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好きな小説
僕は昔から目が非常に疲れやすく、また疲れると体調の悪化が著しいのであまり小説とか長いものを読まないのですが、そんななかで特にハマった覚えがあるのがこのシリーズです。
森博嗣さん、
工学博士であり、知る人ぞ知る人気小説家という面白い人物なんですが、
理系の思考回路を持ちながら文系の感性も持ち合わせた素敵な文章を書かれます。
ミステリー・SF・エッセイ、どれを読んでも最後にフッとかニヤッとなってしまうような読み応え。
このS&Mシリーズは、とある大学の工学部建築学科助教授である犀川創平(さいかわそうへい)という男と、その教え子の西之園萌絵(にしのそのもえ)というお嬢様大学生が主人公の、ミステリー作品。
シリーズ内の一作、『すべてがFになる』は、アニメにもなりましたね。
あれも良かったと思う。キャラデザもよかったし、特に犀川役の加瀬康之さんの演技が合っていた。
基本的には西之園が密室事件に巻き込まれて、それをめちゃめちゃ頭の回転が速い犀川先生が解決していくというシナリオですが、トリックについてはゴリゴリの理系的思考プロセスで書かれていながら、登場人物それぞれの人間模様・感情表現が繊細でうまく、「そうなるかあ」という驚きポイントがちりばめられていて、気づいたらぺらぺらページをめくっている魔力がある。
また西之園は犀川のことを異性として恋愛的に好いており、そういう側面から見たふたりの絶妙な関係性を眺めるのも心躍る。
このシリーズの魅力をあえてひとことで言えば、個人的には「おしゃれ」ということになるかなと思う。それでいて終始知的。
とある雨の日に、カフェでコーヒーを2回おかわりして3,4時間入り浸って読んでいたこともあるくらいです。
ミステリー好きの方、ヒューマンドラマが好きな方、まだ読んだことがないようでしたらどうでしょうか。
読み終えたときにしっかり満足感のあるシリーズですよ。
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