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レビュー 22/23 リーグアン 第3節 モナコ×RCランス
こんにちは。今回は8月21日に行われた、22/23 リーグアン 第3節 モナコ×RCランス の試合のレビューをやっていきます。
南野拓実選手がスタメン入り!トレゼゲも観戦に訪れたこの試合の両チームのスタメン
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この試合でついに南野拓実選手がスタメン出場を果たし、リーグアンデビューを飾ることに!また、守備の要のバディアシルも復帰しました。
この試合の観戦に訪れていた大物有名人として、元フランス代表のダヴィド・トレゼゲがスタジアムを訪れていました。
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トレゼゲは1995年から5年間モナコでプレーし、その後ユベントスへと活躍の場を移しました。
すごくフラットな形で現れたので思わず二度見してしまいましたが、それでもオーラあふれる様子は変わらず。2021年にユベントスのアンバサダーの職を辞任して以降、フリーとなっているトレゼゲですが、今後どのような活動をしていくのか注目です。
昨シーズンのベースを基本に 圧倒的な力と完成度で上回ったRCランス
この試合では4対1と大差がついたように、RCランスが内容でも圧倒しました。
両WGと両WBのコンビネーションの完成度はより高まっており、片方が内をとれば片方は外に回って相手のマークを分散し、追い越す動きで揺さぶったところに中盤のフォファナなどから高水準のボールが配給され、簡単にエリア内まで侵入してしまう動きがこの試合でも堂々と発揮されました。
トップに入ったオペンダは中央での存在感抜群。裏抜けする基本的な動きだけでなく、ポジションを下げてボールを受けることでより攻撃を活性化させていました。
圧巻は2点目。右からの展開で中央で少し降りてボールを受けたオペンダからフォファナに渡ると、ダイレクトで左に展開。相手のクリアミスも相まってマチャドが豪快に決めました。
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ソトカとオペンダが下がっで引きつけたところを両WBが躊躇なく飛び込んでくるスペクタクルな動きでモナコディフェンスを揺さぶりました。
後半に入ってもその運動量は落ちることなく、53分にPKを獲得してフォファナが決めます。相手が1人少なくなった78分には途中出場のサイードがニアを突いて4点目を決めました。
この試合で初めてRCランスをご覧になった方々は、まずその完成度に驚いたことでしょう。4年目のフランク・エーズ監督のもとで完成度を高めるチームは個人的にはプレミアリーグでも戦えるチームであると考えています。
これでも昨シーズンからジョナタン・クラウス、アルノー・カリムエンド、シェイク・ドゥクレという主力が抜けているにもかかわらず、違ったメンバーでも同じことができるのは素晴らしいことです。
また、このクラブはサポーターがかなり熱狂的であることでも有名で、この試合を視聴した方々はスタッド・ルイ・ドゥがまるでRCランスのホームかのようにサポーターの熱烈な応援がその耳に届いたことでしょう。
南野選手が初出場して注目度が高まり、ご覧になった方々も多いとは思いますが、実況を務められた西達彦アナウンサーもおっしゃっていたように、RCランスがただただ素晴らしかっただけで、モナコの現状に関してはそこまで悲観的になる必要はないと思います。これを機に、ぜひRCランスにも注目していただければと思います。
中央でのプレッシング強度が弱く、後手を踏み続けたモナコ またもや退場者を出す事態に
この試合を分けたターニングポイントとして、モナコが中央でのプレッシングが機能しなかったことが挙げられます。
前線の選手が3バックを睨み、相手のWBにはSBがあたるようにはしていましたが、いなされて中盤にスペースが空き、そこから特にフォファナには良いようにやられまくりました。
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中盤のユスフ・フォファナは出場停止で出られず、中盤は攻撃的なジャン・ルーカスとマタゾで臨みましたが、相手の中盤に対してプレッシャーを与えることはできず終い。
攻撃においても中盤が相手のWGに絞られて、外回りでしかボールを進めることになって攻撃の糸口を見つけることには苦労しました。
また、相手の運動量にもおされて、相手の追い越す動きだしについていけずに得点を重ねられます。
それでも前半のうちにCKから今季初出場のバディアシルが決めて1点差にしたのはせめてもの報い。
後半に入って立ち上がりこそ少し盛り返したものの、55分にPKを献上し、終盤には2試合連続で退場者を出してとどめを刺されました。特に終盤はディアッタがSBを務めたことによって何度も右サイドを突破されてピンチを招くケースが増えました。
90分を通して後手を踏み続けたことにより、クレマン体制になって久しぶりに黒星を喫することに。次節はアウェーでPSGと戦うことになるので、今一度チームの士気を上げなければなりません。
南野拓実の評価は?
この試合では左サイドで先発出場するも、攻撃時も守備時もほとんど内に入ってベン・イェデルとエンボロの3人で前線に3人が並ぶような布陣でした。
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立ち上がりの3分にチャンスが訪れるも、うまくボールをコントロールすることはできず。この試合ではボールのコントロールミスが目立ちました。守備時には前からのプレスをするシーンが何度かあったものの、この試合ではそもそもチーム全体でプレッシングがうまく行えず。
56分にはゴロヴィンと交代することになった南野選手。気になる現地の評価はどれも低評価ばかり。南野選手には得点やアシストなどの目に見える活躍が期待されていただけに本人も悔しい出来に終わったはず。
ここまであまり結果を残せていませんが、決してモナコというチームが南野拓実選手に合ってないわけではないと思います。SNSに真逆のことを多数書かれていることは心外ですが、、、。
南野選手とポジションを争うゴロヴィンはボックスの外に出てプレーするタイプで、南野選手はボックス内で勝負することができるいわば両者は真逆のタイプ。いずれにせよ左サイドのカイオ・エンリケとのコンビネーションの完成度を上げていくことは必須になってきますが、これからの南野選手の巻き返しに期待したいです。
初出場の新戦力で唯一光り輝いたモハメド・カマラ
この試合では南野拓実選手の他に、マラング・サールとモハメド・カマラという新戦力が初出場を果たしますが、一番インパクトを残したのは中盤のカマラ。
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後半からマタゾに変わって途中出場すると課題だった中盤のフィルター役になって中盤を活性化。CBからボールを受ける時のポジショニングが良い点だけでなく、ドリブル力もあって58分にはベン・イェデルの決定機を演出します。また、彼が中盤のアンカー的な役割を担うことで、攻撃的なジャン・ルーカスがポジションを1列上げることも可能に。
後半の立ち上がりから少し盛り返すことができたのも彼のおかげ。ザルツブルクから加入した彼は初出場ながら良いパフォーマンスを残しました。中盤の絶対的な存在としてはユスフ・フォファナがいますが、彼と組んでも面白そう。カマラの今後の活躍に期待したいです。
8月21日 0時00分 22/23 リーグアン 第3節 モナコ×RCランス
会場:スタッド・ルイ・ドゥ
得点(アシスト): 7分 オペンダ(D・コスタ) 38分 マチャド 41分 バディアシル(カイオ・エンリケ) 55分 フォファナ 78分 サイード(フォファナ)
ポゼッション率: モナコ 45% RCランス 55%
総シュート数(枠内): モナコ 12本(5本) RCランス 14本(6本)
パス本数(成功率): モナコ 416本(85%) RCランス 507本(85%)
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