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【ネタバレ感想】映画『オールド』「時間という概念」「人生は短い」「製薬会社の実験会場」

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「面白い映画」です。M・ナイト・シャマラン監督のオリジナルストーリーではありませんが、見応えがありました。30分が一日という計算で人生が進んでいきます。当然ながら大人から順番に死んでいきます。死に方も様々です。溺死、墜落死、発作、老衰等々。

アメリカから南国カリブの島へリゾートへ来た人たちが、シークレットビーチに案内されて、奇怪な現象に遭遇します。シャマラン監督の独特の演出は最初から設定を明らかにしてくるところです。観ていると「絶対にどんでん返しがある」と予感させるのです。

けれども本映画『オールド』では期待したようなどんでん返しはありません。期待というのは「奇怪現象の正体」を暴くとか「特殊能力持っている人間との対決」を意味します。けれどもそういったわたしたちが「知りたい」ことに主軸を持っていきません。「時間という概念」を深く突きつけてくるのです。

「光陰矢の如し」のように人生なんてあっという間に過ぎ去ります。時間を有効に使わないと「勿体ない」と感じさせてくれました。それと、人は年をとると過去を懐かしむ生き物ということも描かれています。人生の終末には辛かった出来事や許せなかった人もすべて忘却の彼方へ消え去り、自身の人生を終えていくのだろうと、改めて認識しました。

ただ、映画の結末には賛否両論があるでしょう。原作とは異なります。謎のビーチでは世界の製薬会社が新薬開発のための実験会場となっていたのです。これはおそらく“コロナ禍”に包まれている世界の現状を揶揄しての表現と思われます。それはそれで良いのではないでしょうか。

何れにしても最後までスクリーンに吸引させる演出力は健在でした。


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