見出し画像

水の星ヘ愛をこめて2020 ACL R16 マリノス VS 水原三星 プレビュー

タイトル復活!(どうでも良い)
水原三星だからと思ったでしょ?
まぁ、半分正解。昔を思い出してね。
もう半分は、作曲者ニールセダカの原題『For Us to Decide』(意訳:決めるのは俺達だ)の意味です。
絶対に誰も分からないから、これは解説入れないとね。はい。

見事!1位でグループステージを通過した我らがマリノス。
戦いは一発勝負のトーナメントに舞台を移します。

ここからは、『勝ち抜く』ではなく、『勝ち上がる』。
そう、あと4つ勝てば、アジアタイトルです。
バリバリ意識しながら、一つ一つステージを上げて行きましょう。

そして、R16から準決勝までは中2日の3連戦。
リーグ戦で日水土の連戦はやっているし、選手もリズムは分かっているはずです。今シーズンの苦しみを活かすなら、ここしかないという状況です。

そのR16の対戦相手は、水原三星ブルーウィングス。
マリノスと同じ、トリコロールがクラブカラーの韓国のチームです。
うん、トリコロールダービー。でも、決めるのは俺達だ!

ここまでのACLは4戦で3得点2失点。得点はいずれもセットプレー絡みです。
失点が少ないですが、果たして守備が堅いのか、それとも広州と神戸の攻撃に問題があるのか。
まぁどちらもでしょう。簡単に言えば相性の問題と、メンバー構成のあや。
過大に失点の少なさを意識するのは、恐れすぎだと思います。

水原の今シーズンのリーグ順位は8位フィニッシュ。
27試合で得点27の失点30。確かに失点は少ないのですが、リーグ戦の中身を見ると複数失点も平気でしています。そして、得点が上位にはなかなか奪えない。こちらの攻撃力のなさの方こそ、注目すべきでしょう。

ここでちょっと余談。
実は水原、2019年シーズンも同じ順位でリーグ戦を終えています。
38試合で得点46失点49。これだけを見ても過渡期なのでしょうね。
今大会のメンバー構成も、リーグ戦メンバーが一部いません。
セレッソ移籍の噂があるCFタガートとか。
若手を連れてきたという監督インタビューがあったので、翌年以降を考えて貴重な経験の場と捉えているのでしょう。

じゃあ、何故出場が出来たか。そう、カップ戦王者として出場しています。
去年の韓国カップ戦は全北と蔚山が、ACLとリーグ戦の過密日程の合間のFAカップで、早々に敗退しています。
そこで勝ち上がったのが水原。言うなれば、運のあるチーム。いただきましょう。その運。

去年のリーグ戦の成績を見れば、守備が良かったからではないというのが分かります。『守備がいいかも』、『カップ戦強い』という所だけ切り取って強敵だとするのは、早計です。
恐れずにマリノスのサッカーで、運命を掴み取ろう!

という事で、水原を細かく見ていきましょう。

水原三星のスカウティング

水原の布陣は532です。
攻撃時はCBが横に広がり、WBを高く上げて3142の様になります。WBは内にも入ります。その代わり2CFや2IHが外に抜ける事もします。

画像1



この状態で、見るべき攻撃の型は以下。

・ロングボールでWBに出せるスペースがあれば、まずはそこ。WBは相手のSBとSHの間に入って、両方を牽制。SBを釣れれば、その裏をCFやIHが狙う。

画像2

・ロングボールで2CFに当てる時は、そこで納めるよりも、セカンドボールの回収で勝負する形が多い。または、シンプルに裏抜けしてロングパス。特に11番はそこが上手。

・丁寧に後ろから繋いで行く時もあるが、それはターゲットが捕まっていて、IHが降りて来た時。また、ミヌは降りて11番は裏へというイメージが強い。
それでもロングボールを使ってしまうけどね。
なので、IHのビルドアップ関与はどちらか言えば非効率的。
現在CFのキムミヌは、IHとポジションチェンジする事も多く、これはミヌのパスを活かしたいという事でしょう。
ミヌは、シーズン中にWBをやったりしていたのですが、前述の通りメンバーがいない事もあって前線にいます。

・前に行ければ、WBと前4枚でクロス攻撃が基本。11番、キムミヌの順番でボックスに入り、遅れてIHが入ることで、マイナスのクロスコースもあります。
クロスと見せかけて、斜めのライン間へのパスをしバイタル攻略も狙いますが、やはりそこからが厳しい。クオリティの欠如です。上手くクロスが上げられなければ、逆サイドに展開。何にせよサイド攻略です。
なので、基本的には抉ってクロス。それだけなので、跳ね返すのは難しくありません。

画像3

水原は、最後のクオリティの欠如が本当に辛い。最終的にクロス攻撃になるのも分かりやすくて辛い。なので、攻め込んで来てもそこまでの怖さはなく、しっかり集中して最後の所を守れば、嫌なのはセットプレーくらいです。

そして、ビルドアップ自体は上手ではない水原なので、前から奪いたいマリノスですが、水原のデフォルトの攻撃方法がロングボールなので、中途半端はいけません。
前に蹴る事も出来ないくらいのスピードで、ボール保持者に押し寄せたいです。マリノスと水原のフォーメーションは噛み合うはず。図解

画像4

あとは、水原はロングボールを狙うので、攻撃時は間延びします。ロングボールを蹴られたとしても、マリノスがセカンドボールを回収出来れば、相手は3CBと1CHしかおらず、しかも3CBは広がっているので、奪ってから速く攻めれば、スペースはたくさんあるのでチャンスになります。

この様なチームなので、ボールを奪われた後の帰陣は速いです。もう、本当によく頑張る。後半はより辛い。よく勝ち上がってきたよ。
マリノスは、この帰陣よりも速く攻めたいのです。
これ、高野&テル&エリキだとやれそうな気がしませんか?

続いて、水原の守備ですが。532のゾーン守備です。
・32でボールサイドを塞いで、逆サイドはWBが前へ。

画像5

ミドルブロックもハイプレスも仕組みは同じで、これの高さが変わるだけです。

前目で奪われると、11番が間に位置取り裏抜けするのが上手なので、こちらの人数が揃っていても局所を壊しに来ます。
低い位置でのパスミスは気を付けたいです。とはいえ、フィニッシュは辛い水原。

あとは、ゾーン守備をどうするか。

ゾーンでもボール保持者には付いていきます。チェックマン以外の周りの選手は、ボールの位置で立ち位置を変えるゾーン守備を忠実にやるので、見事にボールウォッチします。
故に、攻略はとてもシンプル。
守備者を引き出して裏を狙うで良いです。横に預けて前、前に預けて横、裏とって縦が刺さります。要はワンツー。
そして、このやり方の泣き所はここ。

画像6

ここでWBを釣ってその裏や、そのスペースを埋めようとするIHの所を狙いたい。無理はしなくていいです。サイドチェンジを繰り返し、前の5枚を振り回せば、隙間は簡単に出来ます。水原は疲れているし。

そして、丁寧に隙間を突けば、最後はクロスで簡単に崩せるでしょう。何故なら、ボールウォッチャーだから!

最後に、ミドルブロックのチームですが、ヒキコモリロリンされる事も考えられる相手です。
引きこもられると辛いのですが、決勝トーナメントですから、無理してでも前に人数をかけて、こちらからオープンを作りに行けばどうにかなります。
これ、マリノスが身につける今年最後の型なんじゃないかなと思いますが、身につけず優勝する分には良いんだぜ!

試合に向けて

はい、スタメン。

画像7

マリノスは、全北戦のメンバー。
水原は、ずっと同じメンバーで戦ってきました。予想はそのメンバーですが、ひょっとするとキムミヌあたりを温存して、後半投入という線はあるか。勝負所をどこに持ってくるか注目です。

という事で、お送りしてきたプレビュー。

ここで終わるつもりはないですが、一応。
負ければ終わるトーナメント。
プレビューも、いつ終わるとも限らないゾーンに入りました。
こんなにワクワクする大会、次の試合が待ち遠しくなる大会は久しぶりです。

思いを込めて月曜日、どこかの画面の前で、あなたと共に。
最後の最後まで、今シーズンを選手達と共に戦いたい。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?