キタニタツヤ "ずうっと一緒!"を聞いて
メンヘラだなぁが初見の感想だった。
確かこの曲のyoutubeのコメント欄で「キタニタツヤは歴代の元カノのSNSをずっと見てるらしい」と言うコメントを見て「あぁ…」となり、なんだか納得。
ここではこの曲の歌詞と私の勝手なイメージを書いていきたい。
ごめんなさい、とてもとても長いです。
《充電器を貸して!またあなたのせいであたしすり減った》
ここで言う「充電器」とはなんだろう。
安直かもしれないが、私は相手からの愛情ではないかと思う。また、充電器を“ちょうだい“ではなく、“貸して“ なのが、相手からの愛情は自分が欲しいと望まないと出てこないものであり、貸してもらっているものなので返さなければならず、自分だけのものにできないものだと暗示しているのではないだろうか。
“あなたのせいで“
相手は何か癪に触るような事をやらかしたのだろうか。
そしてまるで、あたしの愛情が足りなくなったのはあなたのせいなんだから、責任とってきちんと充電しなさいよ。とでも言いたげである。
《終電見逃してまたあたしのせいで帰れなくなった》
帰れなくなったのは、あたしがあなたの愛情をねだったせいなのだろうか。
《繋がっていようね、消耗戦に持ち込んで お互いに足を引っ張ったアオハル》
ここで言う “繋がる“ は心のつながりと体のつながり、両方として読めるのではないかと思った。
“消耗戦に持ち込んで“ 体のつながりはまだしも、心のつながりの消耗戦とは一体なんだろう。
双方が得をしないのに付き合い続けているカップルとかだろうか。それとも共依存に陥っていたのだろうか。
ちょっと待て、“アオハル“????
ここまでずっと成人済みの男女の話だと思っていたがアオハルとなると、もう少し若いのかもしれない。それとも昔の思い出を語っているのだろうか。
“お互いに足を引っ張った“ は得をしていないような描写なので、前述の、双方が得をしないのに付き合い続けているカップル説が濃厚になってくる。
《沈殿した思い出でずうっといっしょ!》
沈殿した思い出“と“ ではなく沈殿した思い出“で“
沈殿した思い出のせいで一緒にいられると言うニュアンスがかおる気がする。“沈殿した“ というくらいなのだから、とても重たい思い出なのだろう。
《参観日にだって誰からも見られていない気がしたんだ》
普通なら我が子に釘付けになるはずの参観日がそうではなかったらしい。あたしは、子供の頃親から十分な愛情を感じることができないまま育ってしまったのかもしれない。
《散々シニカって昼の街に期待しないようにしたんだ》
“散々シニカって“ 物事を悲観的に見てきたのだろう。自分が悲劇のヒロインでないと気が済まない人だったのかもしれない。“昼の街“ではそれが叶わないから、期待しないようにしたのか。
《そうやって守った孤独さえめちゃくちゃになった》
きっと、「そうやって守った孤独さえ “あなたのせいで“ めちゃくちゃになった」と言いたいのだろうか。
悲劇のヒロインぶった自分を満たすことができる唯一の場所だった孤独も、あなたが現れたせいで、中途半端にあたしに関わったせいでめちゃくちゃになってしまった。
もう、あなたなしでは生きていけないのに。
《あたしいつだって死にたくて仕方ない こんな顔大事にしたいと思えないもん》
元々自己肯定感が高い人ではないのかもしれない。
“顔“に焦点が集まっている。あなたに「可愛い顔してるんだから、もっと自分のこと大切にしなよ。」とでも言われたのだろうか。ここまでの話し方と“思えないもん“という可愛らしい語尾のギャップから、ここの歌詞は相手に向かって言っているのではないかと思った。少しでも可愛いと思われたい、という意識が語尾に出ているのかもしれない。
《共に過ごした日々が ささやかな幸せが かけがえのないトラウマになってたらいいな》
普通ならかけがえのない“思い出“と言いたいところを“トラウマ“と表現する。ここでのトラウマとは心の傷というよりも、幸せだった日々に囚われてしまえという意味の方が強いのではないか。ただの思い出として残るのではなく、さらに相手を縛り付けるものになっていたら良いのに、みたいな。
《はなればなれなんて誰かが吐かせたバグだよね?》
この曲で一番好きな歌詞!!
別れ話を切り出されたのだろう。普通、吐く(つく)と読むときは「嘘をつく」でよく使われると思う。しかし、ここでつくのは嘘ではなく“バグ“である。「あたしに対してあなたが嘘なんてつくはずない、でもあたしと別れてほしいなんてもっというはずない!!」と頭の中がパニックになった結果、出した答えが「誰かがあなたにバグを吐かせた」だった。これなら嘘はついてないし、別れたいのは誰かに言わされているだけで本心ではないことになる。なんとも身勝手である。早く解放してあげてほしい。
《あなたの一生の後悔として添い遂げるよ》
切実にやめてくれ。そしてお前は後悔として添い遂げて良いのか。と突っ込みたくなるが、彼女にとっての最適解はこれだったのだろう。人はマイナスな感情の方が忘れにくいと聞いたことがある。自分のことをよほど忘れてほしくなかったのだろう。執着心の塊のような女である。
《Q.大切なものって、なあに? A.今失くしたそれ》
“それ“に当たるものは色々想像できると思うが、今回はとってもチープで最悪な想像をしてみようと思う。
“失くす“は大切な人に死なれる意でも使われる。もし、あなたの愛情をあたしが独り占めできない理由が、あなたに想い人がいたからだとしたら。人は生きているうちは生き物として存在できるが、死んだらただの肉塊である。そうなると代名詞は一体どうなるだろうか。どんなに大切な人だったとしても、“それ“と呼称するしかなくなるのではないか。
あーーー嫌だ嫌だ。これだから深夜テンションは。
《あたしと間違いを犯しちゃったんだ 取り返しがつかないね》
そもそも、あたしに目をつけられた時点で取り返しはつかない気が…。しかも間違いを犯したのは“あたし“だけでも“あなた“だけでもない、“一緒に“なのがまた嫌ですね。
《健やかなる時も病める時も グロい履歴の中でずうっといっしょ!》
ここでの“グロい“は気味が悪いとか異様というよりも、“見ていられないほどひどい“のようなニュアンスがあるのではなかろうか。履歴と聞いてすぐイメージできるのは検索履歴だが、今までの人生の履歴とも取れるのではないかと思う。グロい履歴って一体どんな酷いことになっているんだろうか…。
そんなことを結婚式の誓いのノリで言われても恐ろしくて困っちゃうね。
長くなりすぎたので1番でやめておきましょう。
読み込めば読み込むほど人間のドロドロした嫌な感情を煮詰めました!みたいな歌で面白いですね。そんな歌詞を爽やかめなサウンドで歌い上げてしまうキタニタツヤさんはすごい。