令和の歳時記 コゴミ
わたしは部類の山菜好きです。毎年、2月中旬から5月初旬までは兎にも角にも山菜を求めて、山へ入ります。
フキノトウから始まって、コシアブラで終わるという毎日です。いま私の住んでいる地域の山野で採れるのはコゴミです。
ゼンマイのように先っぽが丸くなっているとても可愛らしい姿をしています。
先日、大切な人と一緒に採りに行きました。森に囲まれたその場所は若干湿気が多いのですが、この季節だけはとても爽やかな風が吹いてきます。
初めての山菜採りに戸惑っていた彼女の顔は最後には満面の笑顔になったので、わたしも嬉しくなりました。
山菜を採る際は、一度引っ張るようにしています。理由は山菜の生きる力を感じたいからです。
こちらが引っ張るとコゴミは「抜かれたくない」と力を跳ね返してくるような気がするからです。
もちろん、これはわたしの勝手な妄想かもしれませんが、実際にやってみると「地球を引っ張っている」ような感覚を覚えるのです。
つまり、わたし自身が山菜を通して、地球を繋がって、ひとつになっているような一体感を得られるのです。
こんな自己満足をして何が得るのか聞かれても、何もありません。
ただ、何となくですが、自身に向かって「頑張らなくちゃいけない」とか、今でしたら地球の裏側である「ウクライナまで繋がっている」など感じるのです。
わたしごときが世界平和などと大層なことは言えませんが、コゴミも鳥も動物もわたしたち人間も同じ地球に生まれ育っていることは間違いのです。
山菜を引っ張ることで「繋がり」の大切さを享受するのと同じように、人と人との「繋がり」を大事にすることで、人間関係も良好になると思わざるを得ないと思います。
山菜採りという小さなことから、生きることの大切さがわかるこの季節って、わたしにとっては大事です。
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