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経理担当常務のデザインが業界に衝撃を与えた!? ~ラッキーウッド・ロマンス
皆さん、お疲れ様です! ラッキーウッドの小林です。
今回の製品紹介は、これぞ日本のスタンダードカトラリー!
ラッキーウッドNo.11600「ロマンス」シリーズ
18-10ステンレス/ミラー仕上
1967年生まれ。「デラックス」の次に大ヒットし、燕市のカトラリー業界に多くの影響を与えたデザインと言われています。
つまり、その後、同じ印象のデザインが非常に多く世に出たのです。当時の先人たちは、それが人気のバロメータだと言っていました。自他ともに認める、地域を一番けん引したデザインなのです。それが「デラックス」でなくて、この「ロマンス」なのが、非常に興味深いですね。
箸と合わせやすいのはもちろんですが、直線が多い日本の伝統建築にも相性が抜群です。
古民家や京都の町屋をリノベした、ふすまや障子、畳のあるお店で、本格的な洋食のシーンにおすすめです。また、例えば、帯をランチョンマットにしたものは、縦目の縫い方なので、とても合います。
海外のカトラリーは曲線のみで構成されているため、彫り模様入りの猫足の家具や手すり、ゴージャスな模様のカーテン等の洋風なインテリアに合わせやすいですが、直線の多い日本的なインテリアには合わせにくいのです。
また、直線的なデザインがあっても、極端にシンプルで、冷たく感じます。
金属製品を本当の直線で表現すると、非常に冷たく感じます。
このロマンスは、直線に見えて、実は大きなアールの曲線を使用。だから、直線に見えるのに、部品のような冷たい印象ではありません。
そのように、直線と曲線が融合し、バランス良く、自然に感じるのが「デラックス」から続く、ジャパンスタイルカトラリーなのです。
実は、「ロマンス」は当時の経理担当常務によるデザイン!
なんと、デザイナーによるものではないんです。
最初、輸出用として販売してみたのですが、海外で日本らしいデザインと受けたため、それなら日本で売るってみるかということになり、デビューさせたら大ヒット。そのように、ユニーク=個性的な経歴の持ち主なのです。
その「ロマンス」には、様々な職人技が隠れています。
①柄はストレートなのに手に優しくフィット。
実は、柄の表は平らですが、手にのる裏面は丸く仕上げてあるので、手当 たりはまろやかです。
②一番細い首の部分を厚くする「据え込み」という特別な技法で、
言わば、ゴルフの「スイートスポットを広げる」みたいに、一番細いところでバランスが取りやすくなっています。
③ナイフは超絶バランスで、持ちやすく、手の言うことをよく聞いてくれて、箸のように軽く使えます。日本の方のために、たどり着いた製法です。
④シンプルに見えて、柄のアウトラインに、ドット模様がさりげなくあしらわれています。 (日本の方はこの控えめな感じで十分エレガントさを感じていただけますが、海外の方はシンプルとしか思わない方が多かったです。)
実は、そのドットは凹みで表現されています。つまり、このデザインの製造金型には、反転した小さな突起がたくさん並んでいるということ。
なので、金型が消耗すると、どこかが痛む前に、たったひとつだけ、その突起が飛びます。それだけで新しい製造型を再生しなければなりません。
そのように、特別な技法や、職人泣かせの工程が多いロマンス。
経理担当常務は、会社の周りの土地が安い時に確保し、若い従業員たちの飲み代に消えていた給与から少しずつ天引きし、結婚した時に土地を買えるようにしてあげた人。その他にも、たくさんの伝説があり、多くの人や同業や地域を愛し助け、皆に慕われた人でした。
だからこそ、職人たちが彼のために総力を上げ、彼のデザインに同じく思いを込め、あきらめずに作り上げ、良い作品に昇華させたのだと思うです。
ご存命ならば2025年で110才。4代目と同じ年=当社がカトラリー製造を開始した1915年 (当社のカタログの右上に記されている数字が、その1915年から経た年数です。だから2025年の新カタログは No.110 ) に生まれて、そして、84歳の同じ年でふたりとも永眠しました。ラッキーウッドの価値を作り、支え、大きくした二大柱に感謝、そして合掌。
「ロマンス」は、手間がかかるものだからこそ、ロングランにつながったと、作る側からも納得し、おすすめできるデザイン。
フルアイテム26種を、50年以上経た今でもご用意しております。
イチゴスプーンやケーキスプーン、ソーダスプーンやメロンスプーン、グレープフルーツスプーンなどの昭和レトロアイテムも完備。
1968年グッドデザイン賞受賞。
今でもリピーターの多い、ラッキーウッドの「スタンダード」カトラリー!