「悪く無い世界」だったなら
BUCK-TICKのボーカル、櫻井敦司さんが亡くなられました。僕にとって、好きなバンドのメンバーさんが亡くなったのは初めてのことです。
個人的にフジファブリックというバンドも大切なんですが、僕が追いかけ始めた頃には、志村さんは亡くなっていまして。山内さんを始めとするメンバーが、3人でバンドを動かそうとしていた頃(徒然モノクロームのリリース前ごろ)だったので、初めてと捉えています。
こんな時、自身がショックを受けている時の自己判断なんか当てになりませんね。緊急時の対応、仕事の中で少し学んだけど、まさかここで初めて使うとは。それも自分に。やはり、心理士の最初のクライエントは自分自身ですね。
昨日から今日までとにかく普段よりも気をつけて過ごしました。その上でいつも通りに過ごしました。手元、足元、運転中。普段、うっかり怪我が多いわたしは、いつもより多少マシだったかもしれません。
櫻井さん、BUCK-TICKを応援していた理由の大きな部分は、メンバーが変わらないまま続いていたことでした。
Base Ball Bearから湯浅さんが抜けて、大所帯での日比谷Ⅵをやった頃です。そのライブを見て、好きな曲ばかりなのに寂しさでいっぱいになってしまったあの頃。
そんな時に友達から教えてもらったのがBUCK-TICKでした。彼はBUCK-TICKとLUNA SEAのファンクラブに入ってる(当時、その二つのバンドとメンバーのライブにしか行かなかったという変な)人で、バンドの面白さを話してくれました。
その中でBUCK-TICKには、コンスタントなのに毎度テーマが異なるアルバムの構成、楽曲の面白くも儚い世界観、日本武道館すら飼い慣らす圧倒的なライブのステージ、都度アイデアに溢れたツアー、などで一気に好きになりました。
ただ、なによりもその関係性の尊さが僕を突き動かしたと思います。ギターの今井さんが、ずっと横でギターを弾いていたかった、とInstagramにコメントされてました。36年経っても、です。もう想像出来ない。
だから、こんな悲しい終わり方はないだろうと思っています。
今後「お別れ会」的なものも企画されるそうなので、参加しようと思います。最期までステージの上にいたという櫻井さん。これが少しでも櫻井さんの願いだったなら…と思わずにはいられない。生者には祈ることしかできない。少しでも、今生が死者にとってよい時間であったなら、と。その思いを出来るだけ近くで、捧げられたらと。