あかりブロウラー for note『レビュー:サンダー・ジャンクションの無法者』【ブロール】
皆さんこんにちは。
この記事シリーズではMTGアリーナの動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版として、新セット『サンダー・ジャンクションの無法者』に収録されるカードから一部を紹介していきます。
セットの基本情報
『サンダー・ジャンクションの無法者』(略号:OTJ)はスタンダードのセットですが、今回は『ビッグスコア』(略号:BIG)、『速報』ボーナスシート(略号:OTP)、スペシャルゲスト(略号:SPG)、統率者デッキ(略号:OTC)のそれぞれのカードが同時に実装されるため、かなり複雑なセットとなっています。
前置きとして使用可能なフォーマットを記します。
スタンダード・ブロール、ブロール双方で使用可能:OTJ、BIG
ブロールで使用可能:OTP、SPG、OTC
『サンダー・ジャンクションの無法者』(略号:OTJ)
本流のセットであり、通常通りスタンダードで使用可能です。
統率者に指定できるカードは45種(うちPW2種)と『カルロフ邸殺人事件』よりかなり多く、固有色は1色が11種、2色が27種、3色が7種です。
また、カルロフ邸で(リミテッドの)基準となっていた変装が無い影響か、クリーチャーのサイズ面のインフレがより顕著なのも特徴です。
『ビッグスコア』(略号:BIG)
OTJのエピローグ・ブースター枠として予定されていたものがOTJのパックに統合されたもので、アリーナのパック(8枚のもの)ではOTJの神話レア枠を1/5で置き換えて出現します。
これがザ・リストの枠を担当しているため、今回は左下にPWマークが付く再録は存在しません。
統率者に指定できるのは《全ての鍵、おたから》のみです。
『速報』ボーナスシート(略号:OTP)
恒例となったボーナスシート枠で、アリーナのパックではコモン枠1枚を置き換えて出現します。
傾向としては後述の「悪事を働く」ことができるカードが多く、強力な再録カードも多いです。
《王冠泥棒、オーコ》も再録されますが、残念ながらブロールでも禁止カードです。
統率者デッキ(略号:OTC)
統率者デッキからはメイン統率者の4種が収録され、マスタリー・パスの報酬でそれぞれ4枚入手できます。
いずれも特定のテーマに特化している分、テーマに沿ったデッキは組みやすいですね。
なおビッグスコアが30種全て神話レアかつボーナスシートが存在するため、神話レアWC消費が非常に多いセットとなっています。
メカニズム
機能や挙動の解説は公式記事に任せますが、新規メカニズムとして無法者(Outlaws)、悪事を働く(Commit a Crime)、放題(Spree)、乗騎と騎乗(Mounts and Saddle)、計画(Plot)が登場します。
無法者は暗殺者、傭兵、海賊、ならず者、邪術士をまとめて参照する用語です。無法者を参照する統率者以外に組み込むのは非推奨ですが、これらの内1つのタイプのみを参照する統率者にも組み込みやすいです。
悪事を働くは相手に対する除去や妨害に長ける青黒赤が誘発させやすく、参照するカードもその色に多いです。ただし大半のカードはターンに1度しか誘発しないため、インスタントで悪事を働けるカードを多めに採用したいですね。
放題はモード付き呪文のようなものですが、基本的には2つ以上選んだ方がコスト・パフォーマンスは良好です。追加コスト扱いのため踏み倒せないことと、マナ総量の扱いに注意が必要です。
計画は唱えるターンを後回しにする能力であり、計画すること自体は唱えていないため打ち消しに対して多少強くなります。
ただし速さを捨てることになるため、計画によるメリットが見合っているかに注意は必要です。
ピックアップカード
個人的に注目しているカードを紹介していく欄です。
統率者編
《ケラン・ザ・キッド》
手札以外から呪文を唱えた時に呪文を踏み倒すか土地を出すクリーチャーで、サイズ自体も3/3飛行絆魂と優秀です。
手数を多くできる代わりに手札の消耗は当然激しくなるため、《トカシアの歓待》や出た時にカードを引けるカードで補いたいですね。
《懲罰者、ケアヴェク》
悪事を働くたびに墓地のカードを再利用できるクリーチャーです。ハンデスは軽量で悪事を働けるため悪事のトリガー、再利用の双方で扱いやすく、素早く手札を奪う動きが理想的です。
ただしライフが2点と複数回使うと無視できない重さのため、ライフをどう確保するかが課題です。
《アティインの英雄、ワイリー・デューク》
タップした時に1点回復+1ドローですが警戒を持つため、今回登場した乗騎や、機体及び召集でタップする必要があります。
《協約の魂、イマーラ》と比べ1マナ重いため、機体による除去からの復帰を意識して構築したいですね。
また、《威圧の杖》のようなアンタップできるカードで誘発回数を増やすこともできます。
《乱伐者、ボニー・ポール》
土地の枚数に等しいサイズのトークンを生成するため、本体の6/5と合わせて高打点を確保できるフィニッシャータイプの統率者です。
ボニー自身以外の攻撃でも誘発するため、リソース補充も行いやすいですね。
《死のディーラー、マルチェッサ》
悪事を働くたびに手札補充が可能な統率者で、色も悪事が得意な3色をカバーしています。
後半だと運次第になりがちな軽量ハンデスをキャントリップのように使っていけるため、相手に干渉しつつフィニッシャーを確保しに行きやすいですね。
非統率者編
《逃走のまやかし》
クリーチャーの明滅と除去を選べる放題で、+(1)を除去の回避やブロッカーの排除などにも使えます。+(2)の除去として見ると黒が持つ最大パワーの生け贄に近いため、どのモードも十分な強さを持つ一枚です。
《三歩先》
青のレアの放題で、打ち消し、手札交換、コピー生成から選ぶことが可能です。とはいえ打ち消しとして3マナは重いため、基本的には手札を整えるカード枠に打ち消しの機能も用意できるといった役割のカードですね。
《狡猾なコヨーテ》
出た時に自分のクリーチャーに修整と速攻を与えるクリーチャーで、計画によって速攻を与えたいクリーチャーと同時に出すことが可能です。
ただし2/2速攻を活かさないのは勿体ないため、速攻を持たないクリーチャーを入れる余地のあるミッドレンジ向きですね。
《密輸人の驚き》
緑のレアの放題で、十分な数のクリーチャーを要求する代わりに手札補充、踏み倒し、除去対策とインスタントでの奇襲に優れた効果が揃っています。
基本的には全体除去の隙に使いたいですが、並行してマナ加速できるように構築は注意したいですね。
ビッグスコア編
《全ての鍵、おたから》
『ビッグスコア』唯一の統率者で、他の土地以外のパーマネントのタイプ種類だけ衝動的ドローを行います。
緑青赤(ティムール)の統率者候補自体が今回のセット含め8枚とかなり少なく、その中でも軽いながら複数枚のアドバンテージを稼ぎやすいという点が強みです。ただし青を使う理由である打ち消しと相性が悪いため、モードを持つカードで裏目を減らしたいですね。
《堂々たる撤廃者》
こちらのターンでの相手の行動を封じるクリーチャーで、《艦長シッセイ》などのコンボ系の統率者だけでなく、アグロ系の統率者でもインスタントの除去を封じるカードとして扱えます。
ただしシンボルの工面には注意が必要です。
《溶鉄の複製》
2マナでそのターン限定のコピーを生成するソーサリーで、やはり軽さが魅力的です。《二重詠唱の魔道士》(+任意の生物かファクト)での無限速攻トークンはもちろん、単純に打点や出た時の能力を増幅させるカードとしても便利です。
速報&スペシャルゲスト編
《流刑への道》
白の(再録ですが)新たな1マナ除去です。原則《剣を鍬に》の方が強く、次に唱えるコストを確保される点は無視できないですが、1マナ統率者に即対処できる点は代替の難しい利点です。
《マナ吸収》
打ち消した呪文分マナを加える《対抗呪文》の上位互換です。
コントロール同士の場合は次のターンのコストを要求するカウンターも実質無力化されるため、使いどころが重要ですね。
《精神壊しの罠》
相手が3つ以上の呪文を唱えることで0マナになる打ち消しで、呪文全てを追放するためストームにも有効です。
通常時は4マナと重いですが、打ち消し無効に頼ったフィニッシャーを対処することもできます。
《再活性》
1マナの蘇生カードで、文字通り「リアニメイト」の語源です。墓地肥やしからの蘇生を主体とする統率者の上振れ要素として強力ですね。
《害獣の侵入》
最大X個の置物破壊とXの2倍のトークンを生成するソーサリーで、マナファクトによるマナ加速が多いブロールでは置物破壊が腐りにくいです。トークンの生成のみでも十分な性能なので、《宴の結節点、ジェトミア》のような小型でも横に並べたい統率者向きです。
《概念泥棒》
相手のドローを奪い取るクリーチャーで、《覆いを割く者、ナーセット》と同等以上のドローロックです。《暗記+記憶》のようなリセット&ドローとのコンボもより狙いやすくなります。
《砂漠》
攻撃クリーチャーを除去する土地で、色を問わず1ターン目の《敏捷なこそ泥、ラガバン》を除去できる貴重なカードです。ラガバンとマッチングする統率者の場合はその確率が非常に高いため検討に値する1枚ですが、色マナの工面に注意は必要です。
最後に
普段はYoutubeで動画を投稿しているため、チャンネル登録等していただけると励みになります。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。