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ドキュメント・桜花爛漫~全通への道~第4部:最後の難関を越え、約束の地仙台へ

(第3部:東京編はこちら

5月3日仙台。ツアー発表当初から、ここだけでも遠征したいなと思っていた場所。
FC先行でSチケットを確保している。これも抽選になりそうな申し込み状況だったようだが、運営が東京公演の落選祭りから学んだのか、Sチケットのキャパを広げて申し込んだ人は無事全員当選となっている。

東京が心配を吹き飛ばす好内容であり、そして仙台はそれを上回ることが確定している。わざわざファイナルを東北に持っていくのである。並々ならぬ覚悟である。
iSPYは過去にかなり東北にお世話になっているようだ。昨年だけで6回行ったという話を聞く。そのおかげか、地元のファンもついてきているようだった。なんと昔は地元企業との缶詰のコラボまでさせてもらっているらしい。

https://twitter.com/ispy_official/status/1780507866820153518

最後の追い込みとばかり、東京公演前から萩田こころの毎日配信が始まっていた。配信を見ながら期待感をさらに高めていく。行けない報告をするヲタクのコメントに被せるように、絶対行ったほうがいい、間違いないとコメントを入れる。新幹線が満席とかいう言い訳を見たが、行けない人は行けない報告するものではないというのはこの世の原理原則である。

1部の対バン相手のグローティアさんのラジオにゲスト出演させていただいた回も聴いて、これは1部から行ければいいななどと思い始める。大阪名古屋と遠征の1部はカットしたけれど、地元のアイドルとのツーマンスリーマンという形式は大歓迎。
前日昼12時頃に1部のチケットを取って、さて1部開始の時間に行くなら何時の新幹線に乗らなければいけないか。その日朝早くに野暮用があり、終わった後車で移動してどの駅から乗るかも考えなければならない。

ふと、新幹線満席という配信の時の行けないヲタクのコメントが気になる。
念のためJR「えきねっと」というもので検索してみる。
ちょうど開演前に到着できる新幹線は、グリーン車含め満席だった。
1本早めると、出発が間に合わない。というよりそれも満席だ。
1本遅くして、もう1本遅くして…時々グリーン車だけ空いている。
5月3日は、ゴールデンウィークの帰省のピークだった。
大阪も名古屋も、本当に出発できることが確定してから駅で切符を買ったし、人生これまで新幹線とはそういう乗り物だと思っていた。新幹線の予約などしたことがない。

いやこれどうする?
当日東京駅に行ってみて自由席チャレンジして、そこで詰むのはさすがに険しくないか?
数分考えた末に、えきねっとの会員登録を始める(そこから)。
30分ほど試行錯誤しながら、グリーン車が△になっている新幹線の便を選ぶ。座席指定の画面に移ると、空席は1つしかなかった。予約。
行けない報告をするヲタクも極稀に有用なことがある。
なお1部のチケットは残念ながら無駄になってしまったw

5月3日当日。朝の野暮用はトラブルなく終わり、いったん自宅に車を戻してから、電車に乗ってまずは上野駅へ。東北新幹線、上野駅発なんてのが今でもあるのも今回初めて知った。
上野駅で待っているがなかなか電光掲示板に予約した新幹線の情報があがってこない。なんと「山形新幹線がカモシカと衝突した」という珍事でダイヤが乱れている。

予約した新幹線の発車予定4分前になって、さすがに駅員さんにでも確認しに行くかと思ってたところに電光掲示板の一番下にテロップが流れる。
なんと、出発する番線が違うwダッシュで階段を昇り降りして、新幹線に乗り込んで出発を待つ。幸い2部には余裕をもって到着する新幹線なので、10分ほど遅れての出発は気にならない。

7年ぶりの仙台、PerfumeのCOSMIC EXPLORERツアー初日以来8年ぶりの5月3日の仙台に到着。開演までは余裕があるのでずんだシェイクを飲んだり商店街を散策したり。

商店街のそこかしこにピンクのツアーTを着たパティシエが散在し、やがて1つ所に集まる。
入場。

最初の曲が「僕とあの子とetc…」だと思うので最初ピンク振ってくださーい、というオタクの発案がフロアで周知され、オレンジではなくピンクを出せるようにしておく。

渾身のセトリ予想をして臨んだが、2曲目で早速2択を外して崩れる。「Dream Melody」か「STAGE!!」か、1部のセトリまで見てからなら「STAGE!!」一択に絞れましたね…
3曲目、ツアー固定の「このドキドキ♡なんですか?」でまたもやイントロ鳴ってから撮影可能曲となり、一瞬大阪でも撮可曲だったしスルーしようかと思いながらスマホを構える。
が、これもうツアー最後だ。ライブの動画撮影というのは基本的にはファンに動画を撮ってもらってSNSにあげてもらうことで拡散効果を狙っているものだと考えているが、今日はもうツアーファイナル。動画を見て気になってツアーに来てくれる人が一人でも増えればなどと考える必要がない。もちろん長期的に見ればiSPYの現場に興味を持ってくれる人が増える動画が良いのだろうが、この曲については大阪で撮影可能曲としてもういくつも動画が上がっている。
だったら今日は自分のためだけに撮ろう。

その後もセトリ予想は随所に2択3択外していくものの、東京公演で新体制初披露した「赤い果実のDestiny」「Starlight Signal」を両方やるという読み筋は当たり大満足。

ライブは期待通り文句ない内容だった。iSPYは全員のパフォーマンスが仕上がれば本当に素晴らしいライブを見せることがグループだと思っているが、今日がまさにその状態。

「僕とあの子とetc…」で始まるセトリパターンでは最後の曲「未来」まで終わり、メンバーが感想を言っていき、集合写真撮影もして、本編で終わらせるような雰囲気。このまま終わってしまう?いや最後なんだしアンコールやるでしょ!でも終わらせに来てるな…いやでもセトリ的に少なくとも1曲はアンコールに残してるでしょ…

最後の挨拶をして演者がステージからハケたその瞬間、間髪入れず!
「アンコール!」
声が聞こえてきた!これは何としてもやらなければいけない。このまま終わらせてたまるか!怒号のようなアンコールを響かせる。それをニヤニヤしながら撮っているスタッフw

数分にわたるアンコールの声に応えてメンバーが出てきた。事後に配布されたセトリ表にはないアンコール曲「iSPY」「青春Shower(2回目)」をやって、終了。

終演後Sチケット限定の特典会は打ち上げと称して水で乾杯!
その後の特典会。仙台まで無事に来れたらやろうと思っていた、最初で最後の大立ち回り「メンバー全員と2Sチェキを撮る」にチャレンジ!
列形成は通い慣れたカメイドクロック定期公演と同じ、A列(白青緑)・B列(赤黄紫橙)の2つに分かれる方式。現場の人気が誰かに集中している感じがなく、タイミングによって早くいけるか待つか変わってくるので、とりあえず個別チェキ券を全色持って、まずはA列を全員クリア。次にB列を黄色、紫と撮って…
「そろそろ最終案内となりまーす!」
えー噓でしょ、まだまかはと撮ってないんですけど?!
普段なら他の子行くときは最初にまかはと撮って、回ってからまかはと撮って締める、ようにしているのだが。Sチケット特典会のポストカード配布のときにお話しできたからと思って、時間制限もあるしA列から回り始めてしまったのだ。
残ってる赤「楠城ひめか」を先にいってコンプ優先するか、推しの「香月まかは」と撮りもれない方を優先するか…悩んだ末、推し優先で行く。ちょうど前に並んでるオタクがひめか推しだからサッと入れるだろう…まかは行った!痛恨のタイムロス!
ようやく回ってきたまかはとのチェキ撮影。それだけ来てくれるファンがいるってことだからね…という話をして。大阪の時は、後方彼氏面ポジションから見てオレンジのペンライトははっきり認識できるのは3本だった(別色と2本持ちの人も含む)。それが今日の仙台は、最前3人がまかは推し、3列目の自分の隣もオレンジ。ツアーを通して確実にファンが増えていた。
結局、最終案内コールから15分位は余裕があったので、その後ひめかも行けてコンプリートできたし、まかは2周目まで回せた。

その後オタクの打ち上げにも誘われていたので少しだけでも顔を出したかったものの、当日中に帰る新幹線の時間を考えるとちょっと無理があり、名残惜しくも仙台駅に向かい、「木の屋」さんの缶詰をお土産に買って、帰宅の途につく。

東北新幹線で一人晩酌しながら(東海道新幹線と違って東北新幹線には車内販売がある!)、ツアーのことを振り返る。幸せの余韻。ここまで連れてきてくれた推しに感謝。行きたいモチベーションが高いのが大前提でありそれがなければ始まらない。
しかしそれだけではない。全ての偶然が重ならなければできなかったこと。仕事の都合や家庭の事情やその他諸々で1つのライブだって行けたり行けなかったりするもの。行きたくても最初からあきらめざるを得ない日程の大事なライブ、チケットを持っていても前日に急な予定が入ってあきらめざるを得なかったライブなんて数えるのも嫌になるほど経験してきた。そもそも演者が無事にステージに立ってくれることだって奇跡である。
そしてツアーは体験価値。同じ空気を吸いながら、ステージの向こう側とこちら側で少しだけ違う景色を見ながら、二度とない季節を共に感じられるのは、ツアー全通する予算でチェキを100枚撮るのとは質的に異なる喜びがそこにはあった。

自分の人生、もう二度とこんなことはできないのかもしれない。もういきなり次の大イベント「まかはデビュー半年記念&神奈川凱旋」は仕事の都合で行けなかったりもするけど、これからも時々は、素敵な景色を一緒に見ていたい。

(おわり)

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