『同志少女よ、敵を撃て』-戦争に向かっていく少女のリアル-
「なんで戦争に向かっていく人がいるんだろう」
テレビやインターネットで、戦争のことを見聞きするといつも思っていた。
逢坂 冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』を読んで、その理由がちょっとだけわかった気がした。
少女が戦争という非日常に向かっていく様子をリアルに描いていたからだ。
物語の前半は狙撃兵の訓練シーンでは、訓練生を徹底的に「狙撃」に慣れさせていく。
狙撃兵育成の特徴は以下の2つ。
それぞれについて、本文を引用しながら紹介します。
①圧倒的な反復量で技術を体に叩き込む
②明瞭な意思を持って無心で撃つ
あらすじ
あらすじにある通り、タイトルの「敵」が何かを考えながら読む作品。
作者は、半年間ものあいだ資料や研究にあたって情報を収集されたようです。
リアリティのある描写も納得。
①圧倒的な反復量で技術を体に叩き込む
「習慣化」という言葉が流行っているが、まさに「狙撃」を習慣にするための訓練に思えた。
実在する名狙撃手「リュドミラ・ミハイロヴナ・パヴリチェンコ」の言葉。
完全に「ゾーン」状態やん。
この境地に至るために、我々では想像できない努力を重ねている。
訓練初日に教官が放った言葉。
人間業ちゃうやんって思うほどの技術だが、
厳しい訓練を経て、卒業時には、全員が習得できている。
②明瞭な意思を持って無心で撃つ
訓練中の教官の言葉。
何も感じずに敵を撃つための工夫が、的の変化や敵兵の呼び方に表れていたので紹介したい。
訓練の的の変化
最初は、円状の板。
次に、立体的な人形に切り替わった。
変わったときはびっくりするものの、何度か撃つと訓練生は慣れていく。
最後には、牛を的にした訓練。
牛を撃てなかった訓練生は退校する。
敵兵の呼び方
訓練中にうっかり、「ドイツ兵」、「ドイツの狙撃兵」というと、教官から激しく怒られる。
ミスしたときよりも明らかに強く。
1週間もすれば、訓練生全員が「フリッツ」と「カッコー」を間違いなく使っていた。
作中では訓練の脱落者がいた。
「私はドイツ人を殺せないと思う」
そう言い残して、他の部隊(電信隊)に転属する。
きっと、狙撃という特殊な技術と環境に適応できた人材のみが残っていったんだろうな。
まとめ
狙撃兵の訓練シーンで印象に残った以下2点を紹介。
無心で撃つために、的を人間に近づけたり、敵兵を「フリッツ」と「カッコー」と呼んだりしている。
「こうやって、戦争という非日常に適応していくのか」と気づかされる作品だった。
本作は2022年本屋大賞の受賞作品だ。
内容は決して軽いものではないが、緊迫感のある戦闘シーンや伏線の回収などエンタメ要素もあり読みやすかった。
興味ある方は手に取ってほしい。
ノーベル文学賞作家の主著、『戦争は女の顔をしていない』を基にしている。作中にも登場してので、読んでみたくなった。
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