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2024.12.30 Straight Up Tour Extra @Zepp Haneda
よくある雑談のうち「一番好きなバンドは?」という質問は、最も回答が難しい。
雑談なのだから全員が知っていそうなアーティストを言えばその場は凌げるのだが、仲の良い友達や音楽好きの友達(かつ、この話題がその場しのぎでないとき)にはPTPが一番好きだと返していた。
このように返すと、デリケートな話題に触れてごめんって顔をされたり、このバンドは伝説だよね、Kが生きてた頃のライブを観れてたんですね、といった感じで、非常にセンシティブな話題として解釈されることが多かった。
これは相手が私に配慮してくれていることが伝わってくるのでありがたい気持ちがある一方で、私が好きな曲はTrainとReflectionで高校の頃に~~~とか、初めてライブで観たのは18歳のときであの時のMCは~~~など、ライブの予定こそなくても「現在活動しているバンド」と同じような話題を手元にスタンバイしているのに、ここまで話が発展することはほとんどなかった。
こちらも雑談で相手に配慮させるのは申し訳ないので、この手の話題になったときには、(質問の回答にはなってないが)最近はBONEZのライブによく行っています、と返すことが多かった。
2024.11.10のStraight Upファイナルの羽田で本追加公演が発表されたとき、12/30という日付からして何か特別なことが起こるかもしれないとみんな思っていたはずだ。
絶対に行く!!と宣言したもののチケットは確保できず、最終先行でようやくチケットを手にした。ハイになった私は、Kの腕にも入っているOLDE ENGLISHというアメリカのビールを取り寄せ、ライブに一緒に行く友達と開演前に飲もうと約束した。
よくよく考えたら3人とも生粋のRIZERだけど有無を言わさず付き合わせた。
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Weight of my prideをSEにして登場したDragonAshのライブは今まで見たDragonのライブで一番良かった。
いつも一緒にやってるメンバーに花を持たせるケンジが、この日はDragonのファンにも花を渡していた。
ケンジが曲中ファンに向けた言葉は割愛するけど、バンドをやめずに続けていてよかったと思う気持ちと信頼が伝わってきた。
純粋にこの言葉をもらったファンは幸せだろうなと思った。
ケンジの言葉で花が咲き、やがて森ができると本気でそう思った。
BONEZはいつものSEでいつものライブをしてた。JESSEはPTPのTシャツを着てた。
アダムかなんかでStraightUpの旗が客席に投げ込まれた際、キャッチしたファンたちが取り合いしていると「誰のにするか揉めてんじゃねー!!」とかいってジェシーが旗を取り上げててめちゃくちゃ笑った。
そのぐらいいつもの楽しいライブだった。
sunforever以降のセトリを見返すとわずか6曲なのに信じられない熱量だったことが分かる。
ライブを観ていて精神的に気絶するかもと思ったのは初めてだった。
本気でこちら側の受容器がぶっ壊れる直前までいった。
ライブ終了後、放心状態のナマハゲを見ながら何か言えよと思いながら数分ぼーっとした。
11年前、ZeppTokyoで観た彼らは苦しい顔でKがいないライブをやり切った。ライブ中その光景が何度かチラついたけど、今日は一瞬たりともあのライブで見た表情の面影はなく、それが嬉しくて涙が出た。
最後のStraight UpではPABLOがギターを持って出てきた。
PTPを休止してから、つよぽんとザックスはBONEZという同じバンドで、どちらかというと仲間で楽しいことをするのが大好きってスタンスなのに対し、パブロはどちらかというと技術大好き職人タイプで、メンバーとして携わるRavenはあるもののサポートでの活動が多かった。
映画の言葉を借りると、パブロは敢えて人生に余白を残してギターを楽しむみたいな(端から見たら余白なんてないほど多忙に見えるけど)、そんな風に見えていた。
ここ10年、ずっと仲間であることは変わらないけどそれぞれのスタイルを持って両者は別々の道を歩んでるなと思ってた。
時間が経つというのは良くも悪くもこういうことなんだと。
Straight Up~Picturesで3人の音が聞こえてきたとき、一見別々の人生を歩んでいるように見えても、音は全くそうじゃないとはっきりと分かった。
今一緒に活動してなくても楽器持って集まりさえすれば、1秒で一緒にいたときの音を出せるんだって分かった。
この事実を知れて本当に嬉しかった。
ブレアでPTPを観た人はこんな気持ちだった?
KのためにBONEZはいろいろな仕掛けを用意して曲を演ってくれたことが、巡り巡って今生きている人のためになってると思った。
こんなにKを想って歌われたショーだったから薄情と思われるかもしれないけど、私はこのライブ全編において、今のBONEZ、PABLO、Dragon Ashの姿を見ていた。
こんなことわざわざ言わなくていいし、決めなくてもいいことは百も承知だけど、今もし「一番好きなバンドは?」と聞かれたら私はBONEZだと答えたい。
PTPのことがずっと大好きで原点なことは変わらない。
PTPのライブや高校生の頃の思い出は一つも消えない。
けど私は今を頑張ってるバンドの生き様を肯定したいと思った。
私なんかの言葉で森はできないけど、私も彼らに花を渡したい。
アストロツアーの当時の感想に「BONEZは素晴らしいバンドだから近い未来、PTPのことやバンド誕生のストーリーを意識しないファンがたくさんついてほしい。私が願わなくてもそうなるはずだ」と書いていた。
まじでそうなった。
バンドの生い立ち関係なく、BONEZがただそこにいたからファンになった人は大勢いて、その中でBONEZというバンドが一番だというファンもいるし、BONEZが始まってから生まれた小学生のファンだってついている。
こうなった今、私の一世一代の宣言なんて今更で無意味でどうでもいいかもしれないけど言うよ。
私の一番好きなバンドはThe BONEZだ。