冬色シチューの待つ家へ《#シロクマ文芸部》
冬の色になったね。もう安心だよ。
そう先生に言われて、隣に立つ母がほっと胸を撫で下ろしたのが僕にまで伝わった。
僕はと言えば、急に来た自分の身体の変化に戸惑いと恥ずかしさが纏わりつくばかりで、家族や先生の喜ぶ顔もまともに見れない。でも
「テルマくん。明日から一人で学校まで来られるね」
そう言われて、やっと嬉しさもこみ上げてきた。
僕は家族から守られるだけの対象ではなく、自分で自由に出歩いていい存在ってことなんだ。
大人になるってこういうことなのか。
先生にさようならの挨