思い出は胸に
「今日、気球が飛ぶんだって。行ってみたいな。」
わたしがふと言った、この言葉が、今はとても心を温かくしてくれるものになりました。
それはわたしが高校生の頃だったか、10代終わりの頃だったか、ずっと興味があった気球の広告に目が留まり、思わず発した言葉でした。
それを聞いた父が、「じゃあ今から行くか!」とすぐに支度をして憧れの気球を見に行くことになったのです。
(あわよくば気球に乗りたい、こんな思惑も心の中にありました笑)
父と2人、高速道路を2時間走らせ、会場近くに着いたのは午前9時半頃。でも場所がわからない。
ウロウロしつつ、当時はスマホがまだなかったので、父がガソリンスタンドの方に聞きに行ってくれました。
川の近くを走っていても、静かすぎるなと思っていた街並み。
返ってきた言葉は「もう終わったよ」とのこと。
冷静になって考えれば、気球は朝早い時間に飛ぶんだよね。時間も場所も調べずに来てしまったので仕方がない。
しょぼくれながらも母に頼まれたお土産のお饅頭を買って帰ることに。
気球は見れなかったけれど、父が私の「行きたい」を叶えてくれたことが、とても嬉しかった。
親子なので喧嘩ばかりしていたけれど、今思い出すのは、心があったかくなるものばかり。
こんな温かい思い出をくれて本当にありがとう。
わたしはあといくつ、こころがぼわっとあったかくなる思い出を残せるだろう。
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