弁護士の僕ならこうやって遺産相続を進めます-7(不動産の遺産分割)
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:遺産相続 】
さて、今日も、引き続き、遺産相続についてお話していきます。
昨日は、遺産の中に高額な不動産が含まれている場合、僕だったら、売却してお金に変えて、そのお金を分けます、ということをお話しました。
不動産を、不動産として維持したまま相続人の誰かが取得する場合、その不動産は値上がりするかもしれないし、値下がりするかもしれません。
値上がりしてしまうと、不動産を貰わなかった相続人は不公平感を抱くでしょう。
逆に、値下がりしてしまうと、不動産を貰った相続人が不満を抱いてしまいます。
相続人は、お互いに、兄弟だったり、親子だったりするので、不公平感や不満は、なるべく避けたいです。
あくまで、僕だったらですが。
だから、価値がある不動産であれば、僕は他の相続人に対して売却を提案します。
「売却してお金を変えて、そのお金を、法定相続分に従って平等に分けようよ」とね。
「法定相続分」は、今回の設定の場合、妻である僕の母が2分の1、子ども3人が6分の1ずつ、です。
だから、仮に、遺産である不動産が6000万円で売却できた場合、僕の母は3000万円、子どもはそれぞれ1000万円ずつ貰うことになります。
ただ。
問題は、「価値がある」かどうかって、どうやって決めるのか、ということです。
「価値がある」かどうかは、人それぞれなので、なにか明確な基準はありません。
僕だったら、まず、不動産屋に査定を依頼します。査定を依頼すると同時に、「この土地売れそうですか?」と聞きます。
僕は僕で、生活の拠点は別に設けています。だから、住むためにその土地が必要なわけではありません。
だから、基本的に、土地よりも「お金」にしたほうがいいと考えているので、ある程度の金額であれば、売ったほうがいいと思います。
しかし、あまりにも二束三文な値段しかつかないのであれば、こんな僕でも、売るのがもったいないと思います。
例えば、坪1万円でしか買い手がつかないようであれば、なんというか、捨てるのがもったいない気がします。
土地の上には建物も建っているわけで、その建物で雨風はしのげます。
雨風をしのげる建物が建っていて、誰かが住むことはできるような土地を、二束三文で手放してしまうのはもったいない気がします。
父が、つい最近まで住んでいたわけですからね。二束三文で誰かの手に渡るくらいなら、自分で持っていて、倉庫かなにかに使ってもいいような気もします。
母が現在住んでいるとしたら、売却するわけにはいかないと思いがちですが、僕としては、母1人を一軒家に住まわせておくよりも、どこかの賃貸物件に住んでもらったほうがいいと思います。
一軒家は、老人のひとり暮らしには手に余ります。だから、「母が住んでいる」という理由で、土地建物を維持するべきとは思いません。
あくまで、「僕だったら」です。
だから、ある程度の金額で売れるのであれば、売却して、お金に変えると思います。
「ある程度の金額」は、まあ、坪3万円で売れれば、それでいいかもしれません。
我が家の敷地は、300坪くらいあるので、1000万円くらいで売れるなら、その売却代金を元手に、母も賃貸物件の初期費用を工面できるでしょうし、言うことなしです。
「ある程度の金額」がいくらなのかは、本当にケースバイケースだと思いますが、僕の場合は、「1000万円」ですね。
800万円くらいでも売っちゃうかもしれません。
「実家がなくなる」という感情的な部分もあるかもしれませんが、「実家」は、あくまで、僕ら兄弟にとってだけです。僕の子どもにとっては、実家でも何でもありません。ただの「じいちゃんち」です。
「じいちゃんち」が、「実家になくなってほしくない」というオヤジのワガママで残された場合、僕の子どもにとっては踏んだり蹴ったりでしょう。
だから、僕は、ある程度の値段で売れるなら、売ってしまいます。
僕ら兄弟は、別に実家にこだわらなくても、生活拠点は自分で見つけられるからです。
「どうしても住み続けたい」という人が、兄弟の中にいたら、まあ、住み続けてもいいと思います。
ただ、そうすると、先ほど書いたとおり、土地の値上がり・値下がりによって、家族間に紛争が発生しかねないので、極力回避すると思います。
土地を売る場合のデメリットとして、仲介手数料が必要となってしまうことがあげられます。
自分で買い手を見つけることができれば、仲介手数料は不要ですが、しかし、自分で買い手を見つけるのは、それなりに難しいと思います。
まあ、いちばんありうるのは、隣人に購入してもらうことですが、いちいち隣人に購入を打診するのは、結構たいへんです。
隣人に売却するとしても、仲介業者に買い手を見つけてもらうのが、結局、簡単で安上がりだと思います。
仲介手数料は、普通、売却代金の6%(売主と買主双方から3%ずつ)+消費税、くらい必要になりますが、まあ、仕方ありません。
仲介手数料は売却代金から差し引かれるので、持ち出しはありませんが、仲介手数料を差し引くと、「結構減ったなぁ」と思うことも多いです。
とはいえ、売らずに不動産として持っておくよりはマシだと僕なら思います。
明日は、不動産の売り方について、少し書きたいことがあるので、説明したいと思います。
それではまた明日!・・・↓
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