「やり残した宿題」
これはもう、この歳になると山ほどありますなぁ。
学校の宿題なら「やってません!」で叱られてお終い
でも人生の宿題は誰も叱っても褒めてもくれない
提出期限は 人生が終わるまでの期間
皆さんには ありませんか? やり残した宿題
古い記憶を探れば あれもこれも みーんなやり残してばかり
誰かには くだらないこと
でも 自分には とても大切なこと
読んでない本 聴いていない音楽 いまだに完コピできないギターソロ
行ってない場所 見たことのない風景
投げかけられない 優しいことば
助けてあげられない 障がいを持った息子
これ 全部 やり残して あの世に行くのかなぁ
ゾッとしますな
全部完璧になど もう時間がありません
だからこそ
何か一つでも ちょっとしたことでも
宿題 やろうさ
誰かのため じゃなくて
自分のため
昨日 やっと果たせた宿題の一つ
白杖を高く掲げた方をお見かけした
これが人生で 二度目だ
昔 見てみないふりをして 通り過ぎた
今度こそ
急いで駆け寄った
「何かお困りですか?」
「〇〇駅まで 行きたいんですが」
「それならすぐ近くですので ご一緒しましょう」
「肩をお借りしてもよろしいですか?」
「どうぞ どうぞ」
歩くの すっげー早!
改札までご案内して 駅員さんに 後を託しました
小さな 小さな 宿題が
一つできた
「こんな簡単なこと なぜ通り過ぎたのか?」
絶望的な後悔の中に
豆電球 ひとつ
灯った気がした
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