あかりブロウラー for note『潜伏工作員、アジャニ』【ブロール】
皆さんこんにちは。
この記事シリーズでは動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版として、統率者を(動画で紹介したものは深掘りも兼ねて)解説していきます。
先日投稿した動画版(スタンダード・ブロール)はこちらです。
なお、MTGアリーナの動画の派生であるため、原則1vs1という観点での解説であることをご了承ください。
ブロールについておさらい
統率者を指定して、固有色(統率者のマナ・シンボルとテキストに含まれるシンボルの色)縛り&各1枚制限でデッキを構築する、といった大まかな点は統率者戦(EDH)と同じですが、
・どのプレインズウォーカーでも統率者に指定できる
・カードプールはスタンダード、またはヒストリック準拠(ただし《秘儀の印鑑》と《統率の塔》は使用可能。上の動画でも塔を入れ忘れている)
・初期ライフは25点(多人数戦では30点)
・デッキ枚数は60枚(ヒストリック・ブロールでは100枚)
・禁止リストはブロール独自のものを適用
といった点が異なります。
統率者《潜伏工作員、アジャニ》
『団結のドミナリア』で登場した、タミヨウに続く2枚目の完成化PWです。
『完全なる統一』ではエリシュ・ノーンの配下として白磁の鎧を纏って登場しましたが、あちらの姿もカード化してほしいところですね。
[+1]では生物かPWであるという条件付きの手札補充。
最低でも土地がデッキの4割程度を占めるため安定はしないですが、見たカードが不要ならばデッキ下に置けるためそれなりに器用です。
[-3]は3体までに割り振れる+1/+1カウンターと警戒の付与。単体、複数どちらにも対応する代わりに消費忠誠度は大きめです。
なお、割り振らずに警戒だけ付与することはできないので注意が必要です。
奥義こと[-6]は「自分が生物かPW呪文を唱えるたびに毒2個を付与する」紋章の獲得。勝利手段を提供するものの、起動できても盤面のアドバンテージには繋がらない癖のある能力です。
そして完成化によって、4マナで忠誠度4として出すか、3マナ+ライフ2点で忠誠度2として出すかを選べます。
ただし、ライフ2点で出した場合は[-6]が遠ざかる以外にも[-3]を直後に使用できないというデメリットが生じるため、相手の下準備の段階で出して[+1]を複数回使う、または他の行動と併せて相手の隙を突く、といった1マナ軽いことを活かす運用が必要です。
奥義が有する価値
こうして見ると、[+1]で生物を確保しつつ並べ[-3]で強化する、という動きが基本で、奥義は少々悠長なように見えます。
しかし、奥義によって付与される紋章は唱えるたびに誘発するため、「相手の盤面や打ち消し、除去を無視して勝てる」 という独自の利点を有しています。
また、忠誠度を使い切ったアジャニは統率領域に戻して再度唱えられるので、「5回生物かPWを唱える」という条件も見た目より簡単に達成可能です。
緑白らしく並べて攻撃することを補助しつつも、それを目的に切り替えて毒による勝利を狙える二面性が《潜伏工作員、アジャニ》の統率者としての強みです。
増殖との作用
また、『ファイレクシア:完全なる統一』で再登場した「増殖」との相性の良さも見逃せない点です。
[-3]で載せた+1/+1カウンターを増殖できるのはもちろん、奥義の起動を早
め、奥義後は毒の蓄積に(1個分ですが)貢献できます。
奥義を起動してからが毒蓄積のスタートラインである場合が多いため、それを1ターン早められることにも大きな意味があります。
デッキコンセプト
「奥義の素早い使用」「増殖の活用」をコンセプトとして、2マナ以下のマナクリーチャー、PWと全体除去、そして《腐れ花》や《ふくれた汚染者》、《伝染病のヴォラック》といった増殖持ちをメインに採用しています。
その他には増殖と相性が良い生物として《聖域の番人》、《骨化》や《次元の攪乱》といったPWも範囲内の除去を投入しています。
相手の動きがさほど早くなければ2→4マナの動きでアジャニを出し、増殖を絡めてアジャニ含むPWの奥義を狙っていきます。
逆に、相手の動きが早そうな場合はある程度戦力を温存しつつ、全体除去からこちらのペースに持ち込んでいきます。この時PWを盤面に出してから一掃できると理想的ですね。
ピックアップカード
注目カードを挙げる欄。
とはいえ今回は特筆するようなコンボは搭載していないため、特に相性のいいカードを挙げていきます。
スタンダード編
・《華やいだエルズペス》
PWの中でも特にカウンターを多用するため、増殖との相性は抜群。+1/+1と盾を増やすだけでなく自身の奥義到達にも役立ちます。
また、[-3]で出した生物を全体除去に巻き込みつつ盾で残し、反撃の足掛かりにするのも有効です。
・《伝染病のヴォラック》
出た時に土地を手札に加えるか、増殖を行う生物。
サイズも3/3と及第点で、増殖しつつ残る生物としては申し分ない性能です。
増殖しない場合にも土地を手札に加えることで、PWを唱える手助けになります。
・《聖域の番人》
盾カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る生物。
PWを主力にするという戦略と異なる重い生物ですが、全体除去に巻き込んでも問題なく、増殖とも噛み合うため相性は良好です。
ヒストリック編
・《世界を揺るがす者、ニッサ》
『灯争大戦』のニッサ。マナ加速、土地の3/3速攻警戒化と単体でも強力ですが、増殖で土地のサイズとニッサの忠誠度の両方を上げられます。
・《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》
+1/+1カウンターだけでなく、PWの忠誠度や与える毒カウンターも倍にする法務官。6/6速攻トランプルと単体でも優秀で、生き残れば他のPWの奥義へと繋がります。
一方で、相手に使われると奥義の毒の付与が1個になり、増殖に至っては機能停止するため注意が必要です。
最後に
一見素直なミッドレンジ向けの性能ですが、出した次のターンに不意打ち気味に増殖する、自分の生物も全体除去に巻き込んでアジャニを守る、といった形で奥義に持ち込みやすく、「潜伏工作員」らしく意表を突く動きが面白い統率者です。
今回のリストでは増殖とPW及び奥義を前面に押し出していますが、全体除去の代わりに優秀な生物を入れて[+1]を安定させ、より攻撃による勝ちに寄せるのも選択肢の一つです。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。