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①−1【対談企画】NPOの経営と構造

こんばんは。『クローズアップNPO法人 〜現場の声から〜』の時間です。

初めてコモンビートを知る人が団体に対して持つイメージで最も多いのは、「なんか楽しそう」という言葉。
でも、ただ楽しいだけじゃないんです。
企画の現場にいつだってある“楽しんで学んでもらうための仕掛け“は、NPO法人として「社会貢献活動」を実現させる一つの手段でもあります。
では一体、その仕掛けは誰がどう作っているのか、企画がどう社会貢献に繋がっていくのか。
コモンビートを運営するメンバーの皆さんに伺います。

今回のシリーズからは、理事長である安達亮(以下、りょうさん)さんと現在国際交流チームの短期インターンメンバーである髙橋真二郎さん(以下、しんじろー)の対談が始まります。

この対談の続編は今日から30日金曜日にかけてリリース予定なので、是非ご覧ください。

取材担当:広報インターン ジュン


0.プロフィール

ーー今回、ファシリテーターとインタビュアーを兼ねます、広報インターンのジュンです。よろしくお願いします。
では、同じくインターンのしんじろーも自己紹介を簡単にお願いします。

【しんじろー】国際交流チームで短期インターンをしている髙橋真二郎こと、しんじろーです。今一番楽しみにしてるのは10月2日のミュージカルで、大阪の方にちょっと遊びに行くんで楽しみたいなと思っています。
関東公演も観に行った時にりょうさんを少し見かけたので、今こうして話しているのがなんか芸能人にあった気分です笑

ーー自己紹介ありがとうございます。
補足として、しんじろーは大学でNPOについて学んでいるとのことで、今回こうして対談の実現に協力してくれました。
では、NPO法人コモンビートの理事長であるりょうさんも自己紹介の方をお願いします。

【りょう】よろしくお願いします。安達亮です、りょうと呼ばれています。東京生まれ東京育ち、小学校の頃からサッカーを始めて、大学2年ぐらいまでずっとやっていました。観戦するのは野球ということで、ヤクルトスワローズファンで巨人が嫌いです笑
   あとは映画とか音楽とかがすごく大好きで、それもあってコモンビートで働いているところもあるんですけど。そういうエンターテイメントとかが大好きです。
大学生の時には就職活動をやったけど、狭い方向に追いやられる気がして「なんか嫌だなあ」と思って。「これは旅に出た方がいい!」って思い立って、卒業してすぐにピースボートっていう、地球一周をする船に乗って地球を一周して16カ国ぐらい旅して帰ってきて、その船の中でコモンビートに出会って今に至る、みたいな感じかな。
   なので、自分は学生からそのままNPO就職したみたいな感じのキャリアだったりしていて、NPOで18年とか17年働いてきて企業に1回も就職したことはないので、色々と今日は聞いてもらいながらそういう生き方とかも着目してもらったら面白いかなと思ってます。

ーーお二人ともありがとうございます。では早速、質問に入っていきたいと思います。


⒈理事長と事務局長の違い

ーー本連載の第1回目は事務局長であるはなさんに質問をさせていただきました。
そのはなさんがされている事務局長と、りょうさんがされている理事長という役割、立場、仕事、の違いとかはあったりしますか。

【りょう】これは一般的に言えば違いがあるはずなんだけど、ちょっとコモンビートって特殊だったりするので。僕ができること、はなができること、って区切れないところもあったり、曲がっちゃったりしてるところがあったりはするんだけれども。

1−1 理事長の役割

【りょう】理事会の“長“が理事長なので、理事長の役割としては経営を全般見ていたりとか、コモンビートでいうとどちらかといえば未来とか計画とかあとは経営なので、予算とか決算とかお金の部分というか、そういったところの責任を持っているのもそうだし、一番大きなビジョン、ミッションみたいなところの確認だったりとか策定だったりとか、そういったところを司る一番トップの人みたいな感じだったりする。
 権限で言うとね、NPOの場合は会員の方が上になる。なので、総会という組織に対してどういう議案を出すのか、みたいなところを決めていくのが理事長の役割なのかなと思っていて、どちらかというと人間でいうところのブレーン的なところだというふうに思ってもらえたらと。

1−2 事務局長の役割

【りょう】逆に事務局長は、現場のトップって言われるけれども、まさに全員が考えたことを、実際に目指していくためにどんなことをやればいいかっていうのが事業活動になるので、その部分をトップとしていろんな面からリードしていくのが事務局長なので、理事長というブレーンに対して、手足・身体、みたいなイメージを持っているかなと思っていて。
 あんまり分け隔てなく、一緒に考えたり一緒にやってたりするところは多いけれども、一応そういう話からすると、僕がビジョンとかそういうものを描いて、はながそれを実現するための組織をどう運営するかみたいなことを考えてる、っていうのがコモンビートの役割分担かなというふうに思いますね。
 なので、コモンビートはそういう感じだけど組織によっては明確に理事長と事務局長が全然違うことをやっている場合もあると思うし、他の団体ではいろんなタイプがあるかなと思いますね。

⒉NPO法人という組織の構造

2−1 経営・運営の動機

ーーはい、ありがとうございます。
しんじろー、早速めちゃくちゃうなずいてくれましたけど、どうですか。

【しんじろー】単語は聞いたことがあるんですけど、具体的にどうなのかっていうのがわかってなかったんで、「そういう仕組みなんだ」っていうのがわかりました。りょうさんは学生からいきなりNPOに入って、その後何回かステップアップしていったと思うんですけど、経営とか戦略とか任されることになって不安とかなかったのかなって。

【りょう】不安だらけっていうのは、現在も言えることかなとは思っていて。僕自身、大学は法学部を出ているんだけれども、別に資格を取ったわけでもなく、経営とかそういう勉強したのって聞かれても「一切やったことないです」っていう感じだったので、そもそも大学卒業してすぐここに入ったけれども「NとPとOってなんですか?」っていうぐらいのレベル、最初は。笑

 どちらかというと僕はさっき言った、ピースボートの中でミュージカルのプログラムがあったから参加したっていうところから始まっているので、NPOがどうだからとかそういうことではなく、ミュージカルをやるときに人手が足りないって言ってるんだったら「え?なんか面白いし、働いちゃうかな」みたいな感じでここに来てます。なので、経営したくてここに入ったわけではないし、NPOを運営したくて入ったわけではなくて、「入ってみたら色々頼まれたから勉強するか」みたいな感じで今まで来てるのでずっと独学ですね。組織運営もマネジメントも。

 だから自分にとって、ある種苦手だなって思ってるのは、しんじろーが言ってくれた経営の部分とか。学んだ人と比べると劣るものがあるとは思うけれども、感覚的にはここがこうなったらまずいんじゃないのか、みたいなことは理解しているけど、できているかと言われれば(経営に対しての)自己評価はまあまあ低めにって感じかな。けど、(経営に関して)よくやってるよって周りから言われるのはありがたいね。そんな感じかなあ。

2−2 組織の意志決定機関

【りょう】さっき言った理事長とか事務局長とかっていう言葉とかはNPO特有だったりするし、その法人格によって全然違う肩書きがあったりするんだけど、基本は総会が一番上の意志決定機関になってその次に理事会があって、そのさらに次に事務局な3段構造ががNPOの基本構造だと言われている。総会は会員がオーナーで、理事会は理事長がオーナーで、事務局は事務局長がオーナーって捉えておくと他のNPOでも同じだってことがわかるかな。一番注目すべきは総会に参加する会員を「市民」ってとらえるところのことね。そういう構造なんかを理解しておくといいかなって。

⒊NPO法人には市民が不可欠

3−1 総会には市民が必要

【しんじろー】ありがとうございます。総会が市民なんですか?

【りょう】そうだね。特定非営利活動法人と呼ばれて市民活動をするための団体、法人格なので、必ずNPO法人を立ち上げるときは、10人会員が維持されていないといけないっていうルールがあります。なので、10人以下になっちゃったら、市民が10人いないので、NPO法人として成立しないことになってしまうので、世の中にあるNPO法人は10人以上会員がいるってことが条件。
 総会で議決権を持っている正会員が必ずいて、正会員になる人も基本的にはお断りしてはいけないっていうルールがあるので、誰でも正会員だし、誰も賛助会員にもなれるし、その人たちに決議をしてもらって、翌年の計画を決めていったり、大事なことを言って行くみたいなことになってます。
 なので僕が、「来年はあっち行こう」って言っても、会員の皆さんが「いやそっちじゃないでしょ」って言ったら「そうですね」っていう話になりますよと。

3−2 非営利活動団体にもさまざまな形が

【しんじろー】ありがとうございます。本当に市民が担う組織っていうのがNPOなんだなっていうのが、改めて構造の面からわかりました。

【りょう】NPOの捉え方自体も、もっと大きな括りでいうと、考え方は、学校だって非営利でやっていったりすると思うし、国会や政府だって一応非営利といえば非営利だよね。なので、ちょっと大きく非営利団体を捉えていくのもいいんじゃないかなって思います。いろんなところにNPOっていうのは存在しているし、PTAもNPOの一種だよね。市民がみんなの力を合わせて活動してるものは結構NPOという括りで言ってもOKなんじゃないかと。

   今回は経営と組織構造についての概要をお話して頂きました。
   次回は、NPO法人がどのように事業に必要なお金を集めているのか、またこれまで長年NPOに関わってきたりょうさんが団体運営を継続されている理由についてお伝えします。


関西公演情報

【ミュージカル「A COMMON BEAT」再開記念シリーズ 関西公演】

▼日程
2022年10月2日(日)
初公演:開場 12:30 開演13:00
千秋楽:開場 17:00 開演17:30 ★オンライン配信あり

▼会場
吹田メイシアター 大ホール

▼詳細

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