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他人を頼れない人が頼れるようになる方法はあるのか
【 自己紹介 】
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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。
毎日ご覧くださってありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:無理せず頼ってほしい 】
今日も、職場(児童相談所)で、記録をずっと読んでいました。
この記録では、お母さんが、とにかく苦しんでいました。
毎日家事を自分一人でこなしていて、その大変さを児相職員に吐露していました。
家事が大変だと訴えるので、その解消方法として、夫を頼るとか、実家を頼るとか、そういったアドバイスを児相の職員がするんですが、お母さんは受け入れません。
他人を頼れないからです。
実は、家事や育児って、全部自分一人でする必要はありません。
家事であれば、週に何度かヘルパーさんを呼んでやってもらうことができまし、育児も、「ショートステイ」といって、子どもを何泊か施設に預けることができます。
確かに、家事を他人にさせるのは「サボり」な感じがするかもしれません。
子どもを施設に預けるのも、親失格な気もします。
しかし、家事を自分だけでこなそうとしたり、子どもを預けるのを躊躇した結果、子どもを叩いたり蹴ったりして傷つけるのであれば、それこそ「親失格」です。
でも、他人を頼れないお母さんに、こんな理屈は通用しません。
このお母さんにとっては、家事も育児も全部自分一人でこなして、なおかつ、子どもに虐待しないという「理想」があって、それを実現しなければ気が済まないのです。
「全部一人」と書きましたが、正確に言うと、本当に何もかも1人でしようとはしていなくて、一番上の子ども(小4)に、下の兄弟の世話を手伝わせています。
子どもに家事や育児を手伝わせているのなら、「自分一人で家事や育児をこなす」というのは最初から諦めているわけで、だったら、ヘルパーさんに来てもらったり、ショートステイを利用したりしてもいいもんなんですが、やっぱり、そんな理屈は通用しません。
このお母さんは、本当に頑固で、家事や育児の負担を誰かに外注できないことで精神的に不安定となり、結果として、子どもに暴力を加えていて、明らかに精神疾患なんですが、病院も受診してくれません。
うーん、困ったもんです。
とにかく、他人に頼ることができなくて、それはお母さん本人も自覚しています。他人に頼ることができなくて、それが原因で子どもに強く当たることも自覚していて、にもかかわらず、他人に頼ることができない。
こんなお母さんを、他人に頼れる人間に変えることができるのでしょうか。
児相職員は、面接のたびに、「誰かに頼ったらどうですか?」と、あの手この手で伝えます。
その伝え方も非常に技ありで上手なんですが、でもなかなか、お母さんの考えは変わりません。
ここまでくると、「変わらない」を前提にするしかなさそうですが、しかし、今日は、こういったお母さんを「他人に頼れる人間」に変える方法はないか、と本気で考えてみます。
非常に僕の苦手な分野です。
弁護士という仕事の性質もありますが、僕は、法と論理で説得する術しか知りません。論理的に理詰めで理屈を積み重ねて、それで説得することによって相手の考えを変える方法です。
僕は、こういった理詰めの方法で仕事柄成功を収めてきましたし、僕自身も、根拠だてて説明してもらったほうが、より納得感が得られるので、考えを変えやすいです。
でも、こういった理詰めは、さきほどのようなお母さんには無力です。
理屈では他人を頼ったほうがいいと理解されていて、それでもなお、どうしても、他人を頼れないんです。
これはきっと、他人を頼ることが、自分のプライドに関わるからです。
他人を頼ることが、自分のプライドを傷つけるんです。
「そんなちっぽけなプライドなんて」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、プライドは生きる根源です。もっとも傷つけられたくない人生の核心部分を「プライド」とか「尊厳」とか言いますが、そこが傷つくんです。他人を頼ると。
だから、いちど他人を頼ってしまうと、めちゃくちゃ傷つくし、苦しいし、他人を頼ると決断してしまった自分が大嫌いになってしまうんです。
うーん、だから、他人を頼れない人に「他人を頼ったら?」というアドバイスをするのって、「あなたのプライドをないがしろにします!」というアピールになっちゃいます。
それは、基本的に無理です。「あなたのため」なんてのも通用しません。
だって、プライドをズタズタに切り刻もうとしているので、実際のところ、「あなたのため」になっていませんし。
うーん、相手の感情を動かすのって、どうすりゃいいんでしょうね。
今のところ僕が考えたのは、めちゃくちゃ時間を使うことでしょうか。
「他人を頼ってほしい」ということを、何度も何度も伝える。それで関係がいったんは悪くなるかもしれませんが、とにかく、時間をかける。
もちろん、ただただ言うだけではなく、その根拠を理論武装しておくことは必要です。
そして、本人以上に本気で考えることも必要だと思います。「本気」も、ひとりよがりではだめで、相手に伝わらなきゃいけません。
相手が既に話してくれていることについては、すべて、自分なりの回答を用意するのはもちろんですし、相手がまだ語っていないことについても、ある程度予測して答えを用意しておきます。
これが「本気」を伝える手法な気がします。
そうやって、実際に「本気で」取り組み、その「本気」が相手に伝わり(伝わるにもめちゃくちゃ時間はかかります)、その「本気」によって信頼関係を構築して、その信頼関係を基盤に「他人を頼りませんか?」と伝える。
これが、他人を頼れない相手を、他人を頼れる人間に変える方法なのかなと思いました。
他人を頼れない人にとって、他人を頼るとプライドを傷つけることになると先ほど書きましたが、こうやって「本気」が伝われば、他人を頼ってもプライドを傷つけなくなるのかなと思います。
「他人を頼ったほうがいいのかな?」というふうに考えが変わった結果として、他人を頼るようになるわけなので。
相手の感情を動かすのは「情熱」だと僕は思っているので、こういった結論に至りました。
ただ、「情熱」って、抱くハードルと伝えるハードルの両方とも高くて、特に、伝える方は、伝え方を間違うと逆効果になります。
うまい伝え方を知っていれば本当にラクでいいんですが、うまい伝え方を知ろうとするよりも、↑に書いたような、相手が語ってくれたことをもとに、回答を用意しておくのが「本気」が伝わっていい感じかなと思いました。
それではまた明日!・・・↓
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