アンティークとヴィンテージ
古いものを指す言葉としてよく耳にする「アンティーク」と「ヴィンテージ」。
ジュエリーの世界でも日常的に使われる言葉です。
今回はこの、混同して使用されがちな二つの言葉の違いをまとめます。
アンティーク
アンティークとは本来、製造から100年経過したものを指します。
これは、東京税関のルールとして、100年が経過しそれを証明できる場合は古美術・骨董品とみなされ無関税になることが由来しているようです。
これは東京税関だけでなく、イギリスやアメリカの税関でも同じルールとなっています。
ジュエリーの世界では、1920−30年代ごろに作られていたアール・デコ期までのものをアンティークジュエリーと呼ぶことが多いようです。
この頃までのジュエリーは素材や技法にこだわって作られており、そこにアンティークとしての価値があると考えられるからです。
当店では1930年代のものに関しては、素材などによりアンティークと表記しているものとヴィンテージと表記しているものがございます。
その後1929年から始まった大不況や第二次世界大戦を経て、1940年代以降にはジュエリーの需要が高まったことや、すでに進んでいた工業化により、ジュエリーも大量生産のものが多くなっていきます。
ヴィンテージ
現在からおよそ20−30年以前、100年以内に製作されたものはヴィンテージジュエリーと呼ばれます。
ヴィンテージと呼ぶ年代の区切りは少しあやふやな部分がありますが、当店では1930−40年代から1980年代に作られたものをヴィンテージジュエリーと呼ぶようにしています。
それぞれの時代にそれぞれのスタイルがあり、歴史を感じられるのが1980年代ごろまでだと考えているからです。
最後に
他にも古いものを指す言葉として、「セカンドハンド(中古)」「リサイクル」などがありますが、当店ではこれらの言葉は使っておりません。素材や技術へのこだわりやそれぞれの時代のスタイルなどを感じられるジュエリーを表す言葉として「アンティーク」と「ヴィンテージ」を使用し、そういったジュエリーのみ取り扱うように心がけています。