カトラリー工場の超アナログな機械たちはまるで生き物のよう・・ ①プレス機
皆さん、こんにちは! ラッキーウッドの小林です。
今回は、世界に知られる金属加工のメッカ、燕三条のたくさんの機械の中で、一番の原点である、「プレス」機械のお話しです。
カトラリー(スプーン・フォーク)の製造でも、一番多く使用されるのが、
このプレス機。
単純な構造ですが、この機械は50~60トンくらいのパワーがあります。
硬いステンレス板から、最初のスプーンの形状を、ガツン! と一発で抜き取ります。
たった今、職人さんが、カトラリーの一番最初の工程、「地抜き」の作業を終えたところ。
彼はこれから、プレス機械のメンテナンスも行います。
写真の右下に「油さし」がありますが、それでギアやカムなど、いろいろな場所に機械油をさしていきます。
その機械油は、超アナログな機械たちの、いわば「血液」。
毎日ささないと、動きが悪くなり、音も大きくなり、壊れやすくなるのです。
まるで、生き物のようですね。
たくさん供給してあげるので、スイッチを入れてギアが回りだすと、
油が周囲に飛び散ります。
それを、うまく受け、職人や製品にかからないようにしているのが、各所に貼られた「段ボール」たち!
受けるだけでなく、吸ってくれるので、床に落ちず、余計な床そうじをしなくてすみます。
油を十分吸ったら、変えます。
そのように、とても良い仕事をしてくれているのです。
研磨機械のように、研磨剤 (植物性等自然由来の油でかためてあります)が、どうしても床に落ちる場所では、地元農家さんから分けてもらった「おがくず」を床にまいておき、
油とともに研磨剤やゴミを吸着してから、ほうきではいて回収します。
おがくずを使うなんて、新潟県ならでは! ですね。
だって、豊富にありますから(笑)
職人たちは、そういう知恵をたくさん出しながら、製造に少しでも集中できるように工夫しています。