#444 離婚は本当に面倒くさいのか
【 自己紹介 】
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【 今日のトピック:離婚は面倒くさい? 】
「離婚は面倒くさい」とよく言われます。
しかし,多くの夫婦が,「面倒くさい」はずの離婚を済ませています。
日本では,1年間に約20万もの夫婦が離婚しています。
1日当たり約5500件なので,今日も,日本のどこかで,たくさんの夫婦が離婚したはずです。
「面倒くさい」「面倒くさい」とよく言われているのに,今日も今日とて,誰かが離婚しています。
そうすると,離婚が「面倒くさい」ということが疑わしくなってきます。
本当に面倒くさいなら,これほどまでに人々は離婚しないはずだからです。
現に,イタリアでは,離婚が面倒くさいからこそ,離婚率が低いらしいです。
離婚率が低くなってしまうほど,この日本では離婚が面倒くさくはないような気がします。実際に,イタリアよりも,日本のほうが離婚率が高いです(日本:1.7%,イタリア:1.4%)。
そうすると,「離婚は面倒くさい」という固定観念を見直す必要があるようです。
そもそも,離婚自体は,離婚届を市役所に提出すれば完了するので,何も面倒くさくありません。
最初から,「離婚は面倒くさい」を否定してしまいましたが,離婚届を提出すれば離婚できるのは間違いありません。
そうすると,離婚なんて,何も面倒くさくないように思えます。
でも,多くの人が,「面倒くさい」と言っているし,実際に,「面倒くさい」と思っている人がたくさんいます。
そして,確かに,「面倒くさい」離婚がたくさんあって,仕事上,そういった「面倒くさい」離婚にたくさん出会いました。
というか,そもそも,「面倒くさい」からこそ,弁護士に相談したり,着手金を払ってまで依頼したりするので,弁護士の仕事として出会う離婚事件が面倒くさいのは当たり前です。
しかし,僕は,どうも,「離婚が面倒くさい」とは思えないのです。
先ほど書いたとおり,離婚自体は,離婚届を市役所に提出すれば完了します。
離婚は,それで終わってもいいはずです。
でも,「離婚届を出してオシマイ」とはならないから,「面倒くさい」のです。
離婚事件では,
・そもそも離婚するか
・離婚の条件
の大きく2つが問題になります。この2つで,お互いの主張が食い違えば食い違うほど,離婚は「面倒くさく」なります。
離婚が「面倒くさい」のは,こういうことです。離婚それ自体が面倒くさいのではなく,お互いの主張が食い違うことが,「面倒くさい」のです。
確かに,↑に書いた2つは,法的に決着をつけることはできます。
・そもそも離婚するか,については,民法に書かれた「離婚原因」が存在するなら,法的に離婚を請求するすることができるわけで,にもかかわらず,それに応じない相手が「悪い」ということになります。
しかし,いくら離婚原因が明らかであっても,「そうじゃない!」と反論することすら許されないわけではありません。反論すら許されないなんて,そんな残酷な世界には生きていたくありません。
だから,離婚原因が明らかであっても,相手の反論は聞かなきゃいけません。
そして,そもそも,離婚原因が「明らか」でない場合もあります。離婚原因が「明らか」でないなら,離婚を法的に請求できるか未定ということです。
離婚原因が明らかでないなら,相手が「離婚したくない!」と反論するのも,正当です。それを妨げることはできません。
こういった,「反論を聞かなきゃいけない」という理屈は,・離婚の条件についても同じです。
養育費や,財産分与など,離婚に伴って金銭的な請求ができるのですが,その金額についても,主張と反論を繰り返す必要があります。
この「主張と反論を繰り返す」のが,「面倒くさい」のです。
離婚自体は,↑に書いたとおり,離婚届のみで完了します。
そうはならないケース,つまり,主張と反論を繰り返して,・離婚するかどうか,・離婚の条件,をそれぞれ決めていくのが「面倒くさい」のです。
そして,この2つが「面倒くさく」なるかどうかは,その夫婦次第です。
お互いが主張を譲らなければ,どんどんどんどん「面倒くさく」なります。
「法的に正しいのはこっちで,譲歩しない相手が悪い!」と思ってしまうケースもあるでしょう。その言い分が正しいケースもあると思います。
でも,ここから完全に禁句な言葉を放ってしまいますが,そういった,「こちらが法的に正しい主張をしているだけなのに,譲歩してくれない」ような相手と結婚したのは,ほかでもない「あなた」なのです。
こんなことを言ってしまったら身も蓋もないのですが,すみません,あえて書かせてもらいます。
離婚しなきゃいけなくなったのは,結婚したからです。そもそも,結婚しなければ,離婚する必要もないのです。
僕は,何も,結婚する前に,相手の悪いところに気づけなかったあなたが悪い!と言いたいのではありません。
そもそも,結婚する前に,相手の良いところも悪いところも全部知り尽くすのは不可能です。
結婚する前に,何もかも知ることはできません。
結婚に先立って,相手のことを何もかも知り尽くす義務があって,それを怠ったのだから,離婚が大変でも仕方ない,とは僕は思っていません。
ただ,結婚する前に,「相手には知らない面があること」は予測できるはずです。
恋人同士と夫婦は違います。
夫婦になった後,恋人時代には知らなかった側面が発覚するかもしれないこと,結婚前から予測できます。
知らなかったイヤな一面がきっとあって,それが結婚後に発覚することは,結婚前から予測可能です。
その「イヤな面」が何かはわかりませんが,何かしら「イヤな面」が結婚後に発覚する可能性はあります。
その「イヤな面」を我慢する必要はありません。我慢せずに離婚すればいいのです。結婚した後でも,離婚に逃げていいと,法律には書かれているからです。
離婚は間違いなく合法で,離婚それ自体を非難するのはお門違いです。
だから,離婚に逃げていいのですが,とはいえ,離婚しようとしたら,相手と離婚するかどうか,離婚するにしても条件をどうするか,それを話し合って決めなければいけません。
話し合って決められなければ,離婚訴訟まで提起して,決着をつけなければいけません。
結婚前には予測できなかった側面が現れ,それによって離婚するかもしれないし,その離婚がめちゃくちゃ面倒かもしれない。
ここまでは,結婚前に予測可能です。
そして,ここからめちゃくちゃ厳しいことを書いてしまいますが,こういったことを予測できたにもかかわらず結婚した,ということは,「それでもいいから結婚した」ということなのです。
現代社会では,結婚は幸せの象徴でもありませんし,生き残るために結婚する必要もありません。
結婚しなくても幸せになれます。少なくとも,「結婚しないと幸せになんてなれないよ」という発言は,今の時代,タブーです。
それに,ひとり暮らしが当たり前になった今の時代では,昔のように,結婚して家族を作らないと生き残れないわけでもありません。
24時間営業のコンビニで,いつでもおいしい食べ物を獲得できますし,ひとり暮らし用のアパートを安く借りることもできます。
洋服だって,UNIQLOでめちゃくちゃ良質なものが買えます。
ひとり暮らしでも,充分な衣食住を享受できるのが,今の時代です。
にもかかわらず,事前に予測できない側面があるかもしれないというリスクを背負いながら,それだけでなく,その予測できない側面によって,離婚するかもしれないし,その離婚による面倒に巻き込まれてしまうかもしれない,というリスクを背負いながら,結婚する。
それが,今の時代の結婚です。
繰り返しになりますが,結婚前に相手の悪い部分を見つけられなかったことは,非難できないと思います。
結婚して初めて発覚することは,どの夫婦にもあるはずです。だからこそ,「結婚前に気づけなかったほうが悪い」という意見に僕は賛成できません。
でも,結婚して初めて発覚することがきっとある,ということは予測できます。
にもかかわらず,つまり,結婚して初めて発覚することがきっとある,ということを予測しながらも,あえて結婚した,ということは否定できないと僕は思います。
こう考えると,結婚って,「未知との遭遇」なのかもしれません。
今までとは違う側面に出会うという「チャレンジ」こそ,「結婚」なのかもしれません。
【 まとめ 】
今日も,昨日に引き続き,かなり暗い話題となってしまいました。
離婚が「面倒くさい」のではなく,「面倒くさい離婚」がある,ということを,今日はお話しました。
そして,いざ離婚が「面倒くさく」なるかどうかは,その夫婦次第です。
離婚が面倒くさくなるかどうかは,いざ結婚してみなければわかりませんが,ただ,結婚に先立って,「離婚が面倒くさくなるかもしれない」ということは予測できます。
「それでもいいから結婚したい!」と思ったからこそ,結婚したのです。
もうこれ以上,厳しい言葉はやめときます。
ちなみに,僕は,離婚事件好きです。当事者同士では話し合いができなかったものを,少しずつ交通整理しながら,1つ1つ段階を踏んで,最終的な解決に持っていくことにやりがいを感じます。
少しでも,お客様のお役に立てたら嬉しいと思っています。
それではまた明日!・・・↓
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