跳ねろ 犬捜査線(第2話)
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オレ虚に吠えずがっかりだ。
今日は愛しい彼女の顔もニオイも拝めなかった。
モモの家のフェンスに顔をぴっとりくっつけて中を覗いたが、留守なのか、暫く待っても誰も庭には出てこなかった。
ガックリしっぽを垂らしながら歩いていると、いつもの通りの歩道橋の上から誰かに見られている気がして顔をあげた。
この古くさい歩道橋は、ランドセルを背負った小さな子しかめったに登らない。なんとなく見つめながら4つの足を前に進めていると、その歩道橋のうえの人間は欄干に両手をか