ各カードの『ウェイト』の設定は変化しうること、内部レートもマッチングの参考にされていることも考慮すると、基本的には「明らかに強い統率者を使うと、相応に強い相手とマッチングする」という程度の認識で問題ないですね。逆に実装間もない統率者は強さが反映されていないことが多いため、どのウェイト帯まで行くかを試すのも1つの遊び方と言えます。

以前の記事で紹介したケイリクスですが、2024年7月現在は最上位帯扱いです

統率者の公開とフリーマリガン

統率領域は公開領域のため、マッチングした時点で相手の統率者を確認することが可能です。
そして1回目のマリガンはキープ後に手札を減らす必要の無い「フリーマリガン」になるため、手札を戻す枚数は(マリガン回数-1)です。
すなわち、「相手の統率者をキープ基準にできる」「各1枚制限の中でも必要なカードを探しに行きやすい」ということを意味しています。
思考囲い》などの対策に初動を複数枚持っておく、自分の動きに集中する相手ならその動きを防ぐorこちらの動きの最大値を追求する、相手の除去耐性に対処できるカードを確保しておくなど、BO1ながら相手のデッキへの読みが求められます。

統率者が帰ってくるとは限らない

先ほど統率者は除去されても統率領域に戻せると記しましたが、逆に言えば戦場から離さない形での無力化には適用されないという点は意識が必要です。具体的には《ケンリスの変身》のように能力を失わせるオーラや、《嵐風招来》のようなコントロール奪取ですね。
また、ライブラリーの一番上に置く際には統率領域に戻さずに引くことを選びたくなりがちですが、この場合も「シャッフルを挟んでもライブラリーからは移動しない」という落とし穴があります。《記憶の欠落》に加え《緻密》という軽量のライブラリー送りに、シャッフルする効果が強制の《廃墟の地》とカード側の汎用性が高いため、現実的に起きうるシチュエーションです。

カードプールの特徴

どんなに強力なカードであっても1枚しか採用できない……のは事実ですが、スタンダード・ブロールはスタンダードの使用可能期間の延長により大型セット9~12個分が、ブロールでは過去のスタンダードのカードに加え、それ以前のセットから抜粋したリマスター、アルケミー用の特殊なメカニズムを持つ追加カード、強力なカードを集中的に収録した各種アンソロジーやボーナスシート、モダン以下用のセットをほぼそのまま実装した『指輪物語:中つ国の伝承』や『モダンホライゾン3』といった広大な(総数で言えばパイオニアと大差ない)範囲のカードが存在します。
その中から土地以外を35枚前後(スタンダード・ブロール)または60枚前後(ブロール)を選ぶことになるため、固有色が単色の統率者であっても十分に強力なデッキを組むことが可能です。一方でアンタップインの多色土地はデュアルランドフィルターランド系が未実装のため、2色以上でアンタップインにこだわるとショックランドペインランド、《マナの合流点》などのライフ消費や、ファストランドのようなタップインの裏目というリスクがあります。
固有色が無色の統率者もカードプール自体は十分にありますが、除去に関しては難があるため強力なカードで巻き返せるよう意識する必要がありますね。

また、《暗黒の儀式》や《マナ吸収》のような軽量かつ複数マナ分加速できるようなカードはごくわずかで、固有色を問わないマナ加速は1マナだが起動に2マナ必要な《旅人のガラクタ》や、2マナのマナ・アーティファクト群からになります。
こうした事情や1vs1であることが合わさり、アグロや1:1交換を重視したコントロールが十分に成立するのも大きな特徴です。

最後に

統率者戦と同じく「強い統率者」が話題に上りやすい側面はありますが、基本的には上記のマッチングの仕様によって「自分の好きな統率者で勝ちを目指す」という楽しみ方が行いやすいフォーマットです。
一方で、相手の統率者からデッキを読む、自分の統率者がマッチングしやすい相手を見極めてデッキを調整するというメタゲームの要素も有しているため、扱い自体はカジュアルなフォーマットながら、やり込むと奥深さも見えてくるのが面白い部分ですね。

『How to Brawl #1』とナンバリングを付けたのは、統率者選びや各種カードの紹介、ブロールの変遷といった記事もこのシリーズで書きたい……という予定の分ではあるのですが、実際にどういう内容にしていくかは検討中の段階です。
続いた場合は記事冒頭に、各回へのリンクを用意していきます。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
普段はYoutubeで動画を投稿しているため、チャンネル登録等していただけると励みになります。

ちなみにサムネイルのロケ地は『エルドレインの王権』の《寓話の小道》、カードは《秘儀の印鑑》です。かつてブロール用構築済みデッキが発売されたセットと、そのデッキで初登場したカードのチョイスですね。

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