地味ハロウィン2019 丁寧に分析してみた。あるあるネタ編
続いて地味ハロウィンの王道、あるあるネタを見てみよう。「あるあるネタ」は地味ハロウィンの仮装の原点で2014年の第一回地味ハロウィンの記事を見るとほとんどがあるあるネタだ。
この記事の参加者(仮装して写真に映ってる人)24人中、普段街で見かけたりテレビの画面で見たりしないマニアックネタは女子高専生、友達のライブを見に来たバンドマン、実はビールが好きな酒蔵の娘、身代金受け渡し現場で男子高校生になりすましている刑事、大島さんの4人だけであとはみんなあるあるネタだった。
このあるあるネタ、分類すると街角あるあると画面あるあるに分けられる。街角あるあるはそのまんま街歩いても普通に紛れ込んじゃうような「あ、こんな人いるよね」っていう仮装で2019の地味ハロウィンでは新宿のキャッチ、サボって地味ハロを見に来た警官(細かい装備もリアルすぎてちょっと引く。悪用されないことを祈る)、生保レディ、バックパッカーあがりのゲストハウスオーナー、店長みたいなバイト、百貨店のおせち売り場の人がいた。エスカレーターの手すりをきれいにする人は仮装の汚れが良かった。後で聞いたら美大の友人から作業着を借りたらしい。なぜか働いている人の仮装がみんな多い。
働いてる人以外だと失敗あるあると困った人あるあるが結構いた。失敗あるあるは寝ていて鼻血を出した人、トイレで紙がなくなった人、ビンゴ大会でリーチが出るけどあたらない人とビンゴでいらないものが当たった人がいた。今年の地味ハロウィンの渋谷会場は午前、午後、夜の全期間通じてビンゴ大会ネタが結構いた。ビンゴネタはパーティー用のビンゴカードを買えば成立するからお手軽だ。
困った人あるある(より正確には周りを困らせる人)は全体的に高打率。電車で折り畳み傘を持ち上げて座っている人に水滴を垂らしてくる女とバーベキューに来た手伝う気のない女の仮装はネットの反応が良かった。目立ちたい人おすすめです。
あるあるネタには街角あるあるとは別に、街を歩いていても見ないけど画面には存在する一群がいて、ここでは画面あるあると名付けた。画面あるあるはテレビ型とネット型に分類され、テレビ型はめざましテレビに出てきたハリウッドスター、テレビ番組の最後に提供の文字で目が重なった人、将棋番組の解説者と街を歩いても恥ずかしくない格好が多い。
ちなみにトップ画像にも使わせていただいた将棋の解説の方は去年は「何かの親善大使」をやってました。
ネット型画面あるあるはSNSでよく見る女(SNOWで盛っている)とかRPGのレベル1の勇者(個人的に好き)、プリクラで顔のパーツをハートで隠す女、地雷女、地下アイドル、爆発的にウケが良かったのが顔交換アプリが別のところに反応した人と水木しげるの漫画に出てくるサラリーマンの仮装。この人たちはネットで「盛る」行為を実写化しているわけで、歌舞伎役者が傾いているのをさらにテレビでアップで映すようなインパクトの二重盛りが発動していた。目立ちたい人おすすめです。
こうして見るとあるあるネタは地味ハロウィンの原点ともいえる存在で、みんなやる分、地味仮装の集団に溶け込んでしまいやすい、まあその分仮装がかぶった人と仲良くなれるけど。あるあるネタで目立っている人は作りこみが強力で物語性がある。やっぱり舞台の上で長々喋れる物語を持った仮装はそれだけ写真に撮ってもらえて拡散されやすい。ベルが鳴るギリギリまで粘ろう。
画面あるあるはインパクトと地味さのジレンマをうまく克服していて偉大だった。
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