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どんなに人生観が狭くても生きてはいけるけど、

僕は家族に男がふたり居ます。

父と弟。

そのふたりの話なんですが、
ものすっっごく人生観が狭いんですね。

他人や世間に対して、自分の経験則・一般論・『常識』で計って決めつけるところがすごくある。

話してると、
あぁ、男だなとまじまじ思う。


こういうの分かりやすいのが体調や体質の話題。

一応家族ですから僕が体の不調で長年悩んでいることを勇気を出して打ち明けたことがあって、そんなときは決まって「それくらい普通だろ」「みんなそうだろ」「それくらい俺もあるわ」というノリで返答してくるわけです。

フケが異常に出るんだと話せば、「フケなんて皆出るだろ」

冷え性があることを話せば、「寒けりゃ冷えるのは当たり前だろ」

長年尿漏れがあることを明かせば、「俺も尿切れが悪いことくらいある」

といった感じ。

何を話してもそうなります。

眼精疲労と、単なる目の疲れの区別もつかない。


父には
「人間そんなに違わないと思うんだよなぁ」

弟には、
「また変なの飲んで」(漢方薬を飲んでるのを見て)

なんて言われたこともあり、ハッキリ覚えてます。



素晴らしいストイックさだね~

で、実際彼らがどんな素晴らしい人生を送ってきたかと言えば、

父は経営の手腕もなく会社を回し続けてたもんだからビジネスマンとして何も身についていなくて、会社でうん千万の借金をこさえて返済できなくなるし、困っても手伝ってくれる友人も居ない。

弟はなんにも挑戦せず、打ち込まず、めんどくさがってばかりいた成り行き任せの人生。バイトしたことも職探ししたこともない。底辺の工業高校出て、働きたくないと言って自衛隊に行き2年で辞め、そこでも職探しせず父の会社に拾ってもらって、たいして社会人スキルも身に着けずにきた。ムカつくことがあればちっとも我慢せず不機嫌さを全身で表現する(父と同じ)
。明らかに対人経験不足。それで、一人暮らしさえしてれば彼女くらいできると思うなんて言ってるんだから、笑えてしまう。

経済的にも、実績的にも、根性論説けるような生き方してないんですよ実際。


お前それじゃ人の話なんか聞けないよと思いますが、
他人からの説教は受け付けない性格なので、話ができない。



居ますよね、そういう人。

自分が経験していないことも有るんだ
という当たり前の認識が欠如してる人。

「そういうこともあるのか」と一旦思えない人。

人の悩み事を聞いたときに、
メンタルが弱いんだよ
自分ならそのくらい耐えられるぞとすぐ思うヤツ。

自分の精神力というのを妄信してるタイプ。


ああいうのってたいがいは触れてきた世界そのものが狭い経験不足で自己認識がおかしくなってるわけですが、中には、単純に気質の問題で、自分や他人の観察を極端に怠って生きてきてああなってる人も居ると思うんですよね。

いい学校出てようとなかろうと、不登校経験者だろうと、大企業勤めだろうと、無職だろうと、ある程度あたりまえに人間を観察しながら生きていたら、個体差や世間の広さや、自分の立ち位置くらい分かりそうなものです。

10代20代の恋愛経験がとても勉強になるのを、知ってる人も多いはず。

だけどそれができてない人が、大人にもたくさん居る。



要するに

どんな人間でも生きられる
人生観が狭くても生きられる

てことです。


犯罪に手を染めれば罰せられたり、文字通り人生終わったりもしますが。

そうでもなければ、どんなに人生観が浅くても狭くても、人格的に未熟で粗野でも、美意識がなくても、協調性がなくても、大人になることはできるし、生きていける。

ぶっちゃけ、生命活動をして、作業をして、歳をとっていくだけならば、人間性なんてどうでもいいものなんだと思いますよ。

本を読む必要も、たくさんの人と対話を重ねる必要もない。

繊細である必要もない。

ただそれじゃ、人間である意味とは?
と思います。


人間て、明らかにほかの動物とは違ってて、ほかの動物には持てない感情や感慨を持つことができる生き物じゃないですか。

かっこいい・かわいい・ウズウズ・ウキウキ・ワクワク・ヒヤヒヤ・渋い・儚い・切ない・哀しい・やるせない・恥ずかしい・味わい深い・懐かしい

いろんな感情を言語化できるし、

世間の広さ、季節の尊さ、人間の多様さ、他人の凄さ、ヒトの愚かさ、自分の未熟さやちっぽけさを感じて前を向いたり変わったりしていける。

これはさすがに人間特有のものでしょう。


せっかく人間に生まれたんなら、人間ならではの愉しみを感じて「これが人生かぁ」と思いながら生きなきゃ意味がない。

そしてそれを前提に生きないと人格は成長しない。
(弟がいまだにキレ症やド偏見を直せていないように。)


そこにこそ人生の意味はあると、僕は思うんですよね。

だから僕はそれを大事にして生きていきたい。

言葉が悪くて申し訳ないんですけど、30とか40過ぎてもそれが分からないバカは普通に居ますから、それは一定の距離を保つしかないですね。

この世はある程度どんな人間でも生きられるようにはなってます。

性格悪い奴が得して、いい人が報われないことも多々ある。

シリアやガザ見れば分かるでしょ。
自分ひとりのマインドで世界が変わるなんてことは無い。

横暴な奴が周り巻き込んで好き勝手やって死んでくこともあるし、
死んでからやっと凄かったんだと認められるような人だっている。

そんなもんです。



だから、繊細な人は自信もっていいと思います。

あなたは人間であることを生かせてる。
分かりづらくても、多分ずっと成長できてる。
人間である意義のある人生だと。

この人生観は、うまくいかず、周回遅れで惨めでカッコ悪い半生を送ってきている僕が、自分の人生や世の中に絶望・失望せず、他人に悪感情をぶつけるモンスターにならずに生きられている理由だろうなと思っています。


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柏木
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