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レビュー 22/23 リーグアン 第11節 モナコ×クレルモン

こんにちは。今回は10月17日に行われた、22/23 リーグアン 第11節 モナコ×クレルモン の試合のレビューをやっていきます。



この試合の両チームのスタメン

青:クレルモン 灰:モナコ



エンボロエンジン全開 相手の猛攻になんとか耐えて

前節のモンペリエ戦に快勝して、公式戦4連勝&リーグ戦5連勝と徐々に従来の勢いを取り戻しつつあったモナコでしたが、金曜日に行われたトラゾンスポルとのヨーロッパリーグの1戦は0−4のまさかの大敗。

メンバーをそれほど落としていない1戦だけに今後が少し危ぶまれましたが、この試合でもトラゾンスポル戦に先発したメンバーのほとんどがスタメンを果たしました。

トレゼゲがまた観戦に現れたこの試合では、右サイドに南野拓実が久しぶりに先発出場を果たしました。

守備では相手のWBにSBがあたりながらも、チームとしてあまり前からはいかずにミドルサードからのカウンターを仕掛けるという姿勢で臨みました。個人的には相手のWBへのコースを南野とゴロヴィンのサイドの選手が消しながら徐々に前からいく形の方が効率的ではあると思いましたが。

それほど目立った話題もないまま、迎えた17分。被カウンター時にカマラが相手のカウィを手で倒し、さらに足で踏んでしまったことにより一発退場処分に。カマラの悪気なさそうな顔を見る限り、厳しい判定だったとは思いました。

数的不利になったことで中盤のマタゾ、サイドのディアッタに代えられたのはベン・イェデルと南野。エースのベン・イェデルはこの交代に不満をあらわにし、南野はほとんどプレーしないままベンチに追いやられました。純粋なウィングを置いてサイドからカウンターを仕掛けるという目的でディアッタが入ったかもしれませんが、もしかすると南野は構想外の段階に入ってしまったかもしれません。

守備は4−4−1の布陣にしながら、攻撃ではあらかじめ左に流れていたエンボロのポストとゴロヴィンの運びを併用しながら前進しました。

そのエンボロの頑張りが報われたのが30分過ぎの出来事。カイオ・エンリケからのパスをうまくおさめて最終的に相手のファウルを誘ってPKを獲得。自ら蹴ったPKは一度は弾かれてしまいますが、こぼれ球を押し込んで数的不利の中、先制しました。

しかし、この先制点が相手のお尻に火をつけることになりました。相手が中央から攻撃に厚みをもたらし始め、中央では数的不利になっていたモナコは下がらざるを得ず、先制後はほとんどボールを握ることができませんでした。

相手の波状攻撃にも何とか耐えきり、前半は無失点で折り返すことに成功しました。

後半もエンボロに預けて何とか時間を作ってもらおうという姿勢は変わらずも、痛かったのは徐々にゴロヴィンのプレー強度が落ちてきたこと。左サイドでカイオ・エンリケとの連携面では良いものを見せましたが、キックの精度が落ち始めてしまいました。

ゴロヴィンの調子が戻らないままついに同点ゴールを許してしまう事態に。サイドでの勝負が増え始めたことで、ゴロヴィンはヤコブスに替えられます。

ほとんどボールを持てない展開の中、トップのエンボロまでもが精力的に守備をこなしますが、チーム全体として攻撃のリズムを生み出せません。

バックスの我慢強い守備もあって、相手の21本のシュート(枠内7本)を何とか1失点に抑えて数的不利の中で最低限の勝ち点1を得ることができました。

前の試合で4失点を喫していただけに、守備を頑張って、1失点に抑えることができたのはまずポジティブに捉えるべき点であると思いました。しかしながら、次の相手はここ最近調子を最高潮に上げてきたリール。

相手にはエンボロ以上にエンジン全開な選手が複数人いるため、激しい撃ち合いの構図になるかもしれません。いずれにせよ、守備の見直しからチームは巻き返していきたいところです。



1つの決定機から完全に流れを引き寄せる

前節はホームでオセールに勝利して、昇格組相手に連勝を果たしたクレルモン。この試合でも今季固まりつつあるフォーメーションでモナコに臨みました。

攻撃ではマニャンがアンカーとしてリズムを作り、前線と中盤の繋ぎ役として左サイドでカムが攻撃に絡みました。目指す形としては相手とほぼ同じで、相手のSBをWBでうまく引き出して、空いたスペースを狙っていくという姿勢でした。

そして16分に思わぬ出来事が。中央でボールを持ったカウィが一気に縦の速攻を仕掛けようとしたところでカマラに倒されて退場を誘いました。

数的有利になったクレルモンでしたが、まず最初に中央を厚くした相手を前にサイドにボールを集めることを優先しましたが、その影響で前線の2人が全く触れることができないまま、逆に相手に先制点を与えてしまいます。

問題だったのは守備のプレー強度。2トップが横並びの守備はただ人数を置くだけでプレッシャーを大胆にかけることはなく、ただ寄せるだけの守備で最終的にPKを献上してしまいました。

しかし、失点後にようやく決定機が訪れました。33分におそらくファーストタッチのキエイが楔を受けてから、カウィ、アンドリッチ、カムの前線4人が関わってチャンスを演出しました。

この決定機で流れを引き寄せたクレルモンは、徐々にボールの回りが良くなり、失点後は完全にボールを支配しました。

前半にあった波状攻撃の中で同点に追いつくことは叶いませんでしたが、それでも良いムードのまま後半を迎えることができました。

起点は楔を受けたキエイから始まり、攻勢を強めていた中で、53分に試合を振り出しに戻しました。マニャンのフライパスに抜け出したカウィの左足のシュートはニューベルに弾かれてしまいますが、こぼれたところをアンドリッチが右足で大胆に決めました。

一瞬の隙をついて同点にこじつけたクレルモン。横幅をうまく使いながら時折縦のアクションを交えて何度も決定機を迎えますが、アタッカー陣はこれをものにすることができず。

モナコ相手に負けなかったことはまず賞賛すべきですが、できれば勝ち切りたかった試合でしょう。しかし、今後はブレスト、ナントといった今季低迷するチームを相手にするのでここでは是が非でも勝利したいところでしょう。



10月17日 0時05分 22/23 リーグアン 第11節 モナコ×クレルモン

会場: スタッド・ルイ・ドゥ

得点: 31分 エンボロ  53分 アンドリッチ

ポゼッション率: モナコ 34%  クレルモン 66%

総シュート数(枠内): モナコ 6本(4本)  クレルモン 21本(7本)

パス本数(成功率): モナコ 316本(73%)  クレルモン 600本(90%)


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