恩を売りたい症候群
たとえば職場で。
明日、人手が足りなくなることが分かったとします。明日休みなはずの誰かが出なくてはならない。他の人は、「私、用があって…」「僕も」「私、最近連勤気味だから…」と言う。最後の一人になったあなたは、明日久しぶりに友だちと会う約束をしているけれど、日程を変えてもらうこともできる。そんなとき…?
たとえばPTAの委員同士で。
「会議に一人出なきゃいけないんだけど、私はその日どうしても行けないの。誰か代わってくれない?」とリーダーが言う。
「その時間帯じゃなければね。うちの子、とても置いていけないのよ」と誰かが言えば、「私はパートがあるわ」と誰かも言う。あなたもその日、親を病院に連れて行く予定だけれど、予約日の変更もできる。そんなとき。
①「わかった、私が出るね」と潔く言う。
②「私も用があるの。でも何とかするよ」と言う。
③「私は◯◯があるんだ」と用事の内容を言い、誰かが調整してくれるのを待つ。
はい、タイトルからご推察の通り、私は到底①はできない。若い頃は、やっていました…。でもそれは、自分の評価を上げるため。結局都合の良い人になっただけで別に評価は上がらなかった。14連勤しようが21連勤しようが、誰も気に留めてくれなかったのです(時代的に、それを止める制度もなかった)。
話を戻して。
本当は、私は③を選びたいのです。何故なら、それはリーダーの仕事でしょと思ってしまうから。一方で、その気持ちを堪えて選ぶのは②です。何故なら、リーダーの気持ちがわかってしまうから。
全員用があると言った、その用事の大事さはハタから優劣をつけられるものではない。全員に断られたリーダーは、「じゃあAさん、その用事調整してくれる?」と言えるはずもなく、困るんだろうなぁと考えると、②になるのです。だからいつも、何か貧乏クジ引かされたような不満が残るんだよなぁ。(ちなみに言い出すのが最後じゃなくてもこのパターンになります。最後でも③を選ぶ人は選ぶのです。)
でもちゃっかり、「私だって用事があるところを頑張るんですから!」とアピールはするようになったのでした。
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