第7話『午後練習 〜いざ、九十九里の海へ!〜』
みなさん、こんばんは!
コモンビートで広報インターンをしています、ジュンです。
初めましての方もいらっしゃると思うので、はじめに私のプロフィールを軽く紹介させてください。
出身は茨城県。日本大学芸術学部演劇学科に現在所属しており、「社会に開かれた舞台」について知見を広めるため、インターンとしてコモンビートのミュージカルに関わっています。
さて、前回に引き続きそんな私が行うこの連載では、私が実際に関東公演(※)の稽古現場に行った際に感じたことや考えたことを赤裸々に綴っています。
今回は連載第7回目、お昼休憩に海に向かってみたことと、そこでわかった新たな発見をお伝えします。
※
関東公演とは、コモンビートが7月16日(土)に東京で行った「ミュージカル『A COMMON BEAT』」の再開記念公演。
この記事に書かれているのは、その公演の一週間前の出来事です。
前回のあらすじ
15時への本番前最後の全体通しに向け、賑やかで真剣な午前練習を終えたキャストさんたちと一緒に私は海に行くことに。
対面練習も終盤に差し掛かったとこで、私はまた新たな発見をする……。
2022年7月10日(日) 14:30
15時からは最後の全体通しとなるため、このお昼休憩は一同が羽を伸ばすことができる貴重な時間だ。
そんな時間に私はキャストさんたちとともに海へ向かっている。
カンカン照りの道中、日傘の中に入れてくれた赤大陸の方と喋っていると、
「え、その(私が着てる)Tシャツミュウツーやん!」と話しかけてきたのは青大陸のキャストさん(⭐︎)。
⭐︎現在関西公演にも出演中の方なので、詳しくはこちらから↓
https://note.com/lucky_oxalis903/n/nf745c89d65fa
そのまま三人で話している流れで赤大陸の方が、
「で、今のパートナーと出会ったのはこのミュージカルだったんだよねえ」
「ええええええええええええええ!?!?」
と2人でびっくりである。
「まさかそういう出会いもある場だったとは」(私)
「良いなあ〜良いなあ〜」
コモビ、いろんな縁結びをしている。すげえ……
と砂浜に足を取られる感触を楽しみながら歩いていったその先、
ついにオーシャンビューと対面!
「バアアアアン」
……ということで、(私は海に詳しくないのでよくわからないが)サーファーの人たちもいるくらい良い感じの海が目の前に。
何億年ぶり(盛りすぎ)に見た青い海にワクワクが止まらないのは確かだが、私も今年で22歳の身なので盛大にはしゃぐのは遠慮しておこう……
と思っていると、
「きゃあああああああああ!!」
サメでも現れたか!?(九十九里にサメいるのか?)
しかしよく見ると海に飛び込む(!!)キャストさんがちらほらと。
相変わらずめちゃくちゃ楽しんでるなあ。
「海水でベタベタのまま練習したら大変だぞー」
と笑って私の隣で一緒に眺めているのは、衣裳(⭐︎)のたまちゃんさん。
「コロナ前とかは合宿とかして、朝っぱらから海へ向かって叫ぶとかやってたんだよね」
おお、だんだんわかってきたけどやっぱコモビの現場ってそんな感じなのか。
色々と思い出を話してくれたたまちゃんさんは、このミュージカルを作った初期メンバーの1人。
普段はコモビ以外の舞台の現場に入ってお仕事をされているが、公演時にはこうして衣裳(だが、小道具も…)担当として入っている。
コモビの舞台は少し特殊だ。キャストさんの衣装の一部はキャストさんたち自身でイメージをして自分達で用意するらしい!
もちろんたまちゃんさんとイメージの擦り合わせをすることもあるが、衣装を選ぶ主体はキャストさんにある。たまちゃんさんは、コモビが所有している衣装や小道具の管理に加え、キャストさんが持ってきた衣装のお直しなどのサポートもしている。
⭐︎舞台衣裳という仕事について
舞台上に出てくる衣装を全てデザイン・プランニング、または制作をする仕事。
(なので、コモビ内でのたまちゃんさんの仕事内容は少し特殊)
舞台には様々なジャンルがあるため、作品によって求められるスキルや知識が異なってくる。ちなみに、日本の舞台業界では衣裳の仕事も舞台美術というとても大きな括りの中の一つという位置づけである。
※基本的に衣裳さんは小道具を扱いませんが、舞台の規模感によっては小道具専門のセクションがあったり、大道具担当が小道具も一緒に扱ったり、演出助手が用意したりと、現場によってまちまちです。
その後、私は緑大陸の人たちが座ってるとこでのんびりしたりして、一緒に写真まで撮ってもらっているとそろそろ良い時間に。
帰りの道で黄色大陸の方2人に色々と質問をしていると、
「え、〇〇歳なの!?知らなかった!」
「え、本名〇〇なの!?知らなかった!」
「今まで知らなかったんですか!?」(私)
と本番5日前を目前にして初対面で知るようなことが明らかに。
コモンビートのミュージカルの練習では、お互いの呼び名とやる気があれば職業がなんだろうが年齢がなんだろうが関係ないようだ。
となると、職業や年齢といった「属性」とは一体なんだろうか。
それはある種、人が社会で存在するための付加価値で、ある時はマネタイズされて消費の対象になるものでもあると私は考える。
しかし、日本の盆踊りに代表されるハレの場ではそういったことに関係なく、人々はその空間を楽しんでともに時間を過ごす。
このコモンビートのミュージカル練習現場は、その「ハレの日」のような場所なのだろう。(←急にアカデミックで笑う)
今まで私は商品としての舞台作りを意識してこの現場の調査を行なってきたが、そもそも「そうではない」のだろう。
まだまだ発見は尽きない……。
最後の全体通しを見届けることで、また新たな発見がきっとあるはずだ。
時刻はもうすぐ、15時を迎える。
☆次回、ついに調査レポートも最終回。
そこで調査員Jが思うこととは……
☆関西公演情報☆
【ミュージカル「A COMMON BEAT」再開記念シリーズ 関西公演】
▼日程
2022年10月2日(日)
初公演:開場 12:30 開演13:00
千秋楽:開場 17:00 開演17:30 ★オンライン配信あり
▼会場
吹田メイシアター 大ホール
▼詳細
https://commonbeat.org/musical-acb/comeback2022/ticket2/
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