あかりブロウラー for note『レビュー:ファウンデーションズ』【ブロール】
皆さんこんにちは。
この記事シリーズではMTGアリーナの動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版として、新セット『ファウンデーションズ』に収録されるカードから一部を紹介していきます。今回は特に追加枚数が多いので探す時点で大変です2024/11/06:公式記事を元に一部文章を追記しました
2024/11/12:公式記事で「ビギナー・ボックス」と「Starter Collection」のカードに関する情報が公開されたので追記しました
セットの基本情報
『ファウンデーションズ』(略号:FDN)はスタンダードのセットで、スタンダード・ブロールとブロール双方で使用できます。
最大の特徴として、スタンダードの基幹となるセットとして位置づけられているため通常のセットより長期間スタンダードで使用可能です。加えてセット・ブースターの通常の収録カードだけでなく「ビギナー・ボックス」と「Starter Collection」の収録カードも使用可能なため、追加されるカードプールは通常のセットと比べ物にならないほど多いです。なお、MTGアリーナのパックから出るのはセット・ブースター収録のカードのみのため、後者2種の再録カード群の入手にはWCの使用か別のアリーナ収録経路からの入手が必要です。(2024/11/06追記)MTGアリーナのパックから出るのはセット・ブースター収録のカードのみで後者2種のカードの一部についてはWCでの入手になりますが、その内の一部はファウンデーションズのリリースと同時にメールで配布されるデッキから入手が可能です。(2024/11/12追記)
スタンダード・ブロールでは400種近くカードが拡充された上で最低限のカードプールとして保証されるため、元々デッキ枚数が60枚なのも合わせどの色でも通常の構築フォーマットと遜色ない水準まで強化される可能性が高いです。
一方で再録カードが多く新規カードのパワーも多少控えめのため、ブロールへの影響はスタンダード・ブロールへのそれほどは大きくないですね。
統率者に指定できるカードは46種(うちPW5種、アリーナ新録は24種)で、固有色は1色が27種、2色が16種、3色が1種、5色以上が2種です。
『スペシャルゲスト』(略号:SPG)
特別な再録枠として神話レア扱いで収録されるカードで、MTGアリーナでは各パックから一定確率で出現します。
MTGAにおける新規カードは《糾弾》《スフィンクスの後見》《時間操作》《ゴブリンの奇襲隊》《花を手入れする者》の5種で、他のカードはスタイルにこだわらなければ低いレアリティで作成可能…と言いたいところですが、今回は《楽園のドルイド》以外は元から神話レアです。今回からテーブルトップで収録された際と同じレアリティのWCで入手可能になりました。
レアリティの内訳は
コモン:《ゴブリンの奇襲隊》
アンコモン:《糾弾》《スフィンクスの後見》《楽園のドルイド》
レア:《花を手入れする者》
神話レア:それ以外の5種
となっています。(2024/11/06追記)
『ファウンデーションズ ジャンプスタート』(略号:J25)
ファウンデーションズと共に発売される、2パックを開封してデッキを構築して対戦する特殊セットですが、MTGアリーナでも専用の期間限定イベントと共に実装されます。アリーナに新規に実装される数は200種程度ですね。
リミテッド戦を再現したパックのため全体的なカードパワーはやはり控えめですが、一部高水準な再録カードも存在します。
統率者に指定できるカードは63種(うちPW7種、アリーナ新録は37種)で、固有色は1色が54種、2色が8種、3色が1種です。
メカニズム
機能や挙動の解説は公式記事に任せますが、主な再録メカニズムとしてフラッシュバック(Flashback)とスレッショルド(Threshold)、果敢(Prowess)、強襲(Raid)が登場します。
フラッシュバックは指定されたコストを支払うことで墓地から唱えられるというキーワード能力で、唱えた処理後は追放されます。コストは重めですが再度利用できるため単純に強力です。
スレッショルドは墓地にカードが7枚以上あることでメリットを得られることを表す能力語です。強さは個々のカード次第で収録数も少ないです。
果敢はクリーチャー以外の呪文を唱えることで+1/+1修整を受ける能力で、軽量呪文を唱えやすいデッキ向きです。ただ、果敢無しでも似たような能力を持つクリーチャーも存在するため別途「クリーチャーでない呪文」などで検索するのが無難です。
強襲はそのターン攻撃していることでメリットを得られることを示す能力語です。やはり強さは個々のテキスト次第ですが、収録数は10枚とそれなりにあります。
他にも再録メカニズムがある程度ありますが、基本的にはカードテキストに注釈が記載されているので問題ない範疇ですね。
ピックアップカード
個人的に注目しているカードを紹介していく欄です。
普段はMTGアリーナから見て新規のカードに焦点を絞っていますが、今回はスタンダード・ブロールで長期間使用可能なためスタン視点で新録となる再録カードの紹介も含んでいます。
※固有色の緑白関連をやや贔屓する傾向があります。
ファウンデーションズ(FDN)
統率者
《狡猾な侵入者、魁渡》
自分のクリーチャーが戦闘ダメージを与えると忠誠度が増加する統率者です。[+1]で攻撃を通せばさらに忠誠度が増加するため、軽いクリーチャーを着実に並べて一気に奥義を目指したいですね。
[-2]はアタッカーを自前で担保できるとはいえ消費が大きいため、一応の選択肢という扱いになりそうです。
《溌剌とした探検家、おたから》
土地を追加でプレイできる統率者で、《迷える探求者、梓》からプレイ回数が減った代わりにタフネスが上がりマナを消費する能力を自らが有しています。あちらと同じく墓地から土地をプレイできる能力でフェッチランドを使い回したいですね。
《戦闘魔道士の隊長、バルモア》
インスタントかソーサリーを唱えると自分の生物に+1/+0修整を与える統率者で、各種トークン生成系ソーサリーによって並べる役割と強化する役割を同時に担えます。
ブロールでも強力な統率者であり、(現在も使用可能ですが)今後のスタンダード・ブロールにおけるアグロの一種の基準になると言えますね。
《結ばれた者、ハラナとアレイナ》
他のクリーチャーに速攻とカウンターを付与する統率者です。自身は2/3のため火力で除去されやすいですが、サイズが他への強化幅に反映されるためうまくカウンターを乗せつつ優秀な生物で攻め込みたいですね。
非統率者
《太陽恵みの癒し手》
実質4マナとなるキッカー時に小型パーマネントを蘇生できる生物です。
基本的にはキッカーを目当てとして、除去後のリカバリーとして運用したいですね。
一応通常時も2/3/1絆魂とそれなりの性能です。
《血に飢えた征服者》
クリーチャーとなった《極上の血》であり、吸血鬼のため《傲慢な血王、ソリン》の[-3]で踏み倒すことが可能です。
《永劫の不屈》系との無限ドレインコンボは《極上の血》側がエンチャントのため墓地に落ちると回収しにくいのが欠点でしたが、除去されやすい代わりに黒の得意な生物回収で拾えるため再現しやすくなっています。もちろんスタンダード・ブロールで成立することも見逃せない点です。
《冒涜的布告》
5マナの黒単の全体除去で、破壊不能を無視できる点が強力です。ただし《伝承の収集者、タミヨウ》のように生け贄に捧げることを封じるカードがごく少数ながら存在するため注意が必要です。
代替コストは黒1マナと非常に軽いですが、そこまで並べるリスクが大きいので基本的には無視していい効果ですね。
《勇者の頌歌》
多色になった代わりに2マナの全体修整エンチャントです。
こうした類のカードは3マナの場合が多かったので扱いやすくなっていますが、他の修整方法や横並べの手段は十分に用意したいですね。
《魂石の聖域》
ミシュラランドの1種…ではなく、一度クリーチャー化するとそのままです。
マナを掛けず毎ターン攻撃やブロックができるという意味ではメリットですが、全体除去などのソーサリー除去を受けやすいデメリットも存在します。
相手の終了ステップに起動すれば自身も起動コストに計算できるため、起動しやすさ自体はそれなりですね。
《審判の日》
シンプルな全体破壊ですが、今回はスタンダードで使用可能になります。
1マナ軽いことで《秘儀の印鑑》などの2マナのマナ加速から使用可能になるため、《太陽降下》などと一長一短ではあれど強力な全体除去です。
《月への封印》
青の除去と言える無力化系オーラの1種で、このカードの場合は土地にします。
この手のオーラとしては3マナと重めでマナを与えるデメリットもありますが、PWを対象にできるのが最大の利点です。最悪除去で統率領域に戻せる生物と違い干渉しにくい土地に変化させるため、確実性が高いのも強みですね。
《ゾンビ化》
4マナの基本的な蘇生カードですが、黒単色としてはアリーナ初の収録です。白単色にはすでに《晩餐への遅刻》があったりします《再活性》や《頑強》といったより軽い蘇生自体は既に存在しますが、5マナが通常のところを1マナ軽くなるだけでも速度によるプレッシャーは強化できます。
《金屑の嵐》
アリーナでも既に何種類かある3マナ3点全体火力で、スタンダードでは《兄弟仲の終焉》に続いて2枚目ですね。
それぞれ特徴に違いはありますが、このカードはプレイヤーにダメージを飛ばすモードを持つため、攻撃的な統率者で相手のアグロを対策したい場合向きですね。
《ラノワールのエルフ》
1マナかつ無条件でマナ加速が可能なマナクリーチャーです。
スタンダード・ブロールでは唯一の性質のため、キープ基準および3マナの緑を含む統率者の速さに大きく影響する1枚です。
《速足のブーツ》
クリーチャーに呪禁と速攻を付与する装備品で、戦場に残り続けたい統率者にとっては心強いカードです。ただし合計3マナと決して軽くないため、それだけの手間に見合うかどうかは考慮したいですね。
《ドライアドの闘士》
インスタントとソーサリーであるカードを墓地に置かれる際に追放します。
再活やフラッシュバックによる再利用を事前に防ぐことが可能で1/2/1とサイズも十分ですが、牽制としては《エスパーの歩哨》が強力なので採用は好みによりますね。
神殿サイクル
タップインの代わりに出た時に占術1を行う2色土地です。
基本的に「カルロフ邸殺人事件」で登場した諜報土地の下位互換ですが、ルール上1枚制限のため単純に2色土地が増える恩恵の方が大きめです。
《探検の地図》
土地ならば何でもサーチできるカードです。《魂の洞窟》のように3マナ掛けてサーチする価値があるカード自体はそれなりにありますが、テンポを損なう問題があるため事前のプラン決めは必要です。どちらかというと重い統率者を安全に着地させたい場合向きのカードですね。
また、ブロールだと土地枠でサーチできる《ウルザの洞窟》もあるため、手放しで採用できるカードではないですね。
ジャンプスタート(J25)
統率者
《浜辺の王、プラゴン》
パワー<タフネスであることを参照する2つの能力を持つ統率者で、上手く回れば複数枚ドローと高ダメージの両立が可能です。
《策略の龍、アルカデス》とはタフネスが高いだけでいい代わりに色が少ないと一長一短の関係ですね。
《略奪総督、エヴェレス》
クリーチャーかアーティファクトを生け贄にして自身を強化する能力と、死亡時に(1)(黒/赤)を支払うことで相手にパワー分のダメージを与える能力を持っています。
攻撃してから生け贄に捧げることで強化したパワーを無駄なくダメージにできるため、サクリファイス軸のアタッカー兼コンボ要員として期待できる性能です。
《赤き死神、ゴルノグ》
相手の生物を臆病者にして攻撃を通していく戦士で、さらに臆病者の数で打点を強化していくことが可能です。
とはいえ相手に生物がいないと速攻以外の効果を活かせないため、かなり尖った性質の統率者ではありますね。
非統率者
《星風の幻霊》
エンチャントが出るたびにクリーチャー1体を4/4飛行にします。
エンチャント軸の統率者は周辺をサポート用の小型生物で纏めることが多いため、そうした生物たちを4/4飛行とアタッカーに十分な水準まで強化できる点が強力です。瞬速持ちのエンチャントと合わせてコンバット・トリックのように扱えたりもしますね。
《気前の良い子犬》
自分にカウンターが置かれると他の自生物に+1/+1カウンターを分け与える生物です。
単純な全体強化としても強力なので、カウンターを置くカードとうまく組み合わせたいですね。特に下記の《大鎌猫の仔》のような上陸誘発は、相手ターンにも誘発しやすいため好相性です。
《大鎌猫の仔》
《棘を播く者、逆棘のビル》の互換カードで、フェッチランドにより容易に2回目の解決のカウンター倍化を誘発させることが可能です。自身がトランプルを持っているため、これ自体を強化して強引に突破することも可能ですね。
ただし2回目の解決でカウンターが乗っていない生物を対象にしないように注意が必要です。
《差し戻し》
2マナかつ無条件の代わりに相手の手札に戻す打ち消しです。
ライブラリーに戻す《記憶の欠落》と比べると、自分の手数が欲しい果敢系の統率者向きですね。自分の呪文に使うことで手札を減らさず相手の打ち消しを回避したり、唱えた回数を水増しすることも可能です。
ただし《一時の猶予》と違い打ち消す処理を伴うため、打ち消されない呪文には無力です。《遵法長、バラル》の能力を誘発できるメリットも一応あります。
《物読み》
シンプルな親和(アーティファクト)持ち2ドローです。
《思考の監視者》の互換のため、当然ながらアーティファクトを多用する統率者向きですね。
《不屈の自然》
英語名の《Rampant Growth》から、土地加速系のカードが「ランパン」と呼ばれる由来となっているカードです。
基本土地なら好きなものをサーチできるため、多色デッキでも扱いやすいマナ加速です。氷雪2色土地を探せない点は《北方行》に劣りますが、ランプデッキなら最優先で採用できるカードですね。
アーティファクト・土地
青と黒のみですがアーティファクト・土地が実装されます。
《湖に潜む者、エムリー》のようなアーティファクトを参照する統率者や親和(アーティファクト)持ちにとっては強力なサポートですが、破壊不能を持たないためややリスクは高めです。
スペシャルゲスト(SPG)
《ゴブリンの奇襲隊》
通常は1/1/1ですが、キッカー時は全体に+1/+0しつつ速攻を付与します。
基本的にはキッカーを目当てとして、横に並べてから攻めるカードとして扱いたいですね。色拘束はともかくキッカーでも2マナと軽いため、単純に中型程度の生物に速攻を付与する要員としてもいいですね。
《花を手入れする者》
自分のパーマネント1色につき1マナ、すなわち最大5マナ出せるマナクリーチャーです。2/1/1とサイズこそ弱いですが、4色以上の統率者はもちろん、有色の軽量パーマネントを扱う場合は2色程度でも投入する余地はありますね。
《時間操作》
《時間のねじれ》の同型です。プレイヤーを対象に取らないため基本的には上位互換ですね。貴重な解決に際し追放されない追加ターンのため、《オジュタイの達人、テイガム》での連続追加ターンが行いやすくなったりします。かつてテイガムを組もうとして躓いた部分です。とはいえ2枚必要かどうかはデッキのコンセプト次第ですね。
最後に
普段はYoutubeで動画を投稿しているため、チャンネル登録等していただけると励みになります。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。