あかりブロウラー for note『How to Brawl #3:MTGA専用能力&統率者』【ブロール】
皆さんこんにちは。
この記事シリーズは動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版なのですが、今回は『How to Brawl』と題し、ブロールの「基礎/Foundation」となるルールなどの部分を紹介していきます。
『How to Brawl』シリーズリンク一覧
『How to Brawl #1:基礎』
『How to Brawl #2:統率者選び』
『How to Brawl #3:MTGA専用能力&統率者』(本記事)
はじめに
#1ではブロールのカードプールの広さについて軽く説明しましたが、統率者戦とも異なる最大の特色と言えるのが、MTGアリーナでのみ使用可能なオリジナルカード群です。
これらにはデジタルでの処理を前提とした能力を有するものが多く、完全なゲーム外(サイドボードとも異なる)からカードを手札に加える、トークンではなく実カードを戦場に生成する、カードの能力を永続的に改変するといった変則的な挙動をします。
今回はそうしたメカニズムと、それらを活用する個性的な統率者を紹介していきます。
MTGA固有メカニズム
『アルケミー:サンダー・ジャンクション』までに登場した、MTGA専用のメカニズムです。
抽出
ライブラリー内の条件に沿ったカードから無作為に手札に加える、というキーワード処理です。抽出してから戦場に出すという手順を踏む場合は、実質ライブラリー内から無作為の踏み倒しですね。
・シャッフルを行わず、ライブラリー内の並び順を保持する
・手札に加える処理を挟むため、《墓掘りの檻》のようなライブラリーからの踏み倒し制限は意味が無い
といった点が特徴です。
創出
指定された名前のカードを指定された領域に加えるキーワード処理です。
戦場に創出する場合は実質的な踏み倒しですね。
○○の複写を創出すると指定された場合は、選んだものの元々の特性を参照して創出します。例えば何らかのコピーとして戦場に出ているカードを選んだ場合は、コピー先ではなくコピーになる前のカードとして創出されます。
呪文書、呪文書からドラフト
「○○(カード名)の呪文書」には、そのカードごとに独自のカードプールが設定されています。
「呪文書からドラフトする」と書かれている場合には、その呪文書の中から提示された3種から1枚を選んで手札に加えます。
一定の法則で呪文書を参照したり、無作為に参照したりする場合もあるため、各カードごとにカードプールと挙動を確認する必要がありますね。
永久に
修整や能力の付与と喪失などに付随する特性で、領域が変わっても持続します。その点以外は普通の修整などと同じなので、種類別とタイムスタンプで処理される点は変わりません。
なお、統率者を統率領域に戻す際は、これらの永久的効果を取り除くことが可能です。そのため永久のマイナス修整で出せなくなるということは起こりませんが、プラスの永久的効果も取り除かれる点に注意が必要です。
強度
各カードごとに「初期強度」が設定されており、カードごとに何らかの条件でその強度が増加します。殆どの場合は何度も効果を発揮することで能力が強化されていくため、再利用手段を用意しておきたいですね。
専門化
『アルケミーホライゾン:バルダーズゲート』の一部の伝説のクリーチャーが持つ能力で、各カードが専門化前の姿と、5色分の専門化後の姿で構成されています。
ソーサリータイミングで専門化コストを支払い、その色のカードか色に対応した基本土地タイプを持つ土地1枚を捨てることで、選んだ色の専門化後の姿に永久に変化します。
統率者に指定する際は、専門化前を統率者として指定した後に追加の固有色を1色選ぶという手順が入ります。そのため固有色は単色または2色という形になりますが、専門化先に制限がかかるわけではないため単色を選ぶメリットは特にないですね。
また、創出や呪文書からのドラフトと併用すれば、理論上は固有色以外への専門化も可能です。
二体掛り
二体掛りを持つクリーチャーで攻撃した時、それがトークンでないならそのカードの複写を手札に創出し、その後両方が二体掛りを永久に失います。
単純に2体分になるため強力な能力ですが、攻撃を通せなければアドバンテージにはならないため、除去やブロックさせない手段は必要です。
恩恵
持続するタイプの「次に○○した時」を参照する能力を分かりやすくしたものですね。恩恵がある際は紋章などのように画面左側に表示されます。
強さに関しては恩恵の種類や回数によるので、それぞれのカード次第ですね。
組み込み
『アルケミー:カルロフ邸』で登場したキーワード処理で、マナ・コストに対して指定されたコストや能力、修整を加えます。
組み込みを行うカードはいずれも多色のカードを参照する能力を持ち、他色のカードに組み込むことで参照できるようにするというデザインですね。
強奪
相手ライブラリーの土地以外のカードから3枚を無作為に見て、その中から裏向きで追放した1枚を色マナの制約を無視して唱えることができます。
選択肢は相手依存ですが、3択なのでどれも使えないということは起きづらいです。
シナジーありきのカードで固めた相手だと、選択肢が弱くなる点には注意が必要ですね。
オリジナル統率者紹介
MTGA専用の統率者は、『ブルームバロウ』時点だと再調整を受けたものが36種、完全なオリジナルが79種存在し、後者には専門化持ち19種が含まれます。
この項では後者の中から一部を紹介します。
《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》
[+1]でエルフをアンタップしつつ手札のエルフと両方に永久の+1/+1を与え、[-1]でエルフを抽出と、いずれもエルフに関連した能力のPWです。
[-6]の《威厳の魔力》は緑のクリーチャーの数だけドローする能力を持ち、トークンを出すエルフと合わせれば大量のドローが可能です。
[-1]で戦力を供給することもできるため、エルフ関連の統率者としてはバランス型と言えますね。
《邪なる大魔導士、ターシャ》
[+1]で攻撃してきた相手クリーチャーへ-1/-1カウンターを置いての弱体化、[-2]で相手の墓地からの蘇生、奥義の[-6]で相手のライブラリーをクリーチャーが3体出るまで削りつつ、その3体を踏み倒します。
[+1]は弱体化が継続するためアグロに対して強力で、[-6]はコントロール相手ならば山札を削りきって勝てる場合もあります。
ただし、各能力の刺さる相手が分かりやすい分、コントロール相手だと[+1]は何もしないことがあるのが欠点です。
後述のルスコが出るまでは4マナかつ奥義までが速いため、青黒の中では最有力として扱われていた統率者ですね。
《時計技師、ルスコ》
戦場に出た時に《真夜中の時計》を戦場に創出し、クリーチャー以外の呪文を唱えるたびに1点ドレインしつつ時計のカウントを進めます。
出た時にマナ加速をできるだけでも再度統率領域から出しやすくなる強力な能力ですが、アンタップインのため打ち消しなどを構えやすく、さらに《真夜中の時計》側の能力によって余ったマナを消費しつつ、ライブラリー&手札の補充に繋げることが可能です。
加えてルスコの誘発によってライフに触れつつ時計を速められるため、1枚でマナ加速、手札補充、延命、フィニッシャーといくつもの役割を担える強力な統率者です。除去への対策を明滅にすれば、さらに時計を増やすことも狙えます。
当然ウェイトが高いためラガバンやテフェリーに当たりやすく、アグロとコントロールの両方に対処できる構築が必要です。
《波の巨人、クルシアス》
終了ステップに手札1枚を捨てることで、宝物の生成と選択肢に応じた抽出を行います。手札の枚数は差し引き0で宝物を生成できるため、状況に応じて必要なカードを探しに行くことが可能です。
また、特定のマナ域を1枚にすることでその1段下のマナ域のカードを確定サーチにできるため、《カルデラの破壊者》で大量の山を追放し、創出される《溶岩噴火》をフィニッシャーにするコンボが存在します。《ボーラスの城塞》を確定サーチ先にして、ドレイン系呪文で連鎖するパターンもありますね。
《暗黒時代の後継、ジャーシル》
自ターンの戦闘開始時に、墓地から強度に等しいマナコストの呪文を唱えられます。唱えた後は強度が上がるためマナ総量はバランスよく揃える必要がありますが、唱えても追放されず、統率領域に戻した時に強度をリセットすれば再利用できるのが強みです。
モードを持つ呪文で墓地から唱える際の柔軟性を確保するのもありですね。
《神話紡ぎのポック》
各ターンに1度、戦場に出した土地の複写を戦場に創出します。
フェッチランドや複数枚同時に土地を出すカードと相性が良く、フェッチの場合はターンを跨いで1枚のフェッチを土地4枚にしたり、《風景の変容》に至っては土地の枚数を倍にした上でフリースペルのように扱えます。
誘発条件の都合上4マナの状態で出すのはリスクが高いため、回り出すまでをどうカバーするかが重要です。
《議事会の声、イマーラ》
3/2/3で、出た時に召集関連で構成された呪文書から1枚ドラフトします。
軽量クリーチャーを複数出しつつ、それらを召集コストとすることで2ターン目に安定して出すことが可能です。
呪文書の除去、展開、フィニッシャーとバランスよく揃っていますが、使いにくい3択が出るリスクも多少あります。
能力は出た時で使い切りなので、明滅などの再利用手段もある程度は欲しいですね。
《冷酷なペテン師、ランクル》
出た時に1点のライフを支払うことでお互いに手札1枚とクリーチャー1体を失い、誰かが手札を捨てるたびに永久に+1/+0の修整を受けます。
相手のクリーチャーがいないと絆魂と速攻を得るため、除去と生け贄でお互いのリソースを削って戦う統率者ですね。話題の《山賊の才能》とも相性は良好です。
《ガイアー岬の療養所》は土地の枠で+2/+0分の修整を誘発できるため、採用しておきたいカードです。
《幽霊議員テイサ》
出た時に1/1飛行のトークンを生成しつつ強度を上げ、強度に等しいパワー修整をスピリットに与えます。
《幽霊議員オブゼダート》のように終了ステップに追放されるためソーサリーの除去を受けず、明滅系のカードで素早く総打点を上げて決めることも可能です。
ただし、能力を失うと自身の打点も0になることと、戦場に戻る時の誘発を打ち消されると追放されたままになることに注意は必要です。
《皇帝アパゼク・イントリ四世》
自分が出した他のクリーチャーのパワーが4以上なら速攻付与、タフネス4以上なら4点回復、マナ総量4以上ならクリーチャー1枚を抽出します。
1マナのマナ加速から出して強力なクリーチャーを連打していく動きが強力な統率者で、四世を除去しても中量級のクリーチャーでプレッシャーを掛けていけます。
能力の都合上大振りになりやすいので、打ち消し対策や除去耐性持ちの用意を心掛けたいですね。
《歪んだ看守、グレンゾ》
出た時とアップキープに強奪を行い、各ターンに1度相手がオーナーの呪文を踏み倒せます。
強奪と組み合わせることを意識してはいますが、単独でも継続的にアドバンテージを得ることが可能です。相手から重いカードを工面できるため、サブフィニッシャーが手札に来るリスクを軽減できるのも強みですね。
6マナとかなり重いため、蘇生によって再利用したり、ハンデスで対処カードを排除したりすることが重要です。
最後に
本来は統率者以外のカードも紹介……と行きたかったのですが、カード画像含め記事の分量がかなり多くなりそうだったため今回は見送っています。
次回以降に『MTGA専用非統率者』と題して紹介していく予定です。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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サムネイルのカードは《冷酷なペテン師、ランクル》です。エルドレインの王権版の《寓話の小道》からエルドレイン繋がりのチョイスですね。