佐賀で弥生の夢を見た
今年も秋休みがやって来た。
直前まで予定が決まっていなくて、何をしようか悩んでいた。バイトで予定を埋めることも出来たけど、それだとなんだか味気ない。
せっかくのまとまった休みたし、どうせなら何処かに行きたい。 車もバイト以外で数ヶ月走らせていなかったし、ドライブもしたい。
そう思い立ち、秋休みの数字を利用して福岡と佐賀まで旅行して来た。
私の旅行記聞いてください。
1日目
出発
午前中に予定があったので出発はゆっくり。予定後も時間を開けて家を出たのは正午を過ぎた頃だった。1人だと誰も待たせる人が居ないから気が楽だ。
今回の旅行は2泊3日で
1日目に佐賀県までドライブ、そのままホテルで1泊。
2日目は午前中に吉野ヶ里歴史公園、午後は唐津まで行って観光。その後博多のゲストハウスで1泊。
3日目は博多で太宰府天満宮とその周辺を回る。
と、こんな感じのスケジュールだ。
ぎゅうぎゅうの予定、ではなく合間合間に時間の余裕を持たせて観光地をじっくり堪能できるようにした。
私にはこういうのんびりな旅の方が向いていると感じるし、こういうのが好きだ。
佐賀までドライブ
ドライブは楽しい。知らない道を走らせるだけで気持ちが良い。電車とは違い、外の景色をじっくり眺めることは出来ないのが惜しいけれど、それでもアクセルを踏みサイドミラーや交通状況に注意を払いながら自ら道を選んで進むのは面白いものだ。
知らない道を走っていると、うっかりカーナビの案内とは違う道に入ってしまうことがある。
こういうときは内心焦るが、偶に思いもしない景色が見れることがあるので、まあ、良しとしよう。
これを食べよ!牧のうどん!
旅行日の午前中、九州出身の友達と会って話しをした。午後から旅行に行くと話すと、友達曰く「佐賀に行くなら牧のうどんを食べて!」とのこと
「牧のうどん」というのは福岡・佐賀県を中心にある釜揚げうどんのチェーン店で、創業50年の歴史があり、人々に愛されているお店なのだそう。
友達曰く、時々あのくたくたな麺が無性に食べたくなるのだそうだ。
絶対食べようと、福岡を抜けた辺りから道の途中で店舗が無いか探しながら運転した。
夕ご飯にするはずが思いの外すぐに見つかり、16時くらいの遅めのお昼にも遅すぎるご飯になってしまった。
私が注文したのは友達お勧めの肉うどん。
甘辛い味付けのお肉のトッピングと甘しょっぱい出汁がくせになる。噂通りの柔らかい麺が出汁と良く絡んで美味しい。
そういえば、ラーメンでも思ったが九州の麺は腰という概念が無いように感じる。
人には故郷の味があり、九州の民の味はこのやわこい麺なのかも知れない。
2日目
吉野ヶ里歴史公園
この日の朝、泊まったホテルから出て吉野ヶ里歴史公園に向かう。
最近、ニュースで吉野ヶ里遺跡周辺から、新しい出土品が見つかったと聞いた。邪馬台国の手がかりかも知れないと大々的に取り上げられるのを見て、めちゃくちゃ行きたかった。
結論から言おう。
めちゃくちゃ楽しかった。本当に。めちゃくちゃ楽しかった。
午前9時に入場して午後1時に出た。本当に楽し過ぎて時間を忘れて一人全力で楽しんでました。
吉野ヶ里、何が良いかって言ったら公園の規模が大きくて、実寸大な所です。
まず規模がでかいです。再現の規模が建物1個2個とかじゃないんです。村!!!規模が村なんです!!
弥生のテーマパークで何を再現しているのかと言うと村を、当時でいう「クニ」を丸々一つ再現しているんです。
「クニ」って言っても所詮は弥生時代のだからせいぜい田舎の小学校の敷地くらいでしょ??って??
甘い!!!そんなに小さいはずがありません!
だって公園の中にバスが通ってるんです!!バスですよ!?
ボランティアのガイドさんの解説付きで回れましたし、ニュースになってた石棺墓の発掘現場も見られてとっても満足でした。
弥生に感じること
「人間って変わらねー!!」
弥生に感じたことはつくづくこれに限る。人間って変わってませんよ。多分すごく尊敬出来る人もいれば、あざと系女子もいたし、鼻につく嫌な人もいたんだろう。人々の息遣いが展示品や説明書きからありありと伝わって来た。
今も昔も変わらない。20年そこらしか生きてない私が言うのもアレだが、そういう人間の本質がたまらなく愛おしい。人間大好きだ。
私は歴史が好きだ。人々が生活して、ただ生きて積み重なったものの跡。それを想像して当時の人々に想いを馳せるのが好きだ。
弥生時代は千年以上昔のことだ。それなのに、歴史公園では、建物の復元や発掘品などの充実した史料のおかげで、そうとは思えないほど色濃く弥生を垣間見ることが出来た。
道具と言葉を使い、何百年もかけて小さく着実に歩を進め、しかしときどき戦をする賢く愚かな集合体。もう一度言おう、そんな人間が愛おしい。
唐津の焼き物
歴史公園から一時間ほど北上したところに唐津市がある。そこは古くから焼き物が有名で、その土地の焼き物は唐津焼と言われている。
伊万里や有田焼きと並ぶ唐津焼きは
灰色や白、枯れ葉色の素朴な風合いが温かい。色味が全体的にシックなのでモダンな印象も持ち合わせていて2面性が美しい。
特に購入したお皿は気に入っていて、家で作ったお菓子を乗せては何度も写真を撮っている。
無秩序のようで規則的な渦巻きがお気に入りポイントだ。
唐津市では、唐津城というお城もあり、その中の博物館も面白かったので時間がある時などぜひよって欲しい。
博多へ
唐津を観光後はお隣福岡に向かった。
翌日の太宰府天満宮を朝から楽しむ為だ。
高速を使わずに大体2時間くらいだったかな。この日は博多のゲストハウスに宿泊した。
3日目
太宰府天満宮
この日は朝から太宰府天満宮へ
車は近くの3時間三百円のところが安くて良かった。
駐車場の人に、太宰府天満宮のことを少し教えてもらった。どうやら昔からある参道方法があるらしいので、私もその方法でやってみることにした。
まずは腹ごしらえ。参道にはお店が立ち並んでいるので食べ歩きに最適だ。ビールや日本酒も売っていたので車で来ていなければ飲み歩きも出来たなぁと。
名物らしいのは「梅が峠餅」と言うお餅。饅頭の様に餅の中に餡子が入っていて、鯛焼きの鉄板みたいなものにお餅を入れて焼いているので表面のお餅がカリッとしていて中は柔らかくてあつあつ。朝ごはんを食べていない冷えた胃袋には最高だった。
立ち並ぶ店々を抜けるといよいよ太宰府天満宮の入口の鳥居が見えてくる。(店の通りにもいくつかあり、どこから入り口というのが正しいかいまいち良く分からないのだが)
次に見えてくるのが太鼓橋。波の小さな橋が三つくらい連なっている。
すれ違う人たちが橋の上でポーズをとっていたので定番のフォトスポットなのだと思う。
橋を越えて楼門が見えてくる。
朱色の丸い柱と少し反っている家根が平安みを感じて良い。
2023年10月現在では、本殿は改修中で仮殿が置かれていた。
そうそう。楼門近くに牛の像がある。太宰府天満宮 創設の地を決める時に一役買った牛の像。牛の身体を触ると触った場所にご利益があると言われている。
私はこの牛のお腹を触ってきた。もっと美味しいものが食べられますように。
招かれた 竈門神社
太宰府天満宮ではほぼほぼ午前中ずっと過ごしていた。宝物殿や境内から続く道から行ける九州博物館もよかった。
それでも午前中だけで旅を切り上げるのも味気ないから、何処か寄りたいと思いつつナビを帰り道に設定して車を走らせ始めた。
しかし慣れない道だからか道を一本間違えた。Uターンも出来なそうなのでそのまま進むと「竈門神社駐車場」と書かれた看板が見えた。上り坂の山道だった。
そのまま進むと突き当たりに神社の入り口と駐車場があった。
思いがけない出会いもあるものだ。
竈門神社。
調べると某鬼狩りの漫画の聖地とされている神社で、境内にかけられた絵馬にはその漫画のイラストがたくさん描かれていて、見ていて楽しかった。
縁結びの神社らしく、カップルが多く参拝していた。カップルや二人組の多い場所だと少し肩身が狭い。クラスで二人組を作るよう言われ一人余ってしまった状況に似ている気がする。
総括
佐賀と福岡。近すぎてなかなか行かなかったので今回行けてとても良かった。
古い歴史が凝縮している土地は年月を経ても昔の人々の営みを感じられ、大変心に沁みた。
車での旅は電車よりも柔軟性があって楽しい。
だけれどお酒を飲むようになって、飲み歩きがしたくても出来ないのは少し惜しい。
次は初心に帰って電車の旅も良さそうだ。
佐賀、福岡ありがとう。また行こう。
それでは、また。