【ネタバレ考察】映画『ホロコーストの罪人』「ユダヤ人について知りたい」「アウシュビッツは行きたくない」「平和な世界はいつ来るのだろう?」
重たい映画です。絶望的な映画とも言えます。映画全編に渡って「真っ暗」なのです。もちろん、戦争映画であり、ヒトラー・ナチスを描いた映画の多くは「アンハッピーエンド」になっています。
それはわかっています。毎年、必ずヒトラー・ナチス映画が公開されています。過去の大戦争を映画に残すことは大賛成です。
しかしながら、遠い地のノルウェーで起きた「ユダヤ人迫害」と「虐殺」の史実は知りませんでした。北欧諸国はドイツと距離を置いていたイメージがあったからです。
フィンランドはちょっと異なります。ドイツに協力した理由はソビエト化するのを防ぐためだったと聞いたことがあります。
さて、本映画『ホロコーストの罪人』は戦争映画ですから、平和へのメッセージを込めて作られていると思うのです。
しかしながら、平和へのメッセージを強く受け取ることが出来ませんでした。映画の構成に問題がある気がします。
まずわたしたち日本人は「ユダヤ人とは何者か?」について考える機会が少ないです。実際に彼らが「なぜ差別され、迫害されるのか?」について最初に描くべきです。
その後に「差別・偏見はいけない」「暴力・虐殺はもっといけない」と繋げて「21世紀はみんなが自由で平等で、平和で安全な世界を作ろう」と構成して欲しいのです。
一番大切なことは「平和である」ことです。それを最後の最後に訴求して欲しかったのです。エンディングでは「ナチスは悪い」「ユダヤ人は可哀想」を伝えるテロップが流れます。
もちろん、同情します。しかし、これでは被害者ビジネスと言いかねません。
映画は世界に平和をもたらす最高のメディアであると信じています。これからのヒトラー・ナチス映画を含め、戦争映画には未来に対して、「ポジティブ」な気持ちを抱けるような演出が欲しいと思います。
過去を水に流せとは言いませんし、水を上流に運べとも言いません。ただ、未来を明るくするための映画製作であって欲しいと思いました。
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