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レビュー 22/23 リーグアン 第10節 スタッド・ランス×PSG
こんにちは。今回は10月9日に行われた、22/23 リーグアン 第10節 スタッド・ランス×PSG の試合のレビューをやっていきます。
この試合の両チームのスタメン
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縦の推進力は王者相手にも通ずることを証明
1ゴール1アシスト1退場という伊東純也劇場だった前節のトロワ戦。その退場により、伊東純也は今節のPSG戦含めた2試合の出場停止処分をくらって、この試合では出場することができず。
王者相手に対して伊東純也がどこまでできるのかという日本国内での期待も高まりましたが、ワールドカップ後の再戦で出場してくれることを願いましょう。
その伊東純也のいない前線では久しぶりにバログンとゼネリがトップに並び、そのまま守備は5−3−2の形で入りました。
FW陣は深追いした守備はせずに、中盤の選手は相手のCBにまでプレッシャーをかけました。その前から行く姿勢はPSGを苦しめました。
攻撃はサイドを幅広く使った攻撃でチャンスを広げ、前からの守備を生かしてショートカウンターにつなげ、シュートまであと一歩のところまでは幾度となくチャンスメイクしました。
前線は噛み合わないままボックス内には誰もいない
公式戦無敗を維持したままスタッド・ランスのホームに乗り込んだPSG。この試合ではスペイン代表のソレールとサラビアがシャドーで先発しました。
ヴェッラッティがアンカー気味に振る舞うのはいつも通りのことですが、それよりも気になったのがこの前線の組み合わせによるゴールの目指し方。
スペイン代表の2人は守備面でも貢献が期待できるアタッカーですが、攻撃時はソレールは左の内寄り、サラビアは右の外張りという状況の中で孤立しかけたエムバペは空いたお得意の左サイドでボールをもらうも、そうなるとボックス内には誰もいない状況を生んでしまいました。
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エムバペも得意のサイドで相手DFに完全に行手を阻まれ、シュートが20分以上打てないという時間が続きました。
前からくる相手の守備にも手を焼いて、攻撃の頼みはエムバペのスピードを活かした1発にかけるという様子でした。
セルヒオ・ラモスの退場劇はリーグアンでも
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少し劣勢に立たされていた中での41分。ペナルティエリア付近で持ち運んだロピをヴェッラッティが倒してしまいました。
このファールにヴェッラッティが抗議したところに、横から入ったセルヒオ・ラモスが激しい様相で抗議に参加してまず1枚目をもらいます。
それでも納得のいかなかったラモスは抗議を続けると、ピエール・ゲユースト主審は2枚目のイエローを提示し、ラモスを退場処分に。これにPSGの選手たちはさらに主審の抗議しますが判定は変わらず。
今季から審判の規定が変わって、カードの基準がより厳しくなったのはみなさんご存知のことでしょう。選手たちが抗議のために審判に詰め寄るシーンをなるべく少なくすることが目標としてあるようですが、抗議による退場は今季初の出来事。
サンジェリスタにとってはヴェッラッティが抗議してイライラが募ってそれがプレーに現れてカードをもらうことは見慣れた光景かもしれませんが、こういった形でセルヒオ・ラモスが退場するとは、、。
マドリディスタ含めラ・リーガファンの方々もラモス退場というワードを久しぶりに耳にしたかと思いますが、ラモスはマドリー時代よりはプレー面で少し丸くなった印象ですが、元気な様子は変わらず。この試合の1番の出来事でした。
勝てなくて悔しい、負けなくて何より
自分達が退場者を出すことなく、数的有利の状況で後半を迎えたスタッド・ランス。後半も変わらず中盤の選手の貢献度が大きい状況の中、サイドを中心とした攻撃を展開します。
しかしながら、ボールを握る展開になるのはスタッド・ランスにとっては苦手なこと。不慣れな状況の中で痛いパスミスを連発して、決定機を作られるなど、心臓に悪い時間が長く続きました。
その遅攻でうまくいかないと、いつもの速攻にも悪影響が出て、時間が経つにつれてカウンターの精度も低くなっていって最高の条件が揃った中で勝ち切ることはできませんでした。
後半からヴィティーニャが登場したPSGはCBの頭数を増やさずに、4−4−1の守備を敷きます。ボールを完全に支配されるリーグアンでは珍しい展開が続きましたが、相手のパスミスを狙って何度かチャンスにこじつけました。
早い段階でネイマールを投入してなんとか少ない決定機をものにしていきたいPSGでしたが、こちらもゴールを奪うことはできず。終盤にはハキミvsグラヴィヨンというバトルもあったほど、この試合は荒れに荒れまくりました。
スタッド・ランスはホームスタジアム内の期待が高まる中で勝ちたかった1戦。次節はこちらも開幕から好調のロリアンのスタジアムに乗り込みます。伊東純也は次節も出場することはできませんが、なんとかチーム全体で耐え切ってほしいところです。
PSGは負けなくてよかったという1戦。決して防戦一方という試合ではありませんでしたが、今季のリーグ戦で一番「負け」という言葉が頭によぎったでしょう。今後のチャンピオンズリーグや、マルセイユとの「ル・クラスィク」を踏まえるとチームはよく耐えたと思います。10月は日程がタイトになりますが、なんとか良い状態を維持していきたいところです。
10月9日 4時00分 22/23 リーグアン 第10節 スタッド・ランス×PSG
会場: スタッド・オーギュスト・ドゥローヌ
ポゼッション率: スタッド・ランス 36% PSG 64%
総シュート数(枠内): スタッド・ランス 24本(4本) PSG 11本(3本)
パス本数(成功率): スタッド・ランス 339本(84%) PSG 613本(88%)
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