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10/30〜11/3:学祭前後のこと

10/30(水)
学祭準備の前日。
私には大きなミッションがあった。ひとつは鍵の貸し出しについての書類を17時までに提出すること、もうひとつはパンフレットを印刷すること。
授業に出るには手遅れの電車に乗って、「このサボり癖も学祭が終わったらきっと改めるので、どうか今は許してください」と特段信仰もしていない何かしらの神様に願う。日本人ならではって感じがする。すみません、今は少しでも体力を温存しておきたいんです。
パンフレットの印刷は量が多いから本来ならしかるべき所に頼むべきだったけれど、時間がなかったのでコンビニのコピー機を利用した。まとめてやると迷惑がかかるので5、6ヶ所ほどを行脚する。これのために両替した2万円以上の小銭も大量の紙も想像以上に重くて、トートバッグで来たことを後悔した。完成したものを明日自分ひとりで持って行くことに気付いて遠い目にもなった。頑張れ私の肩。
重い重いと言いつつも、学祭後に後輩に引き継ぐ時に必要そうな資料もついでに印刷しておく。今なら学祭用予算で計上できるし。データ配布の資料を事前にリストアップしておいた過去の私も、後輩のためにわざわざ印刷する今の私もえらすぎる!


10/31(木)
学祭準備日。
午前中に展示物の準備を済ませ、午後から教室の設営をする。実行委員に頼んでいた物品が教室に届いておらず、怒ったり呆れたりしながら問い合わせをする。
学祭実行委員とは毎年揉め事が起きていて(大抵はあちら側のミス)、昨年は書類まで失くされて先輩がカンカンに怒っていたのをよく覚えている。今年は書類仕事は滞りなく終えられたので少し油断してしまった。悔しい!でも慌てながらも相手を責めない丁寧な文章を送れたのは我ながら偉かったと思う。
しかしチャットだといくら待っても対応されなかったので、責任者を呼び出して直接申し立てる。今年から仕様が変わったが説明不足で私たちに伝わっていなかった、実行委員も人手が足りないのでどうにかしてサークルの方で運んでくれ、ということだった。仕方がないので大人しく運ぶが、最初からもっとちゃんと説明してくれよという念が絶えない。
しかも割り当てられた物品が故障していたので再び丁寧な口論をすることになった。こちらに非が無いことを説明して回収・退散してもらう。
実行委員の責任者の人たちには、何か問題があると状況確認よりもまずサークル側を疑う人が多くて嫌になる。元々壊れていたり、元々付属していないものを「壊したんですね?」「足りませんが?」と言われてしまうとこちらも戦うしかなくなってしまう。どちらも疲れているんだからもっと穏やかにしようよ。
幹部が戦っている間、後輩たちは指示に従ってテキパキと、想像以上に働いてくれた。急遽発生した重たい物の運搬もしてもらって、申し訳ない!助かる!という気持ちでいっぱい。学祭で後輩の印象が変わるのは毎年のことだけれど、今年もそれを実感した。これまで諦めかけていた人にも信頼感が湧いてきて、なんだよ君動けるんじゃん!となる。嬉しい変化。
夜は幹部4人でガラガラのファミレスに逃げ込む。写真はこの時のもの。こんなにクタクタになってるけど本番は明日からで、思ったよりやばいね、私たち大丈夫かな?と笑い合う。笑えるならまだ大丈夫、大変だけどまだ楽しい。
この代は仲が良くて本当によかった。
1つ上の先輩たちはこの時期に喧嘩してピリピリしていたし、その代の会長は優しい人だったけど周りに目を遣るのがあまり得意ではなくて、その分気を遣いまくった。ひどく疲れたし苦手意識があるので、私は絶対にああはならないぞ、と誓っている。がんばるぞ!


11/1(金)
学祭1日目。
平日なこともあってか外部からくる人が少ないので、お客さんはサークルの人の知り合いが多かった。私の友達も何人か来てくれて、わざわざ足を運んでくれたことがひどく嬉しい。付き添って解説をしながら一緒に展示を回る。
この日は緩やかに終われて少し時間ができたので外の出店も見に行けた。具沢山のポトフとできたてのチュロスがすごく美味しかった。一緒にいた友達の希望でお手製のプリクラが撮れる出店にも行った。博打のつもりで撮ったら案外ナチュラルに盛れてて驚きながら高校生みたいにはしゃいだ。
学校を出て友達と別れたらなんだか気が抜けてしまって、スーパーでご飯を選ぶのにもかなり時間がかかってしまった。泊まらせてもらう友達の家に帰る時もぼんやりしていたけれど、ぼんやりしたまま寝支度まですべて終わらせられたのは良かった。


11/2(土)
学祭2日目。
雨が降っているので想像よりもお客さんが少なかったが、その分OG・OBの人たちが沢山来てくれた。久しぶりの人も初めましての人も交えて例年の様子やトラブルの愚痴を話したり、今年の展示と対応を褒められたりする。
終了後、気が付いたら男子にメイクをする流れになり、少しハイになりながら私と友達とで2名を可愛らしく仕上げた。餌食になった男子たちはそれぞれ顔が良くて、うちひとりは幹部だったこともあり遠慮なく楽しませてもらった。
展示と一緒に行っている着付け体験の女子衣装を着せて、なぜかあったウィッグも被せて撮影大会になる。本人たちもノリノリで様になっていて、私のスマホを友達に預けたら写真フォルダが女装で埋め尽くされていて少し引いた。
解散後、幹部3人(メイクされた男子は帰った)で先輩方の飲み会にお邪魔させてもらった。この飲み会は例年行われていて、これを楽しみにして学祭を頑張ったまである。サークル内では上級生になってしまったがこの場では下級生なので、お酒の力も借りて容赦なく後輩として甘えまくる。おねだりして先輩の恋バナを聞いたり、おすすめされた日本酒をちびちびがぶがぶ飲んだり、強風の中で煙草に付き合ったりした。
普段は校内の喫煙は禁止されているけど今はお祭りなので先生も目を瞑ってくれていて、特別感と背徳感がすごかった。真面目そうに見えるのに吸ってるんだ!?と驚かれて愉快だったし銘柄を教えたらさらにウケた。余計に可愛がってもらえたので、煙草を吸っててよかったなぁ、としみじみ思う。


11/3(日)
学祭3日目。
昨日と打って変わって晴天。最終日、オープンキャンパス、3連休の中日ということが重なって、大盛況でてんてこ舞いだった。広報の人が来るのは予想してたけど、学校と提携している会社から取材の依頼まで来て、驚き慌てながらありがたさでぺこぺこ頭を下げる。断るつもりは全く無いし会長なので私が話すけど、数年前に取材を受けた先輩が「インタビューの先輩」として広まっているので私もそうなるのか…?と少し怯えている。
伝統装束の着付け体験は毎年大好評。でも今年は新しく作った大きな模型を褒めてくれる人が多かった。制作担当の人が1日目の開場時間ギリギリまで調整していて、少しでもお披露目の時間を長く取るために展示時間を延ばしていたから、アンケートにたくさんのコメントがあって嬉しくなる。ただ、どのくらい延長するか悩んでしまって、告知が急になりサークルメンバーに迷惑をかけてしまったのが申し訳なかった。悩んだらすぐに幹部に共有して相談できたのはすごく良かったけど、この優柔不断さは一番の反省点でもあると思う。スパッと判断できる会長でありたかったなぁ。
展示中、2つ上の先輩が来てくれた。ふたりとも遠方だし引退してしばらく経つのに片付けまで手伝ってくれて、ありがたさと申し訳なさでにこにこぺこぺこしていた。
片付けでは大勢の後輩に指示を出さなければならなくて、幹部もそれぞれ動いているので頼れなくて、なにより肉体も精神も疲弊していて。そんな時に寄りかかれる存在がいてくれてとても心強かった。そこに居てくれるだけでありがたかった。
この先輩ふたりは私がサークルに入ろうと思ったきっかけで、頭が良く優しく安心感があり偉大でビッグラブな人たちで、これまでにもたくさんお世話になった。今回で愛が一層増した。

片付けも終わり解散すると、まるで身体の中がからっぽになってしまったみたいにすかすかの気持ちになってしまった。
寂しかった。終わってほしくなかったものが終わってしまって、皆帰ってしまって、構内はしんとして静かで。無事に終わった安心感と脱力感、寂しさ、疲れ諸々が押し寄せてきて、泣いてしまいそうだった。
本音を話せる幹部も今はいない。ひとりは恋人と帰宅し(なんて羨ましい!)、ふたりは他サークルの様子を見に行った。ここに残っているのは苦手な前会長だけで、気を遣う人と疲れている時に一緒にいたくないので早く帰ってほしいのだけど、わざわざ手伝ってくれたので無碍にもできない。しかもこの人は嫌煙家なので一緒にいると煙草が吸えなくて辛い。
ひそかに困っていると、前述の幹部ふたりがたまたま戻ってきた。煙草一緒に吸わん?と言われ、煙草と聞いて顔を顰めた前会長はひとりで帰宅した。これで前会長に私が喫煙者だとバレたけど、もうどうだっていい。
3人になってひどく安心して、一緒に煙草をぱかぱか吸った。居酒屋を経てカラオケでオールした。準備から4日間も出突っ張りでこんなに疲れ切ってるのにオールするとか阿呆みたいだね、でもこんなことできるの大学生のうちだけだよね、とか言い合いながら、皆眠たくて仕方がないのにずっと話していた。ふらふらしながら早朝の電車に乗って、寝過ごさないでねと声をかけ合いながら乗り換えの駅で別れた。不思議と寂しくなかった。元々知り合い程度だったのが恋愛とか関係ない好きな人たちになったんだなぁと思えた。愛おしかった。


______________________💠BGM
さらまっぽ / 離婚伝説 - 離婚伝説

今年の春から離婚伝説にハマっている。
内容や雰囲気から今回は「さらまっぽ」を選んだが、個人的な一押しは「愛が一層メロウ」「メルヘンを捨てないで」。
ぜひとも聞いてほしい。

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