新学期スタート! ~演劇やりたきゃ他のことせぇ!?~
2024年度後期が始まりました。
私にとっては大学最後のシーズンになります。
単位の取りこぼしがあったら卒業できないので、先日友達と、玉入れの結果を数えるみたいに、成績表を見ながら「1,2…」と単位数を確認しました(笑)
カウントの結果、教職の授業をあと1つとって、卒論を書けば卒業できることが分かりました!予定通りでホッとしています。
あと何個か興味のある授業を取ろうかなと思っています。
後期は卒業公演の稽古を行いながらの勉強となるので、しっかり両立できるように頑張ります。
まぁ、4年生は授業数も少ないですから、両立はそう難しくないのですが、すごいのは卒公に参加してくれる後輩たちですよ。特に1,2年生は授業ぎちぎちですからね。
私も2年生の冬公演の時なんかは、授業も多かったし、演出という立場だったのもあって、かなり忙しい日々を送っていたのを思い出します。
でも、どちらかがおろそかになるということは全くなかったです。
なぜならはちの巣座は、学業と稽古・小屋入りを両立することに重きを置いているからです。
事前に全員の授業の予定を調査して稽古日程を組んだり、小屋入り中も授業時間を避けて担当シフトを組んだりしています。
これ、一見すると演劇をセーブして授業も頑張れるようにする。演劇は妥協して学問の単位を落とさないようにする。みたいなシステムに見えるかもしれないんですけど、逆だと思います。
演劇だけが命!演劇頑張ってるから授業切ってもいい!留年してもいい!みたいな集団は自己満足の芝居しか作らない印象です。やたら気合いが入った感じでぱっと見は綺麗だけれども、魂に来るものがないというか。でもやってる側は楽しそうなんですよ。それが演劇って呼べるのかなと疑問に思います。
なぜそういう有様になるかというと、稽古場に籠って、演劇のことだけを考えて、とにかく目に見える表現を完璧にしようという練習をしているからなのかなと思います。
そうではなくて、授業やその他の活動も両立してしっかり全力でやる、そして演劇も頑張る、という集団の方が深みのある芝居を作ることが出来ると思っています。
なぜなら、演劇のエネルギー源は演劇の外にあるからです。
劇世界の「元ネタ」は演劇界の外にある実社会な訳ですし、演劇を観に来られる方も実社会の人たちです。
稽古場や劇場の外の世界をしっかりと懸命に生きている人が、そのエネルギーを劇場に持ち込んで、詰め込んで、それをお客様にお見せするから、舞台は輝くのだと思います。それが役としての演技には直接現れなかったとしても、奥にオーラとして潜んでいる「誠意」として必ず感じられるんですよね。この誠意があるかないかで、舞台の印象はだいぶ変わってくるんです。
実際、私も脚本を書いたり役を演じたりしてきましたが、演劇世界の中だけで生きていたら、そんなことは不可能だったと思います。
全て土台は、演劇の外の生活です。
もちろん、観劇をたくさんして勉強もしますよ。でもそこで良いなと思ったものをそのまま持ってきても、自分のものにはなりません。土台は全て自分個人の生活。自分という存在を削って何かを生み出して行って、ある形として表出する段階になって初めて、観劇の際気に入った演出や演技が生きてきます。だから絶対にスタート地点は誰でもない自分の普段の生活な訳ですよね。そこをしっかり持っているかどうか。自分の人生がしっかりあるかどうか。それが原点にして最も大事なことなのではないかと思います。
とにかく実生活が大事ということです。で、はちの巣座は学生劇団ですから、学生としての実生活をしっかりしようじゃないかと。
元々こういう意図なのかは分かりませんけれども、学業との両立は大変しやすい気風です。これは卒業公演でも徹底したいと思います。
両立っていうのは、両方ちょっとずつ手抜いて二つできるようにすることじゃなくて、相乗効果でどちらもよりよくすることなんですよね。
私も実際授業を受けたり発表の準備をしたりする中で新しい知識や感情に出会ったことはたくさんありますし、それが直接演劇のヒントになったこともたくさんあります。演劇で得た視点が自分の勉強に生きることも多々あります。
何より、狙ってやってなくとも、手を抜かずに勉強やら何やらしていると…つまり誠実に人生を生きていると、それがオーラになる訳でね。
そういうつもりでやってます。
あ、上記のこと全て「※一部の天才を除く」という注を付けておきます。
舞台をやるために生まれて来て、舞台に立った途端とんでもないオーラを放って完璧に演技をするみたいな天才がいれば話は別ですけど。
少なくとも自分たちは天才ではないので、普段の生活をしっかりと生きるということから何かを生み出して行かないといけない訳です。
ということで、後期も楽しく頑張ります。
後輩たちの方が大変だと思います。心の中で応援です。
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